2007年 01月 09日

ジェームズ・ボンドとカクテル

「カジノ・ロワイヤル」、仏リキュール産業復活を後押し - フランス

【ボルドー/フランス 18日 AFP】ワイン生産の中心地、仏南西部ボルドー(Bordeaux)では、ワイン醸造業者が世界市場で厳しい競走を強いられている一方、創業200年の老舗リキュール製造会社が、太西洋を隔てた英米市場を狙ったカクテル・ブームに乗じた好調なビジネスを展開している。
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AFPBB News


 先週、「007 カジノ・ロワイヤル」を映画館で鑑賞した。最初の数十分間、新ジェームズ・ボンドの顔にとまどってしまったことや、冒頭のアクションシーンがはらむ矛盾点の数々が気になったこと、隣のおじさんが空のペットボトルで刻む妙なリズムに邪魔されながらも、内容盛りだくさん(やや詰め込みすぎの感も否めないような・・・)で、鑑賞後には、ダニエル・クレイグ=ジェームズ・ボンドを違和感なく受け止められるまでになった。

 私が007シリーズで気になるのは、名脇役として登場する酒の数々。一番有名なのはマティーニだろう。本来、ドライ・ジン3に対してベルモット1をステア、オリーブを沈めてレモンピールをするのが一般的なレシピだ。ジンをウォッカに変えるとウォッカ・マティーニになる。ジェームズ・ボンドが好むのは、さらにアレンジを加えたもので、ドライ・ジン3に対してウォッカ1、ベルモット0.5をシェイク、これにレモンピールを浮かべる「ボンド・マティーニ」。が、今回の新作では、原作により忠実なカクテルという、「ヴェスパ・マティーニ」が登場した。ドライ・ジンにウォッカ、フランスはボルドー産のフレーバードワイン、リレをシェイクし、レモンピールを添えるというもの。


*リレ家の秘密

 ボルドーを旅したとき、リレの前を通ったことがある。そのときバスに同乗していたフランス人から、ボルドーではリレは子供にも大人気のフレーバードワインだと教えてくれた。オレンジの香りがさわやかで、それくらい飲みやすいのである。私も、アペリティフにリレのソーダ割りをいただくのが好きだ。
 リレは1887年、リレ家のポール、レイモンド兄弟によって、ボルドー地方にあるポデンサックという小さな村に誕生した。ベースにはボルドーの中でも厳選された産地のワインを85%使い、南スペイン産の甘いオレンジやハイチ産の苦味ばしったオレンジ、モロッコやチュニジア産のグリーンオレンジ、ペルー産のキニーネなどから作られるフルーツリキュール15%がブレンドされている。このリキュールの製造方法については門外不出とされ、「リレ家の秘密」と呼ばれているそうだ。ブレンド後はオーク樽で6~12ヶ月間熟成され、さらに薫り高く、複雑な味わいに仕上げられる。
 リレにはルージュ(赤)とブラン(白)があり、ルージュはラズベリーやブラックベリーといった黒いベリー系の香りと、樽からくるヴァニラやシナモンなどスパイス系の香りが楽しめ、力強い味わい。ブランは花やハチミツのような華やかな香りと、オレンジやライムのようなフルーツ系の香りが豊かで、まろやかな味わいと長い余韻が楽しめる。どちらもそのまま飲んでもよし、カクテルにしてもよし。また料理のソースなどにも使われる。ルージュはフォアグラや鴨肉を使った料理に、ブランは魚介類を使った料理におすすめだそう。

 ちなみに、007に登場する酒でもうひとつ有名なものを挙げるとすればシャンパーニュだ。今回登場したシャンパーニュは、私がもっとも愛してやまないシャンパーニュであるボランジェのプレステージ、「グラン・ダネ」だった。

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登録日:2007年 01月 09日 10:05:20

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プロフィール
成田美友
(女)
ambrosia
ドイツにある観光公社「Historic Highlights of Germany」でのフリー編集者生活を終え、ドイツから帰国。現在はフリージャーナリストとして活動中
*主な経歴:出版社で旅行ガイドブック、街情報誌の編集、サイト運営会社で食に関するウェブサイトの編集と編集者人生10年目
*ひとこと:土地の歴史や文化に深く根ざしたヨーロッパの食文化に魅かれ、学ぶ日々。米・Society of Wine Educators認定Wine Specialist/日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
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