★U.S.A.からU.S.A.へ★
【京都 5日 AFP】抜本的な改革を模索するアジア開発銀行(Asian Development Bank、ADB)は、一方で、「地域の最貧国を見捨てるな」というプレッシャーを受けながら、5日から協議に入った。
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(c)AFP/TOSHIFUMI KITAMURA
高知県高知市の中心部から南へ行くと、坂本龍馬ゆかりの地、桂浜にぶつかります。そこから海岸通を西に車で走ると、「USAへようこそ」という巨大な看板が現れて、一瞬、「私は北米大陸までワープしたのか?」という錯覚にとらわれます。
実は、この看板は、<高知県土佐市宇佐町>へようこそという意味です。実際のところ、U.S.A.と言えば、米国のことを指すのが現在の常識ですが、それほど遠くない将来に、U.S.A.と言えば、<ユナイテッド・ステイツ・オブ・アジア>もしくは、<ユナイテッド・ステイツ・オブ・アセアン>を指すようになるかもしれません。
アジアと言うと、オーストラリアやトルコの半分までをも含む広大な地域ですので、統合は、地域統合はまずアセアン地域から始まると考えるのが自然でしょう。
既に、道路網や石油パイプラインを初めとするインフラの整備を通じて、アセアンは一つの経済圏への歩みを着実に進めています。
中国や日本、それに韓国も含めた中東からの原油の大半はマラッカ海峡を経由して運ばれていますが、この細い海峡は、バンコック市内の並みの混雑振りですし、海賊多発地域としても有名です。
万が一、このマラッカ海峡で問題が起きたら中国・日本・韓国でエネルギー危機が起こるのは必然であることから、代替ルートの確保は悲願であったわけですが、最近の原油価格高騰もあって、マレーシア・タイなどのアセアン地域を経由するパイプライン構想が具体化してきています。どのルートを通るにせよ、複数の国を経由することになるので、アセアン統合の流れをさらに進めることになるはずです。
また、道路については、中国南部の昆明からタイまでのアジア国道1号線を初めとする、
中国の広州あたりからインドまでの地域での国境横断道路が、ものすごい勢いで整備されつつあります。そして、その道路網によって、この地域での「人・物」の流れが急加速されています。
ASEANの盟主は、経済発展で一歩先を行くタイであり、この国の今後の発展は間違いないところだと思いますが、陰の主役は<昆明>だと考えていますし、この地域を<昆明経済圏>と名づけても良いかなと考えています。
ASEANの陰の主役が、何故中国の一地方都市である昆明なのか?それは、ASEANの経済を支配しているのは、中国人だからです。この中国人というのは、もちろん華僑(その中でも特に客家系)のことです。
彼らのことを語りだすと、大変長くなってしまうので、それについては、機会を改めてお話したいのですが、例えば、シンガポール建国および発展の功労者であるリー・クアンユーやその息子である現在の首相が華僑(客家系)であるのは有名な話ですが、タイで最大の銀行であるバンコック銀行も客家系ですし、一説によればタイの主要企業の8割は華僑系だといわれています。
過去、激しい華僑に対する暴動がインドネシアで起こったのも、華僑の経済支配力があまりにも強いためですし、マレーシアでも、人口の半分に満たないる華僑が国の経済の大半を牛耳っているため、有名な<プミトラ・マレーシア=マレー人優遇策>で、国民(マレー人)の不満を和らげています。
その他、ベトナム・フィリピンなど他のアセアン諸国でも、華僑は驚くほどの経済支配力を持っており、最近の大陸中国の躍進が、彼らの支配力拡大を助けています。
もちろん、華僑というのはそれぞれの国々ではよそ者で、過去には多数の華僑が惨殺された反華僑暴動が何回もあったことから、彼らは目立たないように気をつけていますが、アセアン諸国の経済を実際に動かしているのは、客家系を中心とする華僑であるのは、厳然たる事実です。
ちなみに、大陸中国改革・解放の立て役者である鄧小平も客家系です。
また、アセアンの地域統合が現実化すると、今度は中国の分断の可能性が出てきます。
