そして誰もいなくなった…!?

感染症蔓延で観光産業が打撃 - フランス

【レユニオン/フランス 21日 AFP】観光地として有名なインド洋に浮かぶフランス海外県、レユニオン島(Reunion)ではチクングンヤ熱(chikungunya)が蔓延し、島民の8人に1人以上に当たる約11万人が感染している。フランス保健当局によれば、先週新たに2万2000人が感染したという。蚊が媒介して感染するこの病気は、重い関節痛を引き起こす。観光産業への影響は深刻で、島を訪れる観光客は30%から40%も減少している。写真は20日、サンジル(Saint-Gilles)のホテル。AFP/RICHARD BOUHET

AFPBB News


青い空、青い海、白い砂浜…。いいなあ、人気のない海辺。ここらで行っちゃうか、バカンス!? などと思いっきり旅心を募らせていた私だが、記事を見てびっくり。この島で感染症が大流行中なので、客足が遠のいていたわけね。「チクングンヤ熱」って、聞いたこともない病名だが、なんだかものすごく痛そうだ。

■治し方もわからない…

「チクングンヤ」とはスワヒリ語で「上方に曲がる」という意味で、この感染症の患者が激痛で体を歪めることから、病名としても使われるようになったとか(やっぱり…!)。チクングンヤ熱は死に至る病気ではなく大半の患者は回復するが、他の病気を併発しやすいといわれている。今のところ、ワクチン治療法が確立しておらず、ワクチンもないそうだ。

感染症の恐怖を描いた映画でもっとも有名な作品は「アウトブレイク」だろう。アフリカから持ち込まれた1匹のサルを感染源として、エボラ熱がアメリカのある町を襲うという設定だった。発症すると、高熱が出て筋肉が痛み、激しい下痢を起こす。さらに皮膚や内臓、脳などいたるところから出血し、50%から90%の確率で死に至る。エボラ熱は映画の中だけの話ではなく、10年ほど前にもザイールで大発生した。

エボラ熱の他にも、ラッサ、マールブルグ、エイズ(HIV)など、怖い感染症を引き起こすウイルスはたくさん存在しているが、チクングンヤ同様、未だに治療法が確立されていない感染症も多い。

■人類の敵は、紐&粒
人間を手こずらせているウイルスだが、その正体は、遺伝子とその周囲を包み込む殻だけの存在だ。見た目もこんがらがった紐や、ゴワゴワした粒みたいで、拍子抜けするほどシンプルな形だったりする。

ウイルスは地球上で最古の生命体で、数十億年の間、動植物との共存関係を保ってきた。でも、人間が熱帯雨林を伐採したり、農耕地を奥地に入り込み、もともと他の生態系と共存していたウイルスと出会ってしまったことがきっかけで、人間にとって予想もつかない感染症が発生し始めた。

人間もやられっぱなしというわけではなく、第二次世界大戦後、ペニシリンなどの抗生物質を中心とした新薬が開発され、結核や梅毒など、これまで不治とされていた病気が次々と治っていった時代もあった。しかし1980年代にエイズウイルスが突然現れ、人間とウイルスの闘いはセカンドステージに突入している。

■そして、誰もいなくなった!?
未知の感染症の大流行は、地球上で傍若無人に振舞ってきた人間への、自然からの警鐘だとする意見も多い。人の少ない、きれいな砂浜の写真を見て、確かに人間がいないほうが自然にとっては都合がいいのかも、と考え、一瞬せつなくなる。とんでもない感染症が大流行し、人類が滅びたあとの、海辺。ただ静かで、穏やかなんだろうなあ…。

といいつつ、今のところ生きている私としては、あっさりウイルスに滅ぼされてしまうわけにもいかず、私の体に備わった免疫機能の活躍を祈り、新しいワクチンの開発を待ち、ウイルスとうまく共存していく方法を願うばかりだ。喰うか、喰われるか!? あんな紐orツブツブ野郎に負けちゃうのは、正直、悔しい(あ、この驕りが身を滅ぼすモトですね)。このスリル満点の闘い、きっとどこまでも続いていくのだろう。

