厳しい米国スポーツ界
【ピッツバーグ/米国 5日 AFP】NFL、ピッツバーグ・スティーラーズ(Pittsburgh Steelers)のビル・カウアー(Bill Cowher)ヘッドコーチが記者会見を行い、辞任を発表した。
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(c)AFP/Getty Images Jeff Swensen
昨年、ピッツバーグ・スティーラーズを全米一にしたヘッドコーチのビル・カウアーが契約を一年残してチームを去ることになった。同じく、名門マイアミ・ドルフィンズのヘッドコーチであったニック・セイバンもNFLを去り、大学のヘッドコーチに転身することになった。結果が全ての米国スポーツ界の厳しさを見た思いである。
勝敗が全て
15年間、スティーラーズを率いて、昨年はスーパーボールを制して地元の英雄となったカウアーをもってしても、チームはもう一度、チャンスを与えなかったのだろうか? 形の上では、「家族と過ごす時間を優先したい」という理由での辞任であるが、それを真に受ける者がどの位いただろうか。
確かに、今年のスティーラーズの成績は悪過ぎた。オフシーズでのQBロスミスバーガーのバイク事故や開幕直前の病気などカウアーの責任ではない原因があったが、8勝8敗でプレイオフ進出ができないとあっては、昨年とは天と地ほどの差である。来シーズンにもう一度のチャンスという選択もあったが、それでは来シーズンのチケットの売り上げに響くことになる。
次のチームが楽しみ
しかし、カウアーがアメリカン・フットボールの世界で優秀なヘッドコーチであることに変わりはない。テリー・ブラッドショーやフランコ・ハリス、リン・スワン等を率いて連勝したチャック・ノールの後を受けて就任の1992年から連続6年間プレイオフに出場し、1995年には早くもスーパーボールに駒を進めていた。
まだ49歳という若さと「自分は燃え尽きてはいない」という辞任時のコメントを見る限り、カウアーにオファーを出すチームは多いだろう。是非ともカウアーには別のチームでスティーラーズと対決して、NFLを盛り上げてもらいたい。
NFLから大学へ
カウアーと同時に、マイアミ・ドルフィンズのヘッドコーチであったニック・セイバンもチームを去り、アラバマ大学のヘッドコーチに就任することになった。日本の新聞では、NFLより大学を選んだと報じているが、セイバンが置かれた状況はカウアーよりも厳しかったのではないか。名門ドルフィンズも今年は6勝10敗でディビジョン最下位に沈み、特に最終版での3連敗は来シーズンを考える上では痛かった。
確かに、アラバマ大学も名門であり、8年契約で40億円近い報酬も魅力であることに違いはない。とはいえ、彼がNFLのヘッドコーチになる前のカレッジフットボールの名門LSUでの48勝16敗(勝率75%)という驚異的な数字に比べると、ドルフィンズの二年間での15勝17敗は物足りなかったかも知れない。
我慢するより変化に期待
スポーツ界に限らずビジネスの世界でも、米国は同じ人物にもう一度、チャンスを与えて我慢するよりも、新しい人物を連れてきて変化に期待することが多い。その結果、常に短期的な結果を求める傾向があるのも事実であり、長期的にはマイナスに作用することも少なくない。しかし、その一方で、チーム生え抜きか外様かで評価されるのではなく、勝敗という数字に現れた結果で評価される公開性としてのフェアネスもある。いずれにしろカウアーとセイバンの新天地における活躍に期待したい。
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登録日:2007年 01月 07日 19:23:08
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- 井上玲子
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- 大阪府出身、海外の大学で研究をした後、現在は日本の大学院で政治学を教える。
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