昨今、万年筆は限定モデル・ブームらしい。
【10月18日 AFP】スイスの高級文房具メーカー、カランダッシュ(Caran d'Ache)が17日、価格2000万円の超高級万年筆「1010」を東京のスイス大使館で公開した。この万年筆の本体は18金で、クリップにはダイヤモンドとルビーがついている。世界で10本の限定販売となり、日本市場では、うち1本が販売される予定。(c)AFP
カランダッシュから世界限定10本、2000万円の万年筆が発売された。マニアの間では随分前から限定モデル・ブームだったらしく、数百万円もするモデルはあったが、ついにここまできたという感じだ。
万年筆の限定モデル・ブームはモンブランの作家シリーズの発売がきっかけ、という話だ。92年のヘミングウェイをかわきりに、今年は49年にノーベル文化賞を受賞したアメリカの作家ウィリアム・フォークナーの名を冠したモデルが発売された。
この作家シリーズはいずれのモデルも概ね10万円前後の価格設定だけど、すでに昨年のバージニア・ウルフや一昨年のミゲル・デ・セルバンデスでさえ、15~16万円のプレミア価格がついている。ちょっと古いモデルや人気モデルは正価の2倍を越えるものも目白押しで、かなりの人気らしい。
同時スタートの芸術文化の擁護推進者の讃えたパトロン・シリーズもあり、こちらはかなり装飾に凝って高価なモデルが多く、プレミア価格は相当な価格になっているようだ。
どこがこの限定モデルを始めたかはさだかではないが、やはりコレクターにとっては「限定品」という言葉に弱いようで、よく売れるようで、現在ではほとんどのメーカーから限定モデルが販売されている。
モンブランには上記の2つのシリーズとは別に期間限定のスペシャル・エディションやドネーションペンがある。
限定モデルには今回のカランダッシュのような2000万円は例外的に高価としても100万以上するモデルは数多く、これらは実用というよりもコレクション用というべきだろう。でも数万から10~20万円クラスの実用向きの限定モデルも数多い。
人気のモンブランの作家シリーズは普段使いできる価格設定なのがうれしい。またこのモデルはマイスター・シュデュックの146に準じて造られているようだ。今年発売されたペリカンのナイアガラの滝というモデルは同社のスーベレーンM600シリーズに準じているし、アウロラの大陸シリーズはオプティマに準じているようだ。いずれのメーカーも総じて自社の最高のメカニズムを用いているようだ。
個人的な話だが、モンブランの03年から発売を開始したドネーションペンのゲオルグ・ショルティを使っているが、書き味は146そのものといった雰囲気で握り具合も丁度いい。ただキャップがやや重たいようで146に比べて重心が後に下がったような感覚だ。ショルティはオペラを得意とした指揮者でもあったので、現在これにドクター・ヤンセンのジョゼッテ・ベルディ(アイーダや椿姫などのオペラの作曲家)というインクを入れて使っている。
もうひとつ限定モデルではアウロラのエウロパを使っているが、これは丁度ペリカンのスーベレーンM400シリーズをちょっと固くしたような腰の強さで、すべりはやや重た目だ。ヤンセンのインクを入れると、すべりも丁度いい感じで使いやすい。このエウロパにはブルー・クリスタルの石がキャップのトップにはめ込まれていて、この色を合わせてヤンセンのサファイヤ・ブルーを使っているが、ヤンセンのフレイバー・インクのラベンダー・ブルーでもよさそうだ。
些細なことだが、万年筆を使う楽しみはこんなところにもあると思う。それが限定モデルだけに愉しいのだ。
ちなみに現在上映中の映画「クローズド・ノート」は万年筆ファン必見のようで、主人公の沢尻エリカが使用しているのはデルタのドルチェビータ・ミニだ。
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登録日:2007年 10月 19日 22:54:03
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