2007年 03月
1万ヒット突破記念号
ありがとうございました。今日で1万ヒットを越しました。
まあ、そのうち100ヒット以上、自分のものが含まれているとは思いますが・・・
これを記念して、このブログ立ち上げの目的をもう一度振り返ってみました。
つい先日、表示をちょっと変えたついでにPPP標準化ブログの後に括弧書きで
BPR&リスク移転型PFIと追加したのに気がついた人はいましたか?
この名称は、自分では当然だと思っていたBPRでVFMを生み出すという点が
以外にも衝撃的であったというPFI侍さんのコメントをヒントに
今まで時々使っていたリスク移転型PFIと組み合わせて作ったものです。
PFI手法についてもう一度振り返ってみました。
ここのところ、PFI事業のモニタリングがうまく機能していないという話しを良く耳にします。
これは、本来、事業に組み込む必要があった「要求水準書」「モニタリングシステム」「支払メカニズム」を連動させる仕組が組み込まれておらず、「サービスのパフォーマンス測定」がうまくできていないからです。
この背景には、PFI事業になぜ民間資金を利用するのかについての理由を、わが国ではあまり深く検討していないという事実がありそうです。
民間資金の利用の仕方は「事業コストが実際に従来の方法よりも下がっているのだから、どんな使われ方をしてもかまわないではないか」という考え方に基づいて、最も貸し手にとってリスクのない割賦払い手法が選択されているように見受けられます。
ところが、割賦払いは、事業の改善とは、直接連動していないばかりか、本来ならリスクのネガティブな面が顕在化したときに、事業介入する金融機関の事業化以前インセンティブさえ奪いかねない仕組であり、公共リスクの移転を出来なくしてしまう悪者です。
以外かもしれませんが、PFI手法を導入した英国をはじめとして、日本を除いたPFI/PPPを推進している国では、公共施設整備のために割賦払いで民間資金を利用することは原則的に禁止されたままです。
PFI手法とは、施設整備費の新しい支払い方法ではなく、民間事業者が提供する不具合の無い施設提供サービスおよび、施設に付随するサービスを、不具合や、サービスの品質低下が生じたときに適切な対応がとられなければ支払を減額するという条件をつけた「いわゆるパフォーマンス連動支払の民間施設提供サービス」を公共が購入するものであると定義することが可能です。
従って、このような仕組を構築するために、発注者は、事業の発注をする段階において、モニタリングすることが可能な要求水準を、パフォーマンスに応じて支払う仕組と一緒に提示し、これに対して、事業者は、原則としてセルフモニタリングが可能な事業提案をセルフモニタリングの仕組と一緒に提示することが不可欠です。
しかしながら、わが国のPFI事業では、発注者が要求水準と、モニタリングシステムと支払メカニズムを連動させた事業の枠組みを提示しておらず、事業者に対してもモニタリングと支払額が連動した仕組を構築することの要求をしていないため、契約の段階で、「要求水準書」「モニタリングシステム」「支払メカニズム」が連動しているケースをほとんど見かけません。
世界標準のPFI事業で不可欠な、これらの連動が不要であるかというと、そうではありませんし、また、連動を阻止するような特別な要素がわが国特有なものとしてあるかというと、実はそれも無いのです。
法律をいじる必要もありません。ただ、発注者がその気になれば済むのです。
発注者をその気にさせたくて始めたブログですが、この1万ヒットを機会に、もう少し書き込みの頻度を増やそうと思っています。
よろしくご愛顧のほど、お願いします。 Hilario Valle del Oso Saludos!
