映画「アニー・リーヴォヴィッツ レンズの向こうの人生」の向こうにあるもの

【特集:アニー・リーボヴィッツ】世界一有名な女流写真家の半生

【12月13日 MODE PRESS】アーティストのオノ・ヨーコ、女優のデミ・ムーア、米ヴォーグ誌編集長のアナ・ウィンター、カリフォルニア州知事アーノルド・シュワルツェネッガー・・・。
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AFPBB News


正直に言うと、この映画を見るまで、写真家アニー・リーヴォヴィッツに関しての私の知識は、雑誌専門の広告写真家という程度だった。そのおかげもあったのか、この映画は単に人物の半生を紡いだドキュメンタリー以上の新鮮な驚きをもって受け入れることができた。

60年代後半にアメリカ国内の学生たちが行ったベトナム反戦デモを皮切りに写真を撮り続けた写真家アニー・リーヴォヴィッツは、まさに、アメリカの歴史を描いた証言者のひとりに数え上げられることを、この映画は物語っている。そして、時代の一瞬を切り取る写真が世間に与える衝撃度の高さが、同時に写真家アニー・リーヴォヴィッツの名を高めたことに繋がっていた、といことも、この作品は、さまざまな事実や写真家アニーの人間関係の深さをとらえることでスクリーン上に表出させている。監督がアニー・リーヴォヴィッツの妹、ということで、若干、姉の人間性に対する掘り下げの甘さは見えるものの、写真家アニー・リーヴォヴィッツが醸し出す人間的な魅力が、被写体の内面も写し出させようとするくらいの素晴らしい写真となって表れていることが、この映画ではっきりと認められることは、作品としての評価を高めるに充分な要素だと思う。

また、この映画であらためて感じるのは、60年代、70年代のミュージシャンやアーティストたちの社会に対する影響力の高さだ。今のミュージシャンやアーティストにローリング・ストーンズやジョン・レノンほどのカリスマ性がないだけに、この映画の中でアニー・リーヴォヴィッツがカメラでとらえ、一緒に歩んできたアーティストたち道のりというのは、その時代を知っている者にはある種のノスタルジーを感じるだろうし、現代人にとっては衝撃的となるだろう。またそこにも、この作品のある意味の新鮮さがあると思う。今が窮屈に感じる人にとっては、アニー・リーヴォヴィッツがとらえたものに自由を見るかもしれない。逆に、今がいい時代と感じる人には、昔というのは粗雑な者ばかりに思うだろう。時代の空気をどう見るか、というのが世代を超えて語り合えるという意味でも、この作品は多くの人に見てもらいたい。

ちなみに、ひとつ疑問として残ったのは、アニー・リーヴォヴィッツが撮る写真の枚数の少なさだ。広告写真を撮るシーンが何度も出てくるのだが、その枚数の少なさは、日本の広告カメラマンが撮る枚数の比ではない。ぜひ、アニー・リーヴォヴィッツ自身から、撮る写真の枚数を少なくしていい写真を撮る方法というのを教えてほしいものだ。

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登録日:2008年 01月 30日 04:40:07

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