★「予測できる未来と予測できない未来」★
【11月9日 AFP】9日のロンドン外国為替市場では、連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board、FRB)による米経済停滞の予想を受けてドル売りが優勢になり、ユーロが一時1.4738ドルの最高値をつけた。日本時間午後4時25分時点で、1ユーロ=1.4730ドル前後で推移している。
8日に米議会で証言したベン・バーナンキ(Ben Bernanke)FRB議長は、10-12月期から2008年にかけて米経済の成長はかなり減速するとの見通しを示した。(c)AFP
★ 「予測できる未来と予測できない未来」
最近、いくつかのロータリークラブで卓話(テーブルスピーチ)をしました。
テーマは、甘粕正氏の<客家大富豪18の金言>(講談社)でも採り上げられている<予測出来る未来と予測できない未来>です。(スペースの関係で話の一部抜粋です。)
皆さん、こんにちは。奇しくも今日はブラックマンデー20周年の日ですね・・・
投資は未来を予測するものと言いますが、我々は神様ではありません。そこで、絶対起こらないこと、あるいは起こる確率が非常に低いことを予想することをやめます。
つまり、外れる確率を減らしていくことで、残りの予想が当たる確率を上昇させるわけです。
たとえば、倍々ゲームを狙わないことです。歴史的にみると、実は年間30%という数字が10年以上安定した投資運用利回りの最高値なのです。
これは、ベンジャミン・グレアムが大恐慌以降の運用で達成しています。
グレアム氏は、近代投資理論の基礎を作ったと言われる人ですが、彼の生徒の一人が、現在世界で2番目の富豪として有名なウォーレン・バフェットです。(ちなみに、1位はビル・ゲイツです。)
バフェット氏は、15歳のときに新聞配達で貯めた、現在で言えば100万円くらいのお金を元に株式投資を本格的に始め、約60年間で今の約6兆円に至りました。
約60年間の運用実績を複利で計算すると年間の運用平均利回りは30%を少し下回る程度になるはずです。
これは決して簡単ではありませんが、倍々ゲームを長期間続けることとは違い、実現可能な<予測できる未来>と言えます。
大事なのはこの運用をしている間に運用成績をマイナスにしてしまうと、大前提が崩壊してしまうということです。
着実に運用実績を積み重ねることが、大きな資産を形成する最も有効な手段といえます。
これに対して、予測できない未来というのは何でしょう。マカオのカジノディーラーに聞いた話ですが、ハウス(カジノの経営者)が一番儲かるのはスロットマシーンだそうです。スロットマシーンは、ラスベガスなどで5億円儲けたなどと大きく報道されたりするので儲かるような気がしますが、実はそうではありません。
日本のパチンコと同じように、コンピュータで制御されているので、掛け金のうち、いくらをギャンブラーに還元するかは、ハウスが自由にコントロールできます。(もちろん、全体としてはハウスが儲かり、ギャンブラーが損をするようになっています。)
しかも、掛け金が少ないので(例えば2000円程度)、途中でやめる人が多いのです。その場合、ギャンブラーが投じたお金(例えば2000円)の100%が、言ってみればそのままハウスの利益になるわけです。
宝くじに至っては、100円のうち約50%が手数料として主催者(国など)に入る訳で、購入者には残りの50%しか還元されませんかから非常に効率の悪い投資と言えます。(宝くじもあたりの確率は主催者がコントロールできます。)
競馬はまだましで30%程度が主催者の取り分ですが、いずれにしろ余り効率はよくありません。
これに対してテーブルゲーム(カードゲーム、ルーレットなど)はどうしても人間が介在するのでハウス側に大きな赤字が出ることがあるそうです。(つまりギャンブラーが勝つ)
特にカードゲームは、切られた札のすべてを暗記できるような天才的プレーヤーには、ハウスのディーラーも勝てません。
ところで、日本の株式市場です。
もちろん、株価の底値を見極める必要はありますが、今後10年くらいの間を考えると日本の株式市場は、欧米やアジアを含めた世界市場の中で、もっとも投資効率の良い市場になると考えています。
現在はサブプライム問題などで皆なかなか買いません。しかし、良く言われるように、みんなが売っているときに買うことこそ(タイミングには注意してください)が大きな収益を得る早道です。
なぜでしょうか?例えば、長期間、株価が低迷して100人中10人しか株を買っていない状態を想像します。買い手が少ないので安い値段で株を購入することが出来ます。
しかし、だんだんと株価が上昇をはじめると、今度は買った方がいいという人が増えてきて、例えば100人のうち50人が買った状態になります。(株価も上昇して同じ金額で変える株数は減少します。)株価はさらに上昇を続けそれに伴って買い手も増えて100人中90人が株を買っている状態になります。
すると、そのときには、新たに株を購入する人は100人のうち10人しか残っていないことになります。
これではなかなか売れません。90人のうちの1割の人が売るだけでも、市場からは買い手が殆どいなくなってしまいます。
このように、世の中の人がみんな買うようになると、次に来るのはもちろん暴落です。
中国株がいい例です。3~4年前からペトロチャイナを購入し保有していましたが、9月中にすべてを売却しました。最も安いところでは2.5HKドルくらいで購入していますので5倍くらいになりました。 (日本株以外のアジア・新興国の株式もすべて売却しました)
3年から4年前の時点では、中国の経済成長と原油をはじめとするエネルギー価格の高騰は<予測できる未来>でした。
そして、中国の急激な株価上昇(経済成長)やエネルギー価格の高騰に大幅な調整がやってくることも、現在の私にとって<予測できる未来>です。(ちなみに、ペトロチャイナが中国の国策会社であるという負の側面が出てくるということも<予測できる未来>です。)
(中国の経済成長やエネルギー価格高騰の10年単位でのトレンドは変っていませんが・・・・・)
確かにその後の動きを見ていると、少し売却のタイミングは早かったかもしれませんが、10月以降の香港株の急騰は、私から見ると<予測できない未来>です。つまり、中国の成長やエネルギー価格の高騰とは異なった要因での価格上昇だと考えています。
結果として上昇していたとしても、<事前に予測するのが困難なことに投資をしない>のが私の考え方です。
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登録日:2007年 11月 10日 14:25:33
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- プロフィール

- 大原浩<投資野おーちゃん>
- (男)
- 「証券新報」グローバル投資
- なんでも地動説
- 株式会社大原創研 代表取締役、 株式会社証券新報社 顧問
同志社大学法学部卒業。上田短資株式会社(上田ハーロー), フランス国営クレディ・リヨネ銀行を経て㈱大原創研を設立。著書に「100万円を確実に1億円にする中国株投資術」講談社、「中小企業のための個人情報保護・プライバシーマーク」サイビズ、「銀行の終焉-近未来マネー論序説-」 「『複雑系』ビジネス-資本主義・社会主義を超える新経済入門-」「代表取締役平社員」(いずれも発行はあいであ・らいふ)などがある。
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