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登録日:2007年 03月 29日 22:12:14
所論緒論/札幌市・新定時制高校PFI事業、応募者なし 日刊建設工業新聞 07年3月7日
談合問題に起因する過大な事業者リスク負担で成り立たなくなるPFI事業
<入札不成立の理由の誤解:>
札幌市の新定時制高校PFI事業に応募者がなかった。
「市の計画課は、その理由を“企業の間では、予定価格の安さや事業期間の長さ、違約金の高さへの懸念が強く、『大きな利益が見込めないのにリスクが高いと判断されたから』”と認識しており、『市教委はその対応策として事業期間の短縮など条件を緩和して再募集する方向で調整している』と報道された。この報道内容の真偽確認は行っていないが、事業者が指摘しているリスクは、少なくとも事業期間が長いことから生じる大規模修繕リスクではない。
<札幌市だけではないPFI事業の入札不成立:>
公表されているPFI関連資料を読み込んだ上で、民間事業者およびいくつかの自治体にヒアリングしてみたところ、この基本協定書の条件が理由でPFI事業入札が成立しない問題は、札幌市だけでなく、ほかの市でも発生していることが分かった。
事業者が嫌っているリスクとは、基本協定書の中にある違約金の額が大きすぎる点である。
<基本協定書の談合防止条項に絡む入札不成立問題:>
基本協定書の違約金条項は、談合問題が発覚した以降に導入されたらしく、複数の自治体で共通して二つの違約金が規定されている。ひとつは、「当該事業で談合等の不正を働いた場合の違約金(当該事業談合ペナルティ)」であり、もうひとつは「当該事業に関係なく、事業者事由により契約締結できなかった場合の違約金(一般契約不成立ペナルティ)」である。事業者から当該事業の談合ペナルティが高すぎるというコメントはあるが、この条項が入札を取りやめる理由になるとの指摘は無い。入札不成立の原因となっているのは、一般契約不成立ペナルティである。このリスクは事業者としてコントロールしきれないという。
さらに、これらの協定書には、違約金問題以外にも共通している不合理な点がある。それは、「協定書の締結目的」は、「契約が締結されるまでの市及び事業者の双方の義務について定める」ものと規定されており、しかも「実際に、首長交代や、議会の承認が得られない為に契約締結できなかった例が過去にあった」にもかかわらず、発注者側の理由で契約締結できなかった場合の違約金について触れられていない点である。
<札幌市はどのような対処を取るべきか:>
当該事業では、民間事業者の基本協定書に関する全ての意見書が違約金の削除を求めた。また、基本協定書に関する質疑応答でも、23の質問のうち18(約8割)は、この違約金に関連するものであった。特に、一般契約不成立ペナルティは原因特定が難しく、入札額の10%にもおよぶ違約金を払うという条件は事業者として飲めないという明確な意思表示が見て取れた。
解決策の展望がありそうなのは、基本協定書に関する質疑応答の中で「10%」としていた違約金を「10%を限度として」と市が緩和した点である。一般に、大規模事業で契約締結に時間がかかる場合、作業を止める訳にはいかないので、契約当事者が、「お互いの契約締結の意思を示す同意書(基本協定書に該当するLOI : Letter of Intent)」を結ぶ。海外のPFI事業でも、公共である以上、議会の承認が得られなければ契約を締結できないし、民間事業者も取締役会の承認を得られなければ契約を締結することが出来ないためLOIを結ぶ。何らかの理由により契約締結出来ない場合には、契約不締結の原因となった側が、事前に合意した違約金を支払うか、もしくは、それまでかかった相手の費用を実費精算で負担する。契約締結できなくなる可能性はお互い様であり、ここには一方的なペナルティの発想は無い。札幌市の再募集では、是非この考え方を用いてもらいたい。
<その他の問題点:>
最後に、今回の紙面の関係上、詳しくは述べないが、当該事業は、PSC算定根拠問題や、修繕リスク分担問題等、基本協定書問題以外にも、さまざまな問題を抱えていると思われる。圧巻なのは、当該事業は市が市債で資金を調達して、施設整備後に市がゼネコンに施設整備費を一括支払いするため、民間資金が必要ない点である。民間資金を利用としないのに何故PFI事業と呼ぶのか理解に苦しむのは私だけではないはずだ。
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登録日:2007年 03月 27日 22:29:48
所論緒論/株式会社の学校設立の解禁に伴うサービスの品質低下の危険性 日刊建設工業新聞 070210
求められるサッチャー政権での失敗のフィードバック
