二大政党制神話は正しいか?
新選挙管理内閣樹立、諮問機関メンバー5人就任 - バングラデシュ
【ダッカ/バングラデシュ 14日 AFP】国内2大勢力間のこう着状態から、選挙の延期や非常事態宣言を経てバングラデシュでは13日、新選挙管理内閣の樹立が宣誓された。
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(c)AFP/PRESS INFORMATION DEPARTMENT
90年代の政治改革の折に、英米の政治をみて、「日本も二大政党制にすれば、政治のレベルが英米並みになる」と言った評論家がいて、腰が抜けるほど、驚いた。イギリス人やアメリカ人の中でイギリスや米国の政治の現状に満足している人がどれほどいるのだろうか? しかし、この二大政党制神話はいまだに続いており、頻繁な政権交代が緊張感のある政治をもたらし、有権者にとって良い政治を生むと言われ続けてきた。果たして本当にそうなのだろうか?
二大政党で政権交代を繰り返すバングラデシュ
言うまでもなく、バングラデシュはパキスタンから独立した国で、その背景にはパキスタンと対立状態にあったインドの影響力があったといわれている。
独立してからは、インドと良好な関係にあるアワミ連盟が政権を担っていたが、最近では選挙の度にアワミ連盟とバングラデシュ民族主義党の二大政党で流血を伴う政権交代を繰り返している。今度の選挙でも現政権与党のバングラデシュ民族主義党に対し、野党が選挙ボイコットの猛反発をして、大統領(実権は首相にある)が辞任する騒動となっている。
二大政党は良い政治の選択肢の一つ
このバングラデシュの例を見るまでもなく、二大政党制にすれば良い政治がやってくるわけではない。誤解を恐れずに言えば、政権交代をすればそれで良い政治がやってくるわけでもない。
現在、議会の3分の2以上の議席をもつバングラデシュ民族主義党にしても総選挙で獲得した得票率は47%であり、小選挙区制に伴う大量の死票のお陰で過半数の議席を得ているにすぎない。このため、多くの有権者にとっては納得のいかない政策が実施されることになる。
もし日本で政権交代だけを望むのであれば、すでに自民党が50%の得票率を得ていないのだから、比例代表制にすれば簡単なはずである。あるいは元の中選挙区制のままでも定数不均衡さえなければ、何十年も前に政権交代は起きていた。したがって、二大政党制は政権交代を発生させる多くの選択肢の中の一つであり、他にも政権交代を発生させる選択肢はある。
また政権交代さえすればそれで良いというわけではなく、良い政治をもたらす条件の一つに過ぎず、他の条件を満たさなければ良い政治はやってこないことは言うまでもない。
しかし、こんな簡単な理屈さえ、政治改革の折のメディアでは封じられていた。あえてバングラデシュという極端な例を引き合いに出したのは、90年代の改革の不十分さを忘れないためである。
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登録日:2007年 01月 16日 19:39:33
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- 井上玲子
- (女)
- 大阪府出身、海外の大学で研究をした後、現在は日本の大学院で政治学を教える。
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