「弱い人」……?
【モスクワ/ロシア 6日 AFP】ロシアでは毎年6万人が自殺しており、リトアニアに次いで世界第2位の自殺大国となっている。
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(c)AFP/ALEXANDER NEMENOV
ロシア人の男性の平均寿命は58.4歳。女性の72.1歳に比べ、異常に短い寿命だ。(2002年 WHO) 自殺大国の第一位にあげられたリトアニアのほか、自殺率の高い国にはウクライナ、ベラルーシなど、旧ソ連に属する国々が並んでいる。体制の急変についていけないことが自殺のベースにあるのだろうか。
日本でも、8年間連続して自殺者が3万人を越えている。世界各国の自殺率で比較すると、10万人あたり24.1人でちょうど10位。(2004年 WHO) 年齢別では60歳代と50歳代で半数を占め、男性の割合が多い。バブル崩壊後のリストラ、長引くデフレ、急速に進むIT化、勝ち組・負け組意識の浸透などなど、ここ10年の間に日本が体験してきたことはソ連崩壊に匹敵するようなクライシスだったのかもしれない。自民党政権が延々と続き、安定しているように見えるけれど。
■同窓生の死
昨年、中学・高校の同窓生が自ら命を絶った。彼女とは特に親しかったわけではなく、風の噂でそのことを知った。学生時代の彼女は、ちょっと悪ぶってみたりはするものの、勉強がよくできる普通のお嬢さんだったと思う。弁護士一家の末娘で、国立大の医学部にストレートで合格、その後着々とエリートコースを歩み、同じく医師である男性と結婚してふたりの男の子がいたそうだ。
彼女が亡くなった話を聞いたとき、誰かが自殺したと聞いた人の多くがそうであるように、私はとても不思議だった。彼女が死を選ぶ理由がまったく想像できなかったから。でも少しして、妙に納得する気持ちにもなった。過去の彼女の様子に何かしら原因を見出したからではなく、もしかしたら自分で死を選ぶってそういう状態なのかな……? ということに思い当たったからだ。
■私のココロも壊れるんだ……
彼女の話を聞く数ヶ月前、私は精神的にかなり参っていた。食べられないし、眠れないし、簡単なインタビューさえまとめられないし、簡単にいえば心身症に近い状態だったと思う。仕事相手と合わなかったことやプライベートがうまくいかなくなったことなど、明らかな原因もいくつかあった。
自分の状態がいつものストレスとは違うということに気付いたのは、ある心療内科医に取材したことがきっかけだった。心身症の症状として紹介された項目のほとんどに自分の状態が合致し、自分のココロも壊れることがあるんだと初めて知った。
それまでも落ち込みやすかったし、怒りっぽかったし、いろいろ最悪の状態を想像しては暗くなることも多かったが、数日経つうちにエネルギーがわいてきて、とりあえず立ち上がることができた。だから、自分を過信していたのだと思う。「もしもっとひどくなったら、このお医者さんに診てもらえばいいや」と思ったとたん少しずつ回復していき、結局、医者の世話にならずに済んだ。
しんどい時期、なにが一番つらかったかといえば、親しい友人から「頑張れ!」と励まされることだった。よく本などで「うつ状態の人を励ますのは注意して」と書かれているが、自分がそういう目にあって初めてわかった。友人はそれぞれ温かい気持ちで言ってくれたのだと思うが、逆に突き放されたように感じ、ヒリヒリした孤立感を味わった。実際はなんて声をかけて欲しかったんだろう……。今にして思えば、「頑張ってるね」という言葉だったのかな、とも思う。
■「弱い人」……?