構造改革特区推進本部の下にある有識者評価委員会で「構造改革特区で認めた規制緩和について全国展開できるかどうかを検討することになっており、株式会社の学校設立の解禁や、校舎やグラウンドなどの自己所有を義務付ける通知を見直すという。この手法は、発注者にとっては制度の見直しだけで済む安易なものであって、サッチャー政権時の民営化手法と類似している。サッチャー政権での民営化手法では、サービスの品質が管理できなかったことから、わが国においてもこの手法では公共支出の削減とサービスの品質の改善の同時達成がうまくいかない可能性があるので留意する必要がある。
サッチャー政権では、まず民営化可能な公共事業は民営化し、官民の競争によって公共支出の削減とサービスの品質の向上を同時に達成しようとした。しかしながら、短期的なコストの削減は達成することができたものの、民営化するために民間に事業運営の独立性を持たせたことから、サービスの品質を管理することができなくなった。サービスの品質が落ちるのであれば、コストが削減されるのは当たり前であることから、サービスの品質を管理するための改善が求められた。このサッチャー政権の民営化の失敗を是正した手法がメジャー政権時代に導入されたサービスの品質を管理する仕組みを組み込んだPFI手法である。このPFI手法は、わが国の施設整備費の割賦払い型のPFI手法とは異なり、施設を所有する民間は公共が求めるサービス水準を満たした場合にのみ、契約で合意した施設提供のサービス料金を受け取ることができる「(官から民への)リスク移転型PFI手法」である。そのため、サービス水準を満たすことができない場合には、民間はサービス料金を受け取ることができなくなり、施設整備費を回収することさえできなくなる。ただし、サービスの品質を評価する手法は公共が提示した事業枠組みに基づいて事業者が設定するものであるため品質管理可能な指標が設定されており、しかも、その事業安定性は金融機関によって精査されることから、民間への無理なリスク移転にはなっていない。
現在、わが国が検討しようとしている校舎やグラウンドの所有の義務付けを見直すことによって、民間事業者の教育事業参入を促進する方法は、サッチャー政権でおこなわれた民営化と同様に民間の事業運営の独立性を認めている。言い換えると、公共がサービスの品質を管理する事業枠組みを設定していない。このような方法を導入すると、サッチャー政権で起きたように公共サービスの品質を管理できなくなる可能性が高くなる。過去の失敗をいたずらに繰り返すのは税金の無駄遣いであるので、サッチャー政権での失敗のフィードバックをする必要がある。
NPM(新しい公共管理手法)の世界的な潮流は、民営化ではなく、校舎やグラウンドなど学校運営の主体が自己所有することを見直し、施設の維持管理を得意とする民間事業者に公共施設を所有させ、適切な維持管理をすることによってサービスの品質を向上させるというものである。そして、このような公立の学校の施設運営を委託するためには、「株式会社に初期投資させ施設に関連したリスクを移転することによって公共支出を削減しサービスの品質を向上させる手法」が有効であることが実証されている。
世界中の公共セクターが、世界中のベストプラクティスを参照して事業改善の努力をしている。わが国においても同様に、海外の公共セクターにおけるNPMのベストプラクティスを参照して、NPMを改善するための検討をおこなうよう有識者評価委員会に要望する。
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登録日:2007年 03月 27日 22:26:36
高校補修漏れ事件解決方法の考察(過去データの整理)
テーマとしてはちょっと古く、PFIのテーマとは直接関連していない考察であるが、その考え方はNPMに共通したものである。
― 落ち度のない学生に負担をかけない合理的な対処方法を英国のルール作りに学ぶ -
サッカー、ラグビー、ゴルフ等、英国人のルール作りのうまさには定評がある。これに対して、日本人はルール作りがあまりうまくない。
その日本人のルール作りの下手さの典型をあらわしているのが、現在全国の540校で8万4000人の高校生の履修漏れに対して取られようとしている対処の仕方である。
主観的に70時間は多すぎて負担になるから、50時間に減らすというような根拠のない解決策では過去の卒業生との公平性が担保できていない。
もしこのような事件が英国で起きたとしたら、英国人ならどのような対応をとるかについて、英国で弁護士資格をとった日本人弁護士と議論をした。
まず、英国ならば、それぞれの高校が履修カリキュラムを設計する際に、多分このようなルールを逸脱したカリキュラムは組まれないだろうというところから議論をスタートした。
次にもし仮に、ルールに逸脱したカリキュラムをもし組んだとしても、そのカリキュラムに学校がお墨付きを与えた以上、翌年度以降のカリキュラム変更はありえても、当年度のカリキュラムは変更しないだろうということで合意できた。もちろん、カリキュラムとして申請したものと実際のカリキュラムにずれがあるという前提はしていない。
さて、それでは、もし、今回のわが国の事件のように、数年前から間違ったカリキュラムが組まれており、本来なら履修しなければならない科目を履修していなかったことが学期の途中で発覚した場合には、どのように対処するかについて議論した。
