日本型解決の防衛省次官人事問題
混乱が続いていた防衛省事務次官問題で、小池大臣が推す官房長でも守屋次官が推す局長でもない、第三の人物 (生え抜きの別の局長)が就任することで痛み分けの結果となった。これで大臣と次官による政官関係の軍配は如何に・・・
名を捨てて実を取った「官」
守屋次官の他人が確定すると共に、彼が推した局長も次官にはなれず後輩が次期次官になれば、いずれは退任せざるを得なくなる。これで「官」の意向は受け入れられなかったと言えば、そうでもない。実は、防衛省にとって最も重要なことは、生え抜き出身が次官に引き続き就任することで、他省庁からの完全独立を果たすことにあるのではないか。それが実現して、初めて防衛庁から防衛省への昇格の意味が出てくることになる。
「官」の意識
かつて田中真紀子外務相と野上次官が対立した際に、両者痛み分けで野上氏も次官を辞め、異例の降格人事で駐英公使となったが、身体を張って外務省を守った同氏をあだや疎かにすることはなく、その後、外務省における頂点の役職ともいえる駐英大使に昇格している。今回の件でも、結局は守屋次官が身体を張って「生え抜き次官継承」を守ったと言う見方も出てくるようなら、彼の今後は決して悪いものにはならないかもしれない。よく「国益より省益」といわれるが、「政より官」というのも官の意識には根強くある。
高齢化した人事
それにしても今回の騒動の登場人物の年齢をみると、守屋次官が62歳、大臣が推した官房長と時間が推した局長が共に60歳と、随分、次官人事も高齢化したとの感を否めない。
かつてはキャリア官僚の平均退職年齢が52歳前後であったが、防衛省という特殊性があるとはいえ、小泉改革以降、天下りが減って官僚の退職年齢が上がっているのも事実である。天下りが減っていることを評価すべき一方で、年齢が高くなることによる風通しの悪さが出てきたことも指摘できる。
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登録日:2007年 08月 18日 11:27:46
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- 井上玲子
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- 大阪府出身、海外の大学で研究をした後、現在は日本の大学院で政治学を教える。
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