【写真の真相】沼津は日本製紙工場

世界最古の新聞、全面デジタル化 - スウェーデン

【ストックホルム/スウェーデン 20日 AFP】世界で最も古い歴史を持つ「ポスト・オック・インリッケス・ティドニンガー(Post Och Inrikes Tidningar、PoIT)」は、新聞の印刷を2006年末に終了し、2007年から全面的にインターネットでの情報提供に切り替えた。
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(c)AFP/SVEN NACKSTRAND

AFPBB News


 先日、今月出版する本の印刷に立ち会ってきた。
 場所は静岡県の沼津。沿岸部に沢山工場が立ち並んでおり、そのほとんどが製紙、印刷関係なのだ。聞けば、沼津で、日本で使う紙の3割が生産されているという。
 私の本も、そういうわけで、この街で印刷されることになったわけだ。
 今度出る本は直球勝負の写真集。それも4色カラーが基本となる。
(みなさん知っておられますか? 4色カラーとは、1枚の面を4回印刷機にかけるわけで、単純計算すると活字の本の4倍の労力と技術が必要になるのです)

 色とは恐ろしいもので、本当に、ほんの少しだけ黄色が多くても、赤色が少なくても、色のバランスが崩れても作者の意図が正確には伝わない。また、それぞれの家で使う電灯の種類や使っている年数でも、違ってみえてしまう。だから、このような印刷では、太陽光を基準とし、機械で一枚印刷しては、微妙に使うインクの調整をしてゆくのだ。
 それだけではなく、1面に対し、4回行う印刷が、たとえ0,1ミリずれていても、まったく写真は見られなくなる。そして、すべてを完全に一致させた1ページの印刷を完成させるには、長い経験が必要になる。
 そしてそれができるのは日本が誇る「職人さん」なのだ。
 
 写真家などというものは、もう、無茶苦茶な人種だと思う。
 そんな時、「もっと感情が伝わるような色」とか「もう少し寂寥感をだしてください」とか。感覚で撮っているから、このような発言になるのだが、おいおい、感情が伝わる色って、寂寥感(せきりょうかん=寂しさ)を出す色って? 
 しかし、現場の長で、長年その印刷現場を仕切ってきた職人さんは、そんな理不尽な言葉に対しても、「よし!」と一言いうと、機械に投入するインクの量をコンマ単位で変えてくださり、私が思う色を見事に出してくださったのだ。

 日本がここまで来れたのは、こういう方の存在があったからだと心底思う経験だった。
 
   

コメント[5], トラックバック[0]
登録日:2007年 03月 02日 10:45:48

コメント

日本の“職人さん”の技術が次の世代に受け渡されていくのかがとても心配ですね。
特に、その『勘』と呼ばれるものを受け渡すことができないので、それを習得するには学ぶ側の姿勢が問われますからね。
それにしても、その写真集が本屋の棚に並ぶのが楽しみです。
また「一票」を入れさせてもらいますね。

まえじゅん @ 2007年 03月 03日 11:31:41

まえじゅんさま

 「一票」のご予約、本当にありがとう!!
 励まされます。

 それと、たった今、知人から電話が入り「日本3割の製紙製造を誇っているのは沼津の隣の富士市」とのアドバイスがありました。一帯は続いているように見えるが、行政区が違うとのこと。ですので、コメントにて、富士市・沼津と訂正させて頂きます。

桃井 @ 2007年 03月 05日 11:27:48

写真家って本当にずうずうしい職業なんだと実感。取材から始まり、最後の最後、印刷製本まで主張し続ける。でも、お互いがプロ、職人だからか当然のことなんでしょう。

カナダを旅したときに、本屋をのぞきました。写真集の場合、ほとんどがカナダ外でのプリント。特に、素晴らしい写真集はすべて日本でのプリントでした。「これからもきっと、まず、間違いない。技の大国は健全でしょう」といいたいですが・・・・。技の継承がないがしろにされかねません(地位も決して高い訳ではありませんし)。IT、IT、イノベーションと今日も首相は中継で唱えていました。そのITということばは、もはや古くさく感じてしまうのは私だけでしょうか。

職業柄か本屋に行くとすぐに1万円札が消えます。消える1万円札を眺めながら、改めて思います → TVはもちろん、インターネットやDVDなど、さまざまな媒介を通して情報を得ることができますが、紙の文化、書籍はなくならないんじゃないでしょうか(たとえ手間がかかろうとも)。しばらくは、本に変わるものは生まれでないでしょう。ITの登場で、本は古くさくなりそうでしたが、なりませんでしたから。

あっしい @ 2007年 03月 05日 21:17:26

桃井様、こんにちは。こちらでははじめましてですね。オンデンです。今年の初めにブログデビューしました。アナログ人間なので戸惑うことばかりですが、これからもよろしくお願いいたします。なお、貴HPのほうをBookmarkさせていただきました。
 元教員のうちの父はパソコンの画面を見れば済むことでも、いちいちプリントアウトします。やはり昔の職業柄か「印刷物」を信じる気持ちが強いようです。

オンデン @ 2007年 03月 06日 15:35:51

あっしいさま

 写真家はまったく図々しい人種です。
 なにしろ、人のプライベートまで含め、写真に撮り、それを公にすることを職業の前提にしているからです。
 だから、私はこれを「生業(なりわい)」、つまり、生きる業だと感じています。
 しかし、なぜ、最後までこだわりたかったかといえば、それは写真を撮ることを許してくださった被写体への、私なりの仁義だと思っています。
 少しでも多くの方の目に触れ、辺境で繰り返される問題や人々の気持ちを日本人にも分かち合って欲しい。と願っているからです。
 また出版する本はどれも、写真家にとって、難産の「子ども」のようなもの。一枚一枚の写真に取材の苦労があり、喜びがあるわけで、愛おしくもあるのです。

 オンデンさま
 おひさしぶりです。デジタルな画面は、一瞬で消えてしまう可能性のあるデータでしかありません。
 やっぱり、私も古い世代になったのかもしれませんが、紙に愛着があります。

あっしい @ 2007年 03月 20日 12:38:12

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プロフィール
桃井 和馬
(男)
http://www.e-mb1.com/momoi/
*現在の職業:フォトジャーナリスト

*主な経歴:62年生まれ 世界140カ国を「環境」「紛争」「歴史」を軸に取材。独自切り口で「文明論」を展開している。

*得意ジャンル:地球環境 紛争 国際関係 映像論

*ひとこと:善悪の二元論ですべてが語られてしまう世界はイヤだ! 世界と地球のことを考える人々への、「思考」するサイト。
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