その対処方法を決定するに際して、ルール作りの上手な英国人であれば「新しい決め事は過去の事象に対して訴求しないという原則」と、「公平性を担保する原則」は最低限適用するだろうと考えられる。
対処方法を決める前に、まず事実整理からはじめてみよう。
1. この未履修問題は今年から始まったわけではなく、既に卒業証書をもらって卒業した生徒がいる。
2. この過去に未履修で卒業した者が誰かを特定できるが、既に卒業した者の卒業資格は剥奪しない。
3. 学生は学校が提示したカリキュラムを選択しただけで、学生に手続き上の落ち度はない。
4. 授業時間数の3分の2以上出席していれば単位を認定しているという事実がある。
5. この問題が発覚したのが、10月下旬であり、対処の決定は現状を把握した11月に1日以降である。つまり、4月の第1週から3月までの12ヶ月間のうち、決定が下されるまでに既に12分の7は経過していた。
以上から合理的な対処方法として次のような考え方が適用できる。
1. 既に卒業した未履修者と現役生を公平に取り扱う必要がある。
2. 必要な時間数が70時間であったとした場合、その3分の2以上である47時間で単位を認定することができる。
3. 学生には落ち度がないことを考慮すると、今年の4月からこの問題が発覚し対処方法を決定するまでに既に1年間の12分の7が経過している以上、「過去への不訴求の原則」を適用すれば、残りの期間の12分の5を調整のための係数として適用することが合理的である。
このように考えて必要な補修時間を算定すると70時間は、20時間に短縮できる。
70時間 * 2/3(認定可能な最低出席率)* 5/12(卒業までの期間) = 19.4時間
救済策を検討するのであれば、この20時間からどれだけ減らすかを検討すべきではないだろうか。
もし、このような考え方をとらずに、必要な時間数である70時間をどのように調整するかだけについてのみ検討するのであれば、それは今年の学生に対してだけの措置であるため、公平性の観点からから履修しなかった過去の卒業生にも補修させる手立てを別途講じる必要がある。
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登録日:2007年 03月 27日 22:12:46
日本型PFIの課題
前回のブログのエントリーに対してのPFI侍さんのコメントを参照します。
>なるほど。そういうことなんですね。それにしても、当たり前のように思えることが、
>なぜ、市販の文献なんかを見ても書いていないんでしょうかね。自治体の現場の人が
>気づくのも面白いですが、本来、ガイドラインにも明確な記載があってしかるべきでは
>ないかと思いますが。単なる支払い平準化可能な便利な手法との認識しか持って
>いない人、多いと思いますよ。
市販の文献にPFIの本質が記載されていない点について
市販の文献といっても、日本の文献は、日本の法律にのっとって、過去の日本のPFI事業と呼ばれるものに関してのもの、いわゆる日本型PFIについてのものが多いのでそういう風に思われるのだと思います。
この点については、このブログの下にもリンクを張っていますが、私が前職のときに公表した下記の連載論文に記載しています。ちょっと古いものですので、一部修正変更などが必要な部分も含まれていますが、大筋においては現在でも通じる考え方です。
PFI事業のあるべき姿「地方行政」(2004年3月1, 4, 8, 11日号/時事通信社)
日本型PFI改善への具体策「地方行政」(2004年8月2, 5, 9, 23, 26, 30日号/時事通信社)
ただし、この2004年以降のPFI事業の世界的な標準化とガイドライン化のスピードには目覚しいものがありますので留意する必要があります。
わが国のPFIガイドラインに明細な記載がない点について
前述のPFI事業のあるべき姿にも記載しましたが、日本のPFI法は、1998年5月に当時の与党三党により衆議院に草案が提出され、修正が加えられた上で1999年6月に衆議院建設委員長提案の法案として改めて提出されたものです。このPFI法案は同月には衆議院で可決され、7月には参議院で可決・成立し、公布されました。
しかしながら、日本のPFI法が検討及び交付された時期には英国のPFIのガイドラインはまだ出来上がっていませんでした。99年当時の英国では、それまでにPFI事業に関与した弁護士たちがPFIのあるべき姿を現在のSoPC(ソプシーと発音されるPFI契約書の標準化書類)の下書きを検討していたところで、私も、その検討原稿を2度ほど手に入れて、その官民のリスク分担に感銘を受けたことをよく覚えています。(わたしは、その当時、英国で民間事業者としてPFI事業に関与していました。)
