★ A380は戦艦大和か?

エアバスA380試乗会、設備と収容性に注目集まる - フランス

【トゥールーズ/フランス 8日 AFP】度重なる納入の遅れなどで話題となっているエアバス(Airbus)の超大型旅客機「A380」のプレス向け試乗会が7日に行われ、世界中から集まった200人の報道陣は、静けさ、室内の明るさ、収容性の高さに目を見張った。
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(c)AFP/PASCAL PAVANI

AFPBB News


若い世代の方は、ご存知ないかもしれませんが、昔テレビのコマーシャルで山本直純氏が『大きいことはいいことだ!』と連呼して一世を風靡したことがありました。

また、舌きりすずめの話でも、(普通の)欲深いおじいさんは、小さいつづらと大きいつづらを差し出されると、大きいつづらを選んでひどい目にあったりします。

日本の技術の粋を結集した戦艦大和も、その力を存分に発揮する間もなく、多くの乗員と共に海の藻屑と消えてしまいました。

敗戦後、日本での航空機の製造が禁止されていたため(再軍備を防ぐため)、高い技術力を持つにも関わらず、残念ながら日本での航空産業は発展していません。もっとも、米国や欧州で製造している航空機の重要なパーツには、精度の高い日本製がかなり使われているのですが・・・・

そのため、航空産業では欧州と米国が覇権を争う形になっています。

超音速機コンコルドが、大した活躍もせずに世界の空から消えてしまった今、欧州勢の頼みの綱はA380です。欧州各国が必至になって支援するのもわかります。

しかし、私の見るところ、戦艦大和が『史上最大の戦艦』としてその名前を永遠に歴史に刻んだのと同様に、『史上最大の旅客機』として、人々の記憶に残ることになりそうです。

つまり、大きすぎて非効率なため、もうこのような大きな旅客機はつくられなくなるということです。

過去、欧州の国々が協力して行なったプロジェクトは、コンコルドにしろユーロトンネルにしろ、<見た目は華やかだが経済的には大失敗>のものばかりでした。

今でも、『EU』や『通貨統合』という巨大プロジェクトが実現したのは『奇跡』だと考えています。

A380 の部品が運ばれるところをテレビで見たことがありますが、道幅ぎりぎりのところを亀のような歩みで運んでいました。これだけ巨大な飛行機になるとパーツの大きさも半端ではありません。

しかも、それぞれの部品は、欧州各地で製造されているため部品の移動距離もかなりのものです。つまり、欧州各国で製造した部品を組み立て工場に運ぶことからして、問題が山積みで、大幅な製造の遅れにつながっているわけです。

しかも、現在の航空業界では、ハブ空港まで大型機で飛んでそこから各地の飛行場に小さな飛行機で飛ぶことが主流になりつつあります。電車で言えばターミナル駅まで新幹線や特級で行き、そこからローカル線に乗り換える感じです。

ですから、巨大な飛行機の需要は、ハブ空港同士をつなぐ限定的された数の路線にしかありません。

<大欧州>という思いがあるのか、どうしても、 EUのプロジェクトはやたら壮大になりがちですが、どのようなことにも<経済合理性>ということは重要です。

もっとも、別にA380だけではなく、我々の身の回りにも<戦艦大和>的発想で行われていることが多々あるわけですが・・・・

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登録日:2007年 02月 08日 18:36:58

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プロフィール
大原浩
大原浩
(男)
「証券新報」グローバル投資
なんでも地動説
1960年、静岡県に生まれる。1984年、同志社大学法学部を卒業後、上田短資㈱(上田ハーロー)に入社。

1989年、フランス国営クレディ・リヨネ銀行入行。フューチャーズ・ブローキング・ディビジョン課長などを歴任し、主に金融・債券先物、デリバティブなどを担当。

1994年㈱大原創研を設立し独立。
2003年より証券新報社(証券タイムズ)顧問。

著書には
『韓国企業はなぜ中国から夜逃げするのか』(講談社)
『100万円を確実に1億円にする中国株投資術』(講談社)
などがある。
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