★株式投資は、インフレヘッジになるのか???
【6月15日 AFP】石油輸出国機構(Organization of Petroleum Exporting Countries、OPEC)は14日、月間報告を発表し2007年の石油の世界需要予想を据え置いた。
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(c)AFP
<インフレがやってくるから、ヘッジのため、株式に資産をシフトした方が良い>と言うような話を良く聞きます。
たしかに、第2次世界大戦後の60年余りの間、主要国のほとんどの株式インデックスの価格の上昇は、インフレ率を上回っていますから、現金でそのまま保有していた場合と比べて、株式投資をしていた方が、より有利な結果を生んだわけです。
また、債券に投資していた場合と比べても、株式投資のほうが有利だったケースの方が多かったようです。(債券はディフォルト、企業の場合は破綻リスクがあるので、表面上のパフォーマンスだけで単純比較できませんが・・・・)
しかし、そのことは、インフレ期に株式投資をすることが有利なことを意味しません。
例えば、米国市場では、大恐慌をはさむ1929年~1944年の間に、最高値から株価は70%も下落していますが、配当を含めた年間平均利回りは1.5%になります。※
それに対して、1966年から1981年の年間平均利回りは6%でしたが、史上最悪のインフレ期であったため、その数値はインフレ率を1%下回っています。すなわち、インフレ調整後の実質利回りは、大恐慌前後の1.5%に対して、インフレ期にはー1%だったわけです。※
つまり、インフレ期に株式投資をすることは、インフレヘッジになると言うのは迷信です。あくまで、現金で放置しておくよりもましだということなのです。
実は、2003年4月からの世界的株価上昇も、一種のデフレ要因によって引き起こされています。
インフレ期には、「便乗値上げ」などと言う言葉が飛び交い、いかにも企業が大もうけをしているようなイメージがありますが、実態はまったく逆です。
デフレ期の方が企業は儲かるのです。なぜかと言えば、デフレ期には、企業が調達する資材や原料などのコストも大幅に下がるからです。もちろん、人件費も下がります。
もちろん、生き残りのために過当競争を行っているような業界は(日本に非常に多いのですが・・・・)厳しい環境におかれることもありますが、世界全体を見れば、デフレ期の企業は高い収益を稼いでいます。
特に、ここ数年のEU拡大や中国を中心とするアジアの発展も、結果的に、非常に安い価格の労働力を世界市場に供給することになりました。
したがって、彼らの賃金が上昇をはじめれば、企業収益に悪影響を与えますし、既に中国ではその兆候が現れています。また、EUも2009年に拡大が一段落するので、安い労働力の供給は細ってきます。
それに対して、インフレ期の企業は、<便乗値上げ>と言う言葉が示すように、原材料・人件費等の上昇分を販売価格に転嫁することが困難です。
その企業が強力なブランド力を持ち、消費者が値上げを受け入れる場合を除き、企業の収益はインフレ期には低下し、平均的な株価もインフレ率以上には上昇しません。
したがって、インフレ期には、販売価格を引き上げることが出来る、市場シェアやブランド力を持つ企業に投資しなければならないということになります。
※ スティーブン・リーブ氏の数字による。
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登録日:2007年 06月 16日 19:13:16
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- プロフィール

- 大原浩
- (男)
- 「証券新報」グローバル投資
- なんでも地動説
- 1960年、静岡県に生まれる。1984年、同志社大学法学部を卒業後、上田短資㈱(上田ハーロー)に入社。
1989年、フランス国営クレディ・リヨネ銀行入行。フューチャーズ・ブローキング・ディビジョン課長などを歴任し、主に金融・債券先物、デリバティブなどを担当。
1994年㈱大原創研を設立し独立。
2003年より証券新報社(証券タイムズ)顧問。
著書には
『韓国企業はなぜ中国から夜逃げするのか』(講談社)
『100万円を確実に1億円にする中国株投資術』(講談社)
などがある。
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