これに先立つ97年に誕生したブレア政権は、保守党の「出来る限り民間部門に任せる」というPFIの考え方を「官民の長所が生かせるような官民の役割分担のもとでのパートナーシップで事業を推進する」というPPP(パブリックプライベートパートナーシップ)の考え方に変更しました。そして、この新しい考え方のもとでPFIタスクフォース(PFI推進専門部隊)を作り、2年の期限を切って「PFIによる公共調達ガイドラインの作成」と「PFI事業支援活動」を行いました。ガイドラインは当初の計画では99年には完成するはずでしたが、実際にその大部分が公表されたのは2000年に入ってからであったことを記憶しています。
このように、わが国のPFI法を起案した段階で、PFIの姿が見えていなかったということが大きな問題だったと思われます。
2006年末から2007年はじめにかけて、PFIガイドラインを策定した内閣府が海外のPFIの実態調査も含めて、わが国のPFIのガイドラインの見直しもしようとしているはずです。
遅かれ早かれ、世界標準の流れに乗るのではないかと思います。
単なる支払い平準化可能な便利な手法との認識しか持っていない人が多いこと
そのうち、日本型PFIの問題点が浮き彫りにされてきますので、PFIが単なる支払い平準化手法ではないことがわかってくるはずです。
今後は英国型PFIという名称を使わずに、BPRリスク移転型PFIにしてみようかなと思っています。
そもそも、このブログを立ち上げたのは、マスコミを含めてPFIの本質を理解していない人が多そうだなと思ったからです。
ただ、目的を十分に達成するほど、ブログの更新ができていない点については、反省しておりますが・・・。
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登録日:2007年 03月 26日 01:28:43
PFIの導入目的がBPRであることが一般的に認識されていなかったことのショック
ここのところ、ブログの更新をしていませんでしたが、最終記載内容に、内閣府のセミナーのタイトルか重なったせいか、PFI侍さんから次のようなコメントをいただきました。
>この間、内閣府のセミナーを傍聴してきました。
>経団連ホールは超満員。
>そのなかでも、自治体代表のパネリストが目に留まりました。
>堂々とした受け答え、整理された説明、びっくりしました。
>何よりも、PFIを導入する理由を、BPR的に説明するという提言には、頭を打ち抜
>かれたような衝撃を覚えました。
>それが「公共サービスの品質向上」とコスト縮減の両立を図るメカニズムだったので
>すね。
>もう少し時間をかけて聞きたい気もしましたが、駆け足気味だったのが少々気の毒
>でした。別の機会に聞いてみたいと思います。
>熊谷さんと同じようなことを言っていましたが、お知り合いですか?
>PFI侍 @ 2007年 03月 17日 17:33:39
実は、あのセミナーは、私も傍聴していました。
自治体代表の方とは仙台市の白岩さんのことですね。良く存じ上げていますよ。
同セミナーのPPTにも記載されていましたが、2月21日と28日の2日にわたり、合計で15時間のPFI事業者研修を仙台市でやったばかりです。
さて、
>何よりも、PFIを導入する理由を、BPR的に説明するという提言には、頭を打ち抜
>かれたような衝撃を覚えました。
とのこと。
PFIの導入目的がBPRであるということが一般的に理解されていないのだとすると、私にとっては、そっちの方が衝撃的です。
誰が最初にいったのかは知りませんが、わが国のPFI事業には、「ハコモノPFI事業からはVFMが生まれにくいという誤解」があります。そもそも、「PFI事業とは、ハコモノに付随するさまざまな公共リスクを民間に移転することからVFMを生み出す仕組」であるからです。
もちろん、この仕組を構築するためには、要求水準とモニタリングシステムと支払メカニズムが連動している必要があります。しかも、この連動したリスク移転の基本的な考え方は、公共が策定し提示しなければならない仕組です。
この要求水準、モニタリングシステム、支払メカニズムが現在連動していないPFI案件がほとんどです。
要求水準が「やってもらいたい事リスト」になっており、「モニタリング」は「そのやってもらいたい事リストの実施状況を確認するしくみ」であり、事業者の報告書は、「やったものリスト」になっています。
やってもらいたい事とそのモニタリングと、やったことリストが合致するのは、従来の手法です。
ところが、PFI手法で不可欠といわれる、アウトプット仕様書「達成してもらいたい成果」を仕様書に加え始めたため、「達成してもらいたい成果」と「やったこと」が連動しなくなってしまったのです。
また、減額の仕組は、起きたら困ることがおきたら、減額する仕組になっており、これは、やってもらいたいことにも、達成してもらいたい成果にも連動していません。
別に改まって言うほどのことではないのですが、要求水準を、モニタリングシステムと、支払メカニズムに準じたもので策定し、モニタリングシステムと、支払メカニズムに連動させてやればよいのです。この仕組は、世界的に標準化されつつあります。