大陸中国の改革・解放政策において、シンガポールや台湾の華僑が果たした役割は非常に大きかったわけですが、華僑の多くは、広州などの中国南部の出身者です。(客家系は、遠い祖先は中国北部の人間で、若干系統が違いますが・・・)
そして、大陸中国でビジネスを行うときも、出身地での事業展開を好んだため、改革開放政策もまず中国南部地域で実験が行われ、その成功を確認した後、上海や北京にも広げたわけです。
人種・政治・言語において、中国の北部と南部は別な国と言っても良いくらい異なっており、一つの国としてまとまっていることが、逆に不思議と言えます。
上海と広州の間で、中国の南北の国境線が引かれ、北中国と南中国に分断されるのも、あながち非現実的な話ではありません。
そして、中国の資本主義的側面を象徴する香港やマカオは南中国地域に含まれますし、台湾も南中国地域にあります。
そして、南中国出身者が経済を支配しているアセアン諸国と合体すれば、間違いなく世界最強の帝国が出来上がるでしょう。
もし、中国で社会主義へのゆり戻しがあるとすれば、北中国が<社会主義中国>、台湾アセアン地域を含む南中国が<資本主義中国>になるのではないでしょうか?
ちなみに、私が、フランスの銀行に勤務していた頃がEUの本格的統合前後で、毎週のようにフランス本国から、統合の進捗状況が送られてきたのですが、私を含めた多くのディーラーは、通貨統合などのような壮大なプランが、何百年も戦争を繰り返してきた欧州諸国の間で、実現するはずがないと考えていて、せいぜい飲み屋でジョークの種にしていたくらいでした。
今から考えると、世界の金融業界は、米国や統合に消極的だった米国が支配しており、彼らのヨーロッパに対する見方に私も影響を受けてしまっていたわけです。現在のEUの発展ぶりを見ると、明らかにそれは間違った見通しであったわけですし、先入観に支配される怖さも感じました・・
元々、EUの統合は、1950年のシューマン宣言に端を発します。ドイツ・フランス・イタリア・オランダ・ベルギー・ルクセンブルグの六カ国によるECSCから始まったわけですが、この時点から考えると、確かに通貨統合までは膨大な時間がかかっています。
当初、これらの国々(六カ国)は経済統合を先行させながらEECとEuratomというものを発足させました。その後に、これらの三共同体を統合してECと称するようになったわけです。
画期的だったのは、1993年のマーストリヒト条約締結後にEUが誕生したことでしょう!
1994年に、欧州通貨機構(EMI)が創設され、1999年に単一通貨ユーロの導入が行われ、2002年1月からは、1980年代から1990年代前半にかけては、不可能だと思われていた、ユーロ貨幣の流通が開始されました。
アセアン諸国の現状は、欧州で言えば1993年のEU誕生以前の状態ですが、四半世紀くらいの間に、地域統合や通貨統合が行われる可能性は、十分にあると思います。
●参考:ASEAN加盟10カ国
ブルネイ・ダルサラーム国
カンボジア王国
インドネシア共和国
ラオス人民民主共和国
マレーシア
ミャンマー連邦
フィリピン共和国
シンガポール共和国
タイ王国
ベトナム社会主義共和国
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登録日:2007年 05月 06日 14:44:48
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- プロフィール

- 大原浩
- (男)
- 「証券新報」グローバル投資
- なんでも地動説
- 1960年、静岡県に生まれる。1984年、同志社大学法学部を卒業後、上田短資㈱(上田ハーロー)に入社。
1989年、フランス国営クレディ・リヨネ銀行入行。フューチャーズ・ブローキング・ディビジョン課長などを歴任し、主に金融・債券先物、デリバティブなどを担当。
1994年㈱大原創研を設立し独立。
2003年より証券新報社(証券タイムズ)顧問。
著書には
『韓国企業はなぜ中国から夜逃げするのか』(講談社)
『100万円を確実に1億円にする中国株投資術』(講談社)
などがある。
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