そんな体験をしたあとのことだったので、彼女の死がなんとなく他人事に思えなかった。自分もあのままいったら、向こう側(死を選ぶこと)に落っこちちゃったのかもしれない。
彼女の死について彼女を知る学生時代の旧友と話していたとき、ひとりが「強そうに見えて弱い人だったんじゃない?」と言った。弱い人……!? 弱い人ってなんだろう。私も弱い人なのか。「いろいろな条件が重なったとき、一時的に精神のバランスが崩れることは、多分誰の身にも起こると思うよ」と言ってみたが、友だちからは口々に「え~、そんなのあり得ない」、「大丈夫。いちいち深刻に考えないし」と言われた。
自ら死を選ぶ人に対し、以前は私も「弱い人」と判断していただろう。
でも、今はそんなに簡単に割り切れない。ニュース番組で自殺の問題を扱う際、コメンテーターが「死ぬ気になれば何でもできる」とか「一瞬でも家族の顔を思い浮かべて!」などと発言しているが、それは確かにそうなんだけれど、なんとなく違和感を感じる。ニュース写真のコメントに「自殺者の20%が深刻な精神障害に苦しんでいたという」とあるように、うつなどの病気と自殺には深い関係があると考えられていて、うつであれば治療で症状が改善できるケースも多い。「何かのきっかけで自分もうつになることがあるかもしれない」と思っておくと、いざというときに治療に向かうことができ、自殺を防ぐことにも役立つのではないかと思う。
でも、自分のことに限って、自分では気付きにくかったりするからなあ。
カテゴリー[ ビョウキ ], コメント[3], トラックバック[13]
登録日:2006年 10月 09日 20:59:09
コメント
私も2年前に大学の同級生をなくしました。
子供3人を残して、命を閉じてしまいました。
辛い事情は知っていましたから。私も、不眠症になりました。動悸がして、苦しくなりました。後悔に、しめつけられました。私は、お医者様に薬を出してもらいましたよ。薬で自分を寝かせました。
自分も「この人こそ」と思った夫に裏切られた時。心が深い湖の底に沈みました。幸いにも、友人には頑張れといわれるどころか、避けられました。一緒に居たくない。とまで、言いふらされ、孤立しました。
それでも、立ち上がってきたあみのっちさんは、やっぱり強いんです。私も、やっぱり強いんです。
1つの痛みは、乗り越えたのですから。
また、何時来るか解らない痛みにも、柔らかく柳のように、流れる雲のように、決して固まる事無く・留まる事無く。生きましょう。
とにかく寝ましょう。明日は明日の風が吹くから。明日考えましょ!!!!
papimam @ 2006年 10月 09日 21:39:07
ロシア人の男性がそんなに短命だということを初めて知ってビックリしてしまいました。
私も自分の気持ちを過信しすぎて、知らない間に体が言うことを効かなくなっていたことがありました。
パニック障害、仮面ウツ。色々病名はもらったけれど、自分でそれでも納得が出来ないことがありました。若かったからかも。でもそんな経験をしたからこそ、そういう病気になってしまう人の気持ちもなんとなく分かることが出来たと思うし、自殺をしてしまう人のこともわからなくもないです。
でもそれよりあみのっちさんのように、1人で仕事をしている方のほうが私のようなサラリーマンより本当に大変だと思っています。 人間だれでも強い面、弱い面持ち合わせていると思うので、あみのちっさんが、強いのかどうかは表面的には判断はできないですが、今まで1人でよくやってこられたとリスペクトしています!
prego @ 2006年 10月 09日 22:00:32
■papimamさん
「また、何時来るか解らない痛みにも、柔らかく柳のように、流れる雲のように、決して固まる事無く・留まる事無く。生きましょう。」
なんていい言葉なんだろう。
いつも胸に刻んで忘れないで、何かあったときに思い出しながら生きていこう、と思いました。papimamさんもハードな時期を越えて、今があるんですね。感服いたします。
■pregoさん
温かいお言葉、ありがとうございます。
私の場合は、集団生活からドロップアウトしてフリーランスになったような部分もあるんですよー(汗)。
以前、pregoさんと仕事でご一緒させていただいたとき、周囲の人に対して細かい気配りができて、すごいなーと思っていました。明るいし面白いし、でも繊細。職場の雰囲気もだいぶん救われているのでは? と思いました。
周囲とうまく調和しながら、自分も抑えすぎずに生きていくっていうのが、私の目標です~。
網野 @ 2006年 10月 10日 17:26:01
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- プロフィール
- 網野 きと
- (女)
- フリーライター。
■ジャンル:フィットネス&ヘルスケアを専門に、女性誌等で活動中。
■ひとこと:CD「ウクレレウルトラマン」にはまる日々……。ハイサイおじさん風味の「帰ってきたウルトラマン」、ウクレレが切なく激しく奏であげる「ウルトラマンタロウ」のほか、「MATのテーマ」(←ワンダバ!)、「ウルトラセブンの歌」などなど、必聴!!
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