この仕組の標準化について、2007年3月号の法律文化に記載しました。興味のある方は、法律文化のURL http://www.lec-jp.com/h-bunka/ にアクセスの上、会員登録をすれば、PDFファイルで読むことが可能です。
また、PFI事業でなぜVFMが生まれるかについては、国家会計監査局(NAO:National Audit Office)が1999年8月に出した「PFI手法による取引のVFMの検証」と、同じくNAOが2006年5月に出した「PFI事業の実施を評価するための枠組み」という報告書が参考になります。前者で繰り返し言っていますが、PFI事業のVFMは、公共が示したアウトプットを達成するための手段や手法を民間事業者が提案する(すなわちBPRする)ことによって生まれるものであるということが繰り返し述べられています。
そもそも、いくらゼネコンが談合で予算上限満額いっぱいで落札しても請負高の数%程度しか利益が出ないはずです。そのような中から、公共のVFMを生み出し、事業者の利益を向上させようとすれば、BPR以外に方法はありませんよね。
リスク移転型BPRによるPFI手法は、日本型PFIとは、全く異なる手法です。
わが国のPFI事業には、施設整備とサービスや運営を二つに分けて、施設整備費を割賦払いで支払うものが多いようですが、例えば英国では、このような手法はPFI事業としては分類されません。英国では公共調達に割賦払いを利用することはVFMを悪化させるため禁止されており、PFIの補助金であるPFIクレジットが受け取れなくなるため、PFIとして成り立たなくなるのです。本来なら、わが国にも、補助金を出す中央省庁と財務省が関与した自治体PFIの民間資金利用の適切性を評価する機関が存在してしかるべきです。
英国では、PFI手法を前提として民間資金を利用した事業を計画する場合、FRS5と呼ばれる「取引の実態を会計報告するための基準」が適用され、十分なリスク移転が出来ているかどうかのリスク移転検証が行われます。十分なリスク移転が出来ている場合には、その実態を反映して当該公共施設は民間資産とみなされ、その結果PFI事業としてみとめられることになりますが、取引の実態に十分な民間へのリスク移転がない場合は、その取引は、「割賦払いを代表とするリース支払いに適用される」SSAP21(一般会計実務規定21)に基づいて会計処理されるためPFI事業としては認定されません。PPPとしての認定になります。
十分なリスク移転が出来ているかどうかは、事業者の投資額を回収するための支払分に到るまで、パフォーマンスと連動させているかどうか、すなわち、支払が0になる可能性があるかどうかで検証が可能です。
繰り返しになりますが、わが国のPFI事業で一般的なスキームになっている「施設整備費」と「維持管理運営サービス費」の分離スキームは、施設整備費が割賦払いとなっているため、民間資金の利用が税金の無駄遣いになっています。この施設整備費の部分まで、減額対象としている事業で公表されているものは、いまのところ仙台市のPFI事業しかないはずです。
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登録日:2007年 03月 19日 23:21:23
- プロフィール

- Hiroshi Kumagae
- (男)
- 1959年05月06日
- アビーム コンサルティング㈱ ディレクター
- 著書:脱「日本版PFI」のススメ 相模書房 ISBN978-4-7824-0705-9
- ESADE大学院 国際経営修士
慶應義塾大学院 特別招聘講師(非常勤)
三田図書館・情報学会会員、PMFJ会員 公益事業学会会員
平成18年度内閣府PFI事業の総合評価検討委員会委員
平成19年度自治体PFI推進センター専門家委員会委員
日刊建設工業新聞 所論/緒論コラムニスト
東京LEC 法律文化 連載中
剣道3段、居合道3段(夢想神伝流)
福岡県生まれ横浜市在住
連絡先:
hkumagae-mobile@softbank.ne.jp
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- [03/31] PFIでは官が民民のプロファイにおける金融機関の考え方をする必要はないこと
- [03/02] 世界標準のPFIについての解説及び議論を行うという前提の確認
- [02/22] 2者間契約のプロジェクト・ファイナンスと3者間契約のPFIの違い
- [02/14] 直接契約について金融機関がこんな説明をしていたら要注意
- [02/12] PFI事業の資産残存価値リスクの民間移転
- [02/11] 自治体がもっとキャッシュフローを改善したいのならリスク移転型PFIの活用が可能
- [02/11] 官が示す必要のあるPFI事業の直接契約の雛形
- [01/22] 私の視点 ◆PFI/民間の知恵生かす改革を 2008年1月16日 朝日新聞 朝刊
- [01/05] PFI事業に関与する公共アドバイザーの役割とは?
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