2006年 12月

PFIとDBOを比較することの意義(その2)

PFIとDBOがまだ比較され続けているようです

<某エンジニアリング会社から聞いた某総研(暴走研)のうわさ>
「PFIは公債に比べて金利が高いのでDBOにして公債で資金調達を
すれば、PFIよりもVFMが大きい仕組みができる」と、いままで
PFI事業をアドバイスしていたある総研会社が、最近DBOのよさを
触れ回っているといううわさ。

<某自治体からの某業者についてのうわさ>
>DBO(設計・施工・運営)ならば、
>発注者も受注者も互いのメリットを確認しやすいです。
>DBOで一括発注することにより、
>発注者側は受注者が請け負った施設を運営しやすいように設計して
>しかも期間内はトラブルも起きにくいような施工もするだろう
>という期待は大きいですし、
>受注者側のメリットとしては、
>ファイナンスで苦労しなくてすむ分、設計・施工・運営に集中できるし、
>工期が圧縮できる分のメリットも大きいと感じるようです。
とも聞きます。


DBOとPFIを比較することの意義
従来分割発注していた、設計と施工と運営をDBOのように一括発注するのは最近の公共発注の世界的な流行です。
そういう意味では、DBOを推奨することにはなんら問題ありません。むしろ遅すぎたくらいです。
しかしながら、PFIよりもDBOが良いという比較にはあまりにも無理があります。

PFIは、民間のファイナンスを利用する仕組みであることから、DBFOです。しかしながらDBOFはすべてPFIではありません。

民間の場合DBOとDBFO(ファイナンスリースが一般的)を比較することがあります。それは、自分で資金調達するか、第三者に資金調達を依頼するかの違い程度であり、比較することに意味があるからです。

しかしながら、公共の場合には、公債という民間資金調達よりもコストの安い資金調達方法がある以上、簡単にDBOとDBFOを比較することはできません。民間資金を使ってDBFOにする場合には、民間資金を使うことで民間資金調達コストによってコストが増加する以上のプラスの要因が民間資金を利用することから生じる必要があります。

今後の動向
民間資金を使ってVFMを生み出す要素は官から民へのリスク移転です。
リスク移転のない民間資金の利用はVFMを悪化させるだけであり、本来許してはならないものです。行政訴訟の対象にならないように、コンサルタント、行政職員、議員、首長は気をつけなければなりません。

PFIとDBOの比較はナンセンスです。そろそろやめにして、リスク移転の仕組みの是非や、公共施設を利用して行った民間事業が予想以上の利益を生み出した場合の予測を上回る利益の配分などに議論を移していく必要があると思います。

カテゴリー[ 日本版PFI ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2006年 12月 03日 22:17:00

プロフィール
Hiroshi Kumagae
Hiroshi Kumagae
(男)
1959年05月06日
アビーム コンサルティング㈱             ディレクター
著書:脱「日本版PFI」のススメ 相模書房 ISBN978-4-7824-0705-9
ESADE大学院 国際経営修士
慶應義塾大学院 特別招聘講師(非常勤)
三田図書館・情報学会会員、PMFJ会員 公益事業学会会員
平成18年度内閣府PFI事業の総合評価検討委員会委員
平成19年度自治体PFI推進センター専門家委員会委員
日刊建設工業新聞 所論/緒論コラムニスト
東京LEC 法律文化 連載中 
剣道3段、居合道3段(夢想神伝流)
福岡県生まれ横浜市在住
連絡先:
hkumagae-mobile@softbank.ne.jp
最近のトラックバック
検索