資本主義は社会主義に勝ったのか?

カストロ議長重体か スペイン紙報道 - キューバ

【ハバナ/キューバ 16日 AFP】16日付のスペイン紙パイス(El Pais)は、入院中のフィデル・カストロ(Fidel Castro)キューバ国家評議会議長が、大腸の手術後に生じた合併症により重体と報じた。

 これまでに3度受けた手術はいずれも成功せず、腸内感染による合併症を生じているという。カストロ議長は腸手術のために入院した2006年7月26日以来、公に姿を現していない。

 写真はバルバドス(Barbados)の解放記念日に同国の「解放の像」の前で群衆を前に演説するカストロ議長(1998年8月1日撮影)。(c)AFP/Roberto SCHMIDT

AFPBB News


 1989年11月9日、突如として東ドイツ政府が、東ドイツ市民に対して旅行の自由化を発表した事によって、ベルリンの壁は実質的に意味を持たなくなりました。東西通行の自由に歓喜した東西ベルリン市民がハンマーや機械などによって壁を粉砕するシーンは、当時のことを知らない世代の方々も、映像で何回もごらんになったことでしょう。

 また、1991年12月にはソビエト連邦が崩壊してCISが成立しました。

 これらのことを持って、「資本主義の勝利」を宣言した人々がかなりいました。しかし、2007年の現在、状況は「資本主義の勝利」には見えません。現在、好調な発展を続けている代表的国家の中国とベトナムはどちらも社会主義国家です。

 資本主義の権化のような「投資」という仕事を行っている私が、こんなことを言うのもおかしな話ですが、「資本主義は獣(けだもの)のルール」です。強いものが弱いものを食べてもかまわないというのが本質的な哲学です。

 ですから、資本主義の原理には「弱者救済」という考え方はありません。トランプの「大貧民」ゲームのように、強いものは益々強く、弱いものは益々弱くなります。

 

もちろん人間は、「獣」であるのと同時にやはり「人間」でもあります。ですから、どのような資本主義国家でも、実際には社会主義的政策を取り入れて、バランスを取っています。

 <社会主義的・資本主義国家>と言われ続けていた時代の日本は「奇跡の成長」を遂げましたし、現在「奇跡の成長」を遂げている中国とベトナムは、<資本主義的・社会主義国家>です。

 経済発展の原動力のカギは、実は社会主義と資本主義のバランスにあるのではないでしょうか?

 特に、この20年ほど資本主義的路線を突っ走った米国は、かなり病んでいます。セラピストの助けなしに、生きていけない人々が山ほどいるのは良く知られた事実です。

 日本も、学校での銃の乱射が無い代わりに、切り刻んだ死体が繁華街の道端に捨てられたり、体の一部が台所のディスポーザーで粉砕されたりします。

 「金持ちが偉い」などという社会は、ローマ帝国末期のように腐敗しています。

 もちろん、経済活動は重要ですし、金儲けは悪いことではありません。しかし、<自分のために金を溜め込んだ人間が偉い>などというのは狂っています。その稼いだお金を、社会に還元してこそ、立派な人物と評価されるのではないでしょうか?

 ところで、私の尊敬する人物の一人に、エルネスト・チェ・ゲバラがいます。

 アルゼンチン人ですが、カストロ(革命後から現在に至るまでキューバの首相)と出会い、キューバ革命に身を投じ、山岳ゲリラとして活躍します。キューバ革命政権樹立後は、政府の要職につきますが、それに飽き足らず、ボリビアの革命を支援するため潜入した際殺害されました。享年39歳でした。

 当時、ビートルズのジョン・レノンが「世界で一番かっこいい男」と呼んだくらい、世の中(特に若い世代)に大きな影響を与えた人です。

 私は、アルバート・アインシュタインと同じくらい有名な人物だと思っていましたが、そうでも無いようですね・・・残念です・・・

米国という超大国の圧迫を受けながらも独立を守り、貧しいながらも平等な社会を維持してきたカストロは、ゲバラ同様偉大な人物だと思います。

 カストロの病状も悪化しているようですが、ゲバラが自分の理想を託したキューバという国のこれからはどうなるのでしょうか?

コメント[3], トラックバック[1]
登録日:2007年 01月 19日 09:23:12

コメント

市場原理主義的な資本主義は、市場の刹那的な要望や一時的な流行に合わせて長年かけて形成された社会システムを変えようという、旧陸軍の軍靴に足の大きさを合わせろのような乱暴な考え方ですね。
資本主義社会の発展形は社会民主主義だと思われますが、本格的な移行には成熟した市民社会と安定した人口構成が必要でしょう。
そうでないと、人口爆発が社会福祉を食いつぶすからです。逆に、近い将来東アジア各国が陥るいびつな人口構成の極度の高齢化社会も阻害要因でしょう。
ひょっとして、今日本で進んでいる弱者切捨ての方針は、早く人口構成を適正なものに変えようという試みでしょうか?

藤原相禅 @ 2007年 01月 26日 05:46:57

はじめまして。突然のコメント失礼いたします。
私もチェを通じてキューバ革命や現在のキューバという国に興味を持った者ですが、革命後もキューバの現実と向き合い続けたカストロは、夢を追い続けたチェに負けず劣らずすごい人だと思います。
弱肉強食の資本主義とは違う選択肢を探す上で、社会主義の本来の思想は、社会主義体制が敗北したとされる今でももう一度検証されるべきなのではないかと思い、ちょっと勉強をはじめてみたところです。
でも、昨年末に実際に行って見てきた限りでは、今のキューバの現実は、カストロの思いからはかけ離れてしまっているように思えました。経済の自由化が進み、経済格差が拡大していることは明らかでしたし、それがキューバでは存在しないといわれていた人種間格差をも広げているように感じました。
上の方もコメントされているように、結局ポイントになるのは「成熟した市民社会」なのだと思います。資本主義体制であれ、社会主義体制であれ、その社会がそもそも目指していたものが何であったのか冷静に振り返って立ち止まれる市民なしには、よい社会というものは実現できないのだと思いました。そして、それはとてもても難しいことのような気がしてしまいました。

honjamaca @ 2007年 04月 20日 12:23:33

ボリビア救済が、実は世界を救うキーワードだと去年の暮れくらいにはチャネルが降りてきていたのですが、これは間違いかしら?

ただしゲバラと同様、命を差し出すこと、そして自分ではなく全ては世界の為に、というのが絶対条件だそうです。
(これは私の担当ではないので、どなたかにお願い!!)

それによって、世界が動き出すということです。

書いてしまったから、もうそろそろ動きだすかしら。救世主はどこにいるの?

2013年以降、「光がふりそそぎ、大地は再び力を取り戻すでしょう」というチャネルが妄想ではないことを祈るばかりです。

樹里 @ 2007年 05月 15日 10:13:12

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プロフィール
大原浩
大原浩
(男)
「証券新報」グローバル投資
なんでも地動説
1960年、静岡県に生まれる。1984年、同志社大学法学部を卒業後、上田短資㈱(上田ハーロー)に入社。

1989年、フランス国営クレディ・リヨネ銀行入行。フューチャーズ・ブローキング・ディビジョン課長などを歴任し、主に金融・債券先物、デリバティブなどを担当。

1994年㈱大原創研を設立し独立。
2003年より証券新報社(証券タイムズ)顧問。

著書には
『韓国企業はなぜ中国から夜逃げするのか』(講談社)
『100万円を確実に1億円にする中国株投資術』(講談社)
などがある。
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