映画「カルラのリスト」が訴える本物の正義

旧ユーゴ国際戦犯法廷の主任検察官、未逮捕戦犯の身柄確保を督促 - セルビア

【ベオグラード/セルビア 3日 AFP】旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷のカーラ・デルポンテ(Carla Del Ponte)主任検察官は3日、ベオグラード(Belgrade)でブク・ドラシュコビッチ(Vuk Draskovic)外相と共同記者会見を行った。
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(c)AFP/DIMITAR DILKOFF

AFPBB News


今月の10日から公開される映画「カルラのリスト」は、この記事に登場している、ユーゴ国際刑事法廷の検察官カルラ・デル・ポンテを追ったドキュメンタリーだ。映画の中でカルラはひたすら、ユーゴ内戦の最中に、何千人もの罪もない者たちを殺戮した戦争犯罪人を法廷に立たせる正義が行われることを訴えているのだが、それが観ている我々ではなく、旧ユーゴの国々や世界中の国々の国家支配者たちに向けられていることが、この作品の重要性を表している。

この映画で驚かされるのは、世界中の国々が意外なほど、カルラたちに非協力的なことだ。国際政治の取引、いわゆる政治的決着という言葉と正義とがすり替わっていることに、この作品を見ていると改めて実感させらる。だからこそ、カルラたちが声高に正義を訴える姿は、神々しいばかりでなく、国家が無機質で冷たく、カルラたちに本当の人間性を感じる。それは、ハリウッド映画のヒーローやヒロインが唱えるお手軽な正義ではなく、この作品では、本物の正義が行われることがいかに難しく、どれほど苦しいものであるかが描かれているからだ。

カルラたちの正義がいかに大事なことなのか、それを感じるのは、殺戮された者たちが残した家族たちが登場したときだ。言葉が少なくとも、家族の頬をつたうひとしずくの涙が、カルラたちの正義が成就することへの願いを表わしていた。本物の正義の上に、言葉の装飾などは意味がない、ことを、その家族たち、そして、カルラの感情をほとんど表にださない表情で読みとることができる。

この作品を見たあと、ふと日本軍が行った南京大虐殺や沖縄の民間人大量自爆死を思い出した。戦争犯罪人は、極東軍事裁判で裁かれていると思われているが、南京の虐殺を支持した者や、沖縄の人たちに自爆を指示して手りゅう弾を持たせた者への審判は行われていない。その事実を思いおこすと、カルラたちが訴える正義は、以前の戦争犯罪人を裁くためではなく、人間がおろかなことを繰り返さないためのものであることに気づかされる。それに、日本ばかりでなく、世界中の国家支配者がまだ気づいてないことに、うすら寒い思いがしてくる。

http://www.uplink.co.jp/carla/index2.php

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登録日:2007年 11月 06日 23:53:35

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