あーあ、素敵なリゾートの写真が一転、こんなに厳しい内容に…。フィットネス&ヘルスケアライターって、ちょっと因果な商売かも。

追記:「チクングンヤは死に至る病ではない」と書きましたが、今朝の朝日新聞で1月末現在、77人死亡していることが伝えられていました。鳥インフルエンザの流行でおおわらわのフランス政府にとって、新たな悩みのタネとなっているようです。
一刻も早く制圧され、美しい島にふたたび平和が訪れますように。(2/27)

カテゴリー[ ビョウキ ], コメント[6], トラックバック[0]
登録日:2006年 02月 25日 17:47:48

コメント

た、大変なことになっているんですね・・・。
私もこういうニュースがあると、いさも思い出すのは、「アウトブレイク」の、あの宇宙服みたいなやつとサル。
アジアを回っていると、サルによく出くわしますが、下手すると、あの映画のお嬢ちゃんになりかねないので・・・とかなりあの映画の影響が大きいです。
しかし・・・「チクングンヤ」って覚えにくい・・・
カタカナ6文字以上はだめなんす。
「チングヤング」というような韓国ちっくな名前にインプットされてしまいました・・・

prego @ 2006年 02月 25日 22:20:16

Pregoさん、おはようございます!
「チングヤング」、爆笑しちゃいました~。もう、私の頭の中でもチングヤング化してます。しかも、無性に韓国風お好み焼きを食べたくなってしまいました。

旅人Pregoさんも、渡航先の感染症情報はやっぱりチェックしてますか?虫だのサルだのブタだの…ホント油断できませんね~。

網野 @ 2006年 02月 26日 10:36:48

初めておじゃましました。
チクングンヤ、知らなかったなあ。
鳥インフルエンザとか、ひたひたと、危険が迫っているのかなあ、それなら、いっぱい楽しいことやっとかなくっちゃと、
結局、遊ぶことばかり考えてしまう医療系のライターです。
どうぞ、よろしく。
http://medwriter.blog45.fc2.com/

medwriter @ 2006年 03月 03日 14:01:52

medwriterさん、ようこそおいでくださいました!
こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。
medwriterさんのブログも、ぜひ拝見させていただきます。

鳥インフルエンザも大変なことになってるみたいですよね。
ドイツでも問題になっていて、W杯開催もピンチだとか…。人生、いたるところにトラップ満載なので、楽しいことを、楽しめるうちに、どんどんやっちゃおう!って思ってます。

網野 @ 2006年 03月 03日 17:57:43

チクングンヤ。こわいです。
8月上旬にモーリシャスに新婚旅行に行くので。
とても心配です。。。

日本の虫除けで効くのかな・・・とりあえずたくさん持っていこう。

toko @ 2006年 07月 24日 17:28:52

tokoさん、こんばんは!書き込みありがとうございます。
モーリシャスに新婚旅行とのこと、イイナ~。
ダーリンとラブラブな時間を楽しんできてくださいね。

チクングンヤ、とりあえず蚊に刺されないことが現在の唯一の予防法みたいですね。肌を露出させない、虫よけでガードする、などなど、万全の対策で臨んでくださいませ。

モーリシャスといえば、紅茶……。おすすめの紅茶がありましたら、また教えてください!

網野 @ 2006年 07月 24日 21:22:24

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プロフィール
網野 きと
(女)
フリーライター。
■ジャンル:フィットネス&ヘルスケアを専門に、女性誌等で活動中。
■ひとこと:CD「ウクレレウルトラマン」にはまる日々……。ハイサイおじさん風味の「帰ってきたウルトラマン」、ウクレレが切なく激しく奏であげる「ウルトラマンタロウ」のほか、「MATのテーマ」(←ワンダバ!)、「ウルトラセブンの歌」などなど、必聴!!
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