コソボ・中国共産党・日本株
【2月24日 AFP】(3月9日 一部修正)コソボ北部で少数派のセルビア系住民が独立に激しく抵抗していることを受け、欧州連合(EU)は23日までに、現地要員を撤退させた。
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(c)AFP
2月17日、ヨーロッパにある旧ユーゴスラビア圏国家セルビアから、コソボ自治州が独立することを宣言しました。
セルビアというのは、セルビア人が大半を占める国で、キリスト教の流れを汲む、セルビア正教を信仰する国です。
それに対して、セルビアの南部に位置するコソボ自治州は、アルバニア人が9割近くを占める地域で、殆どがイスラム教徒です。
ただ皮肉なのは、コソボ地区はイスラム教徒が大半であるのに、セルビア正教発祥の地であり、聖地でもあったことです。この点は、エルサレムが現在、イスラエルの統治下にあるのに、キリスト教の聖地でもあり、イスラム教の聖地でもあることを思い起こさせます。
キリスト教徒が聖地エルサレムを奪還するために行った十字軍では女性・子供・老人を含む2000万人以上が惨殺されたと伝えられます。(その中には、同胞であるはずのコンスタンティンプールのキリスト教徒もいました。)当時の世界人口を考えればとてつもない数字です。
もともと、このあたりには、第2次世界大戦後に成立した、6つの民族が分布している地域と、二つの自治州からなる連邦国家がありました。カリスマ性を持ち、クロアチア人でありながら、クロアチア人を優遇しなかった公平なチトー大統領が束ねていたのですが、1980年の同大統領の死後、偉大な指導者に代わる人物が出なかったため、6つの地域と二つの自治州が1年ごとに大統領を送り出すことになります。
しかし、このシステムも1990年にソ連が、共産党の一党独裁を放棄したことにより、機能しなくなります。そしてユーゴスラビアの分裂が始まりました。
その後、セルビア共和国にミロシェビッチが登場し、セルビア人第一主義の政策を行ってイスラム教徒が多いアルメニア系住民を無視したため、コソボ住民との対立が深まり、今回の独立宣言にいたるわけです。
また、セルビア人武装組織が行った「民族浄化作戦」はおぞましいものです。イスラム教徒の男性は子供も含めて皆殺しにし、女性は暴行してセルビア人の子供を生ませるというものでした。イスラームでは堕胎は認められていないので、子供がたくさん生まれれば、セルビア人の国家になるとの考えだったそうです・・・まるで、十字軍を思い起こさせるような蛮行です。
ところで、今回のコソボ独立問題では、民族紛争の面が強調され、コソボの住民がイスラム教徒であることは殆ど報道されません。旧ユーゴスラビアは社会主義国家であったため、長い間宗教が表舞台に出ることが無かったからと言えます。
しかし、日本のメディアのニュースソースである欧米メディアがその点に触れないのも重要な理由です。なぜかと言えば、反イスラム主義が根強い欧米諸国で、その事実が知られると、「イスラム教徒を助けるためにキリスト教徒を攻撃するとは何事だ」(NATOの空爆など・・・)との議論が巻き起こるわけです。
欧米諸国においては、イスラム教徒は<破壊分子><テロリスト><独裁者><専制君主>と役割が決まっています。
ところで、コソボの独立については、ロシアが異論を唱えました。コソボの国連加盟に常任理事国として拒否権を発動し、オリンピックの参加も承認しないと言っています。
ロシアはロシア正教の国ですから、セルビア正教の国に味方するのは当然とも思われますが、自国内でのチェチェンなどのイスラム教徒の独立闘争に悪影響を与えるのを恐れたわけです。しかも、イスラム教徒の国であるコソボに対して、キリスト教徒の国であるセルビアという図式を持ち出せば西欧諸国のかなりの部分を巻き込めると踏んだのでしょう。
また、中国も国内に少なからぬイスラム教徒を抱えています。現在、中国国内には1000万人を越えるイスラム教徒がいるといわれますが、中国政府は都合の悪いことはきちんと統計を行わないか改ざんを行うので、確かなことはわかりません。
モンゴル民族が中国を支配した、元の時代にはイスラム教徒は漢民族よりも手厚い待遇を与えられていました。
そのせいかどうかはわかりませんが、漢民族が主体となった明の時代以降、漢民族によるイスラム教徒の迫害が続きます。そのため、彼らは、新疆ウィグル自治区などの漢民族の少ない地域に逃げました。(旧満州も漢民族が少ないので、イスラム教徒が比較的多く住んでいます。)
現在も、中国政府は、イスラム教徒居住地域への漢民族の移住を奨励しているため(まるでイスラエルへのユダヤ人入植運動のようです・・・・)、当地においても、漢民族の圧迫が強くなっています。
しかし、新疆ウィグル自治区は、アフガニスタン・パキスタンを始めとする多数のイスラム国家と国境を接しています。イスラム民族・宗教紛争が激化した場合は、一気に広範囲に影響が出ます。
それでなくても、中国は台湾問題を抱えているだけではなく、都市戸籍と農民戸籍というインドのカースト制度に匹敵する身分差別制度を「公式に!」維持しています。
中国はコソボの独立を認めるのでしょうか?また、オリンピックの参加を認めるのでしょうか?
かなり、以前からこの日記でも採り上げている、北京オリンピックの開催問題。いよいよ暗雲が垂れ込めてきました・・・
そして、日本は、世界が宗教・民族問題で揺れ動いているのに、殆ど無風と言っても良い状態です。移民などを含めた過去の鎖国政策が、これからしばらくの間はプラスに働くでしょう。
北朝鮮からミサイルが飛んでくるかもしれませんし、少子高齢化などの問題も抱えていますが、日本ほど安全で安定した国は他に殆どありません。
フランスを始めとする欧州でも暴動は、多発していますし、米国のロサンゼルス暴動もそれほど昔のことではありません。(何よりも、ショッピングセンターや学校を歩いていると、罪の無い市民が突然マシンガンで撃ち殺される国です。)
実際、現在は外国政府が管理する(株式)市場に投資して、値段はともかく、売却して資金を回収できるかどうかを真剣に考えなければならない時代に入っています。政府が「ノー」と言えば、株券だろうが国債だろうが、すべては無価値になります。
インドネシアは、殆どがイスラム教徒ですし、マレーシアはおおよそ半分がイスラム教徒、タイやフィリピンなどにも少なからぬ数のイスラム教徒がいて、独立闘争を繰り広げています
この、世界的動乱が終わるまでは、日本(日本株)以外に投資するつもりはありません。お金は非常に臆病ですから、海外投資家も今後日本市場へのシフトを強めるでしょう。
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登録日:2008年 02月 24日 15:24:54
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- プロフィール

- 大原浩<投資野おーちゃん>
- (男)
- 「証券新報」グローバル投資
- なんでも地動説
- 株式会社大原創研 代表取締役、 株式会社証券新報社 顧問
同志社大学法学部卒業。上田短資株式会社(上田ハーロー), フランス国営クレディ・リヨネ銀行を経て㈱大原創研を設立。著書に「100万円を確実に1億円にする中国株投資術」講談社、「中小企業のための個人情報保護・プライバシーマーク」サイビズ、「銀行の終焉-近未来マネー論序説-」 「『複雑系』ビジネス-資本主義・社会主義を超える新経済入門-」「代表取締役平社員」(いずれも発行はあいであ・らいふ)などがある。
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