☆<老子と投資>その3☆
【3月25日 AFP】前ニューヨーク(New York)州知事の辞任を受け副知事から同州知事に就任したばかりのデービッド・パターソン(David Paterson)氏(53)は24日、テレビ番組のなかで麻薬経験を告白した。
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(c)AFP
☆この連載を初めて読まれる方は、本ブログの2008年2月8日の日記、<老子と投資>その1を先にご覧ください。
7、天は長く、地は久し。
○ 天も地も永遠である。天地が永遠なのは、天も地も無心で永遠に生き続けようとしないからだ。
○TAO(道)をマスターした聖人は、自分を人の後に置きながら、自然と人に推されて人の前に立つ。
○私利私欲を持たないからこそ、自分を貫くことが出来る。
投資をするという事自体が、基本的に己の利益を追求することですから、この境地に到達するのは簡単ではありません。しかし、このように考えることもできます。
例えば、ある日の寄り付きで買って同じ日の引けで売ると言う行為(いわゆるデイトレーディング)が、自分の利益を追求する以上の行為かどうかは定かではありませんが、例えばある企業の事業(株式)に投資し、長期的にその企業の成長を見守るという手法は、私利私欲以外に<従業員を始めとする多くの人々が関係する会社>をサポートすることになります。
また、先物・デリバティブや外国為替の取引は基本的にゼロサムゲームですから、この手法で他の人々を助けることは困難でしょう。
逆説的に、このように考えることもできます。
投資で少し儲かるようになると、「もっと儲けてやろう」と考えて、それまでは怖くて出来なかったような大胆な取引も「私利私欲」に押されて、平気で出来るようになります。しかし、大概の場合、このようなときに二度と立ち直れないほどの壊滅的なダメージ(損失)をこうむります。まさに「私利私欲」が身を滅ぼすことになります。
逆に、投資で成功する人々は、「天地が永遠なのは、無心だから」ということを理解しています。俗に「相場の頭と尻尾は市場にくれてやれ」と言いますが、彼らは、熱狂する相場の中でも、自分を見失わず、また深追いをしません
なぜなら、自分の限界を良く知っていて、「他人よりも先回りして儲けてやろう」「最後の最後まで儲けを搾り取ってやろう」などとは考えないからです。先に行きたい人には、「どうぞお先に・・・」と声をかけるくらいの余裕があるのです。
最近の日本株のように。誰も見向きもしない<残り物に福がある>のが投資マーケットです。
8、上善は水の如し。
○TAOの最高のレベルとは、水の働きのようなものである。
○水は、あらゆる生命の源でありながら、争うことが無く、しかも多くの人がさげすむ低い場所にとどまっている。争わないから間違いも無い。水こそがすべての模範である。
○どのような形にも変化できる、柔らかいことが強いこと。
この言葉は、日本酒の銘柄の名前にもなっていて、老子の言葉の中でも最も有名なものでしょう。
水は、人間(生命)が生きていくために必要不可欠であるとともに、どのような形にも変化することが出来る非常に柔軟な存在です。しかも、放っておけば常に下に流れて低い位置にとどまるわけですから、極めて謙虚だとも言えます。
他人から必要とされ(喜ばれ)、どのような環境にも対応でき、しかも謙虚な人物であれば、投資の世界だけではなく、どのような世界でも成功するでしょう。
9、持してこれを盈(み)たすは、その己むるに如かず。
○器を一杯に満たせばすぐにこぼれてしまうから、ぎりぎりまで入れないほうが良い。ぎりぎりまで刃先を鋭くした刀はすぐに折れてしまう。黄金が家中にあっても守りきれるものでは無い。
○そして、財産と地位が高くなると、頭が高くなってすぐに破滅する。
○仕事をやり遂げたら、綺麗に身を引き、権力に執着しない。
「限度を知る」ということは、人生において非常に重要なことだと思いますが、特に投資においては重要です。
<チキン・ゲーム>と言うものがあります。崖に向かってオートバイを走らせ、どちらが長くブレーキを踏むのを我慢できるかを争うゲームですが、投資というのは、言ってみれば「目隠しをして行うチキンゲーム」です。
相場の崖がいつ目の前に現れてくるかは、なかなかわかりません。サブプライム・ショックでも、米国の過熱した住宅ローン問題に警鐘をならす声は数年前からありました。ただ、いつどのような形で、その問題が表面化するのかは、殆ど誰にも予想できなかったことです。
ですから、<この先に崖がある>と思ったら、まだ崖が見えなくてもさっさとゲームをやめてしまうのが賢い選択です。霧に覆われて見えない、その1歩先が崖かもしれないのですから・・・・
10、営(まど)える魄(うつしみ)を載(やす)んじ、一を抱きて、能(よ)く離るること無からんか。
○肩の力を抜いて自然体でいることは難しい。
○欲望を絶って、TAOの道に精進できるか?
○隅から隅までわかっていて何もしないことが出来るか?
○赤ん坊のように無垢な魂を保てるか?
○自分の成功を自分のものとせず、ボスになっても居座ったり取り仕切ったりしない。
○儲かる方法を知っていても儲けない。
今回の長者番付で、世界一の富豪に返り咲いた投資家のウォーレン・バフェットは<オマハの巨人(賢人)>と呼ばれます。オマハは、アメリカでも最大の農業州であるアメリカ中部のネブラスカ州の都市です。日本で言えば、東北の米どころに本拠を構えているようなものでしょうか。
なぜ、NYあるいはウォール・ストリートでは無いかのか?バフェット氏自身も述べているように、ウォール・ストリートの喧騒の中で、振り回されるよりも、オマハの自然の中でリラックスした生活を送った方が、投資で成功できるからです。
誘惑にあふれている大都会で、「赤ん坊のような無垢な心」「儲かる方法を知っていても儲けない」「肩の力を抜いて自然でいること」「隅から隅までわかっていて何もしない」のはとても難しいことです。
<自然と一体化した無垢な魂>こそが、投資成功の秘訣です。
金融マーケットにあふれている<最新><重要><ここだけの話>というものは、世界一の富豪になるためにはまったく必要が無いどころか、かえって邪魔になるという証拠です。
コメント[2], トラックバック[0]
登録日:2008年 03月 26日 11:10:14
コメント
TAOについて以前も書かれていましたが、タロットカードのTAR(王の道を意味するそうです)と同じ時期にできた言葉なのでしょうか。
そして水に関してですが、土が汚れきっている場合どうしようもなくただあきらめるしかないのは、過去に栄えた文明の崩壊を見れば解ることだと今朝方報告がありました。地下鉱物は掘り起こしてはいけなかったし、樹木の剪定も実は必要がない事なのではないでしょうか。
樹里 @ 2008年 03月 27日 00:20:19
カードで「塔」が出た場合、間違いなく崩壊へ向かいます。最悪の事態を想定して全ての物事を進めて下さい。
樹里 @ 2008年 04月 03日 22:49:46
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- プロフィール

- 大原浩<投資野おーちゃん>
- (男)
- 「証券新報」グローバル投資
- なんでも地動説
- 株式会社大原創研 代表取締役、 株式会社証券新報社 顧問
同志社大学法学部卒業。上田短資株式会社(上田ハーロー), フランス国営クレディ・リヨネ銀行を経て㈱大原創研を設立。著書に「100万円を確実に1億円にする中国株投資術」講談社、「中小企業のための個人情報保護・プライバシーマーク」サイビズ、「銀行の終焉-近未来マネー論序説-」 「『複雑系』ビジネス-資本主義・社会主義を超える新経済入門-」「代表取締役平社員」(いずれも発行はあいであ・らいふ)などがある。
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