ホリエモンの“お腹”に見た夢

■みんな振り回された
 1月16日の強制捜査を発端に起こったライブドアショック。17日、18日の2日間で日経平均株価は926円も値下がりし、18日にはIT関連銘柄を中心に売り注文が殺到。東証は全銘柄の売買停止という異例の緊急事態に追い込まれた。騒ぎは国会にも飛び火して、昨年9月の衆議院選挙で応援した武部幹事長や竹中総務大臣らが釈明や言い訳に奔走した。

 各テレビ局でも23日の堀江貴文容疑者逮捕当日に特番を組んだほか、「さんざん持ち上げといて手のひら返しかよ」という視聴者の声に応え、後日ホリエモン報道についての検証までやっていた。すごいな、ホリエモン。小泉総理も真っ青の影響力だ。

■立身出世物語の新ヒーロー
 2004年の夏、近鉄球団買収問題でホリエモンは私たちの前に突然現れた。「拝金主義だ」「礼儀知らず」と眉をひそめる人もいれば、「閉塞した野球界に新風を吹き込んだ」と拍手を送る人もいた。球団買収には失敗したけれど、ホリエモンは去らず、逆にますます大きくなっていった。

 思い出してほしい。初めてホリエモンを見たときのことを。あまりにラフな服装に、ボサボサ頭、冴えないカラダつき……。正直、「なんじゃこりゃ!?」と思ったはずだ。
だがその姿さえ、旧体制に立ち向かう若きベンチャー野郎にふさわしいとして、世間は案外素直に受け入れてしまった。そしていつの間にか、頭脳ひとつで成りあがれるという、新しい立身出世物語のヒーローとなっていた。

■モテに程遠い体型だったからこそ……
 ホリエモンが起業家の手本として支持された理由のひとつに、あの体型があるのではないかと思う。凸腹に、短い手足、デカイ頭。通常のモテ体型とは程遠く、普通なら自信を失うところだが、ホリエモンは「女は金についてくる」と言い放った。もちろん世間から顰蹙(ひんしゅく)を買ったが、可愛い女性タレントとの楽しそうな交際が伝えられていたところをみると、彼の言葉はあながちウソでもなかったようだ。
 
 財力が女心に十分アピールすることを、今さら証明して見せたホリエモン。くすぶっていたちょいデブオトコたちも、「キムタクにはなれないけれど、頭を使えばホリエモンになれるかも。で、金と女を手に入れられるかも!」と大いに奮い立ったのではないだろうか。

■腹が語る、サクセスストーリー
 ちょいデブ、ちょいデブと気楽に書いているが、実は現在、日本の働き盛りの男性の肥満が大きな問題になっている。厚生労働省の調査によると、30代~60代の働き盛りの男性では3人にひとりがBMI判定(*1)で「肥満」に該当する結果となった(2003年国民健康・栄養調査)。仕事に追われて運動する暇もなく、食費を浮かせるためにハンバーガーや丼ものなどの高カロリーなデフレ食に偏った結果、ビジネスマンが肥満になっているのだとしたら、ちょっと切ない話だ。

 ホリエモンのお腹も、登場したばかりの頃は一般のビジネスマンと変わらない印象だったが、ライブドア株の時価総額が上昇するにつれ、美食の限りをつくしたお腹、お金のかかったお腹に変わっていったように思う。ダサい腹から富を象徴する腹へ……ホリエモンのサクセスストーリーは、彼のお腹が雄弁に語っている。

■出るか!?「ホリエモンダイエット」
 逮捕後、ホリエモンは私たちの前から姿を消してしまった。現在は東京拘置所で連日取調べを受けていると聞く。拘置所の生活は規則正しく、7時起床、7時30分朝食、11時30分昼食、16時夕食、21時消灯というスケジュールだとか。さらに食事は、麦飯とお味噌汁、おかず1品……。【規則正しい生活習慣+粗食】ときたら、まさにダイエットの王道! そう、次に世間がホリエモンに何かを期待するとすれば、どんな姿でふたたび現れるかということだ。ホリエモンのお腹は変わらず強気にせり出しているのだろうか? それともライブドアバブルが弾けたように、しぼんでいるのだろうか? 

 もし拘置所ダイエットで変身していたら、彼のことだから健康食品メーカーやスポーツクラブと組んで「ホリエモンダイエット」を開発し、ひと稼ぎしようとするかもしれない。それはそれで注目を集めそうだ。当分ホリエモンのお腹から目を離せないな。 (2006.2.1)

(*1) BMI判定……【体重kg÷身長m÷身長m】で算出。18.5未満を「やせ」、25以上を「肥満」と定義する。

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登録日:2006年 02月 04日 19:51:45

コメント

こんばんわー、早速きちゃいました~。
さすが! さすがですっ!! もうこれは1つの読み物ですね。
2ちゃんねるから、「電車男」が色々な形でブレークしたように、いつかこのBLOGも世に出る日がくるかもっ!
あぁ、でもホリエモン、もし痩せて素敵になっていたらヤダな・・・
っていうか、世のチョイデブ男たちはガッカリでしょうね。
僕たちの憧れの人が、かっこよくなった・・・なんてことになったら。
でも警察で、山さん風の刑事に説得され、泣きながらカツどん食べさせてもらってるかも・・・ってありえんな。

prego @ 2006年 02月 04日 19:58:58

ちょいーっす!
BLOGオープンおめでとう!
一回目から、ふむふむと読ませてもらいました。
おもしろかったっす。次の週も、期待してるっす。
しかし、健康ライターってーのは、堀江のデコ腹ひとつで、
こんなにもいろんなこと考えるものなんだなー。

応援してるから、これからも頑張ってね!

ぱろてぃー・毒島 @ 2006年 02月 04日 19:59:49

pregoさん、こんにちは!
コメント第一号のpregoさんには、熱いちゅーをお送りしたいと思います。Chu♪

ホリエモン、今のところ強情に否認を続けているみたいなので、カツ丼はお預けでしょうねー。そういえば、小菅の近辺には、おいしいカツ丼屋さんってあるのかなあー。ちょっと気になってきました。

網野です @ 2006年 02月 04日 20:00:28

(……途中で登録してしまいました。)
毒島さん、セントルイスからコメントありがとうございます。
アメリカはこの冬、暖冬なんですって? 東京は記録的な寒波に見舞われ、ついでに地震頻発。ちょっとコワイです。

凸腹といえば、毒島さんもけっこう……(失礼)。
奥様の愛情料理でだいぶん引っ込んだと聞きますが、また帰国した際には、ぜひ拝見したいと存じます。

網野です @ 2006年 02月 04日 20:01:03

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プロフィール
網野 きと
(女)
フリーライター。
■ジャンル:フィットネス&ヘルスケアを専門に、女性誌等で活動中。
■ひとこと:CD「ウクレレウルトラマン」にはまる日々……。ハイサイおじさん風味の「帰ってきたウルトラマン」、ウクレレが切なく激しく奏であげる「ウルトラマンタロウ」のほか、「MATのテーマ」(←ワンダバ!)、「ウルトラセブンの歌」などなど、必聴!!
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