フェルメールの小路

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フェルメールを好まない友人達が、フェルメールの記事を書き出した。僕もフェルメールの特有さが苦手であるが、興味は尽きることがない。

自称フェルメール愛好者の方々の記事も目にするのだが、感想文とトピックしやすい部分の解説の記事であるため、知りたいことが知ることができない。

僕が知りたかった、絵具がどのように使われ、色がどんなふうに変化し、オリジナルの状態はどうなのかetc。KAFKAはどの記事よりも「フェルメールのパレット」の秘密を、こっそり教えてくれている。(真珠の耳飾の少女は、小さいながらも、フェルメールのサインがみえるものを使用している。一見の価値あり)

a‐Leiは、幾何学遠近法、その絵のトピックを中心に、オランダの歴史、経済、ダリの作品を絡めながら、まことに興味深い部分を多数に取り上げている。「地理学者」に描かれたヤコブの杖こと「クロス・スタッフ」や、一見コンパスにみえる「ディバイダー」など、ステーショナリー好きは方にはたまらないだろう。

ちなみに僕は、その記事をみて、フェルメールが多く使用したキャンバスを記事にした。

それで、フェルメールの特有さを嫌うだけではなく、好ましいと思えるものを1点、ここで紹介しようと思った。「都市景観画」の「小路」(1658~1659)を、である。

美術や地誌に関する銅版画が掲載された書籍が、18世紀のオランダで刊行されているが、アブラハム・ラーデマーケルには、「Spiegel van Amsterdams Zomervreugd,op de dorpen Amstelveen, Slooten, en den Overtoom(アムステルフェーン,スローテン,オーフェルトーム村でのアムステルダムの夏の歓びを映す鏡)」、「Kabinet van Nederlandsche Oudheden en Gezigten Amsterdam,1725」、「Kabinet van Nederlandsche en Kleefsche Outheden(ネーデルラントとクレーフの名跡総覧図録)」などがある。この彼が「セント・ルーカス(ルカ)・ギルドホール( St. Luke's Guild)」をスケッチしている。

セント・ルーカス(ルカ)・ギルドホール」とは、これまで数回公表されたが、フェルメールの「小路」とは同一視されなかったという建物である。

玉石舖装の舗道上に面し、2つの通路によって分離された2軒の家の切妻壁。フェルメールの小路から煉瓦やモルタルの消耗がわかる。描かれているのは葡萄らしく、愛および結婚の厳守を記号化しているといわれている。どうやら賛美歌に歌われている例えらしい。

1950年にSwillensが、「メヘレン」(フェルメールの家族によって所有されたデルフトのマーケット・スクエアの小ホテルメ-へレン・ハウスのこと。(1885年に取り壊されている。)
この裏窓から彼が場面を描いたかもしれないということなのだが。

古典的ルネッサンス・スタイルのセント・ルーカス・ギルドであるが、そもそも彼のギルドだったということだ。つまり理事を務めていたということである。

P.T.A.Swillensは、仮説をたて主張していた。いまは養老院である「セント・ルーカス・ギルド」の存在を。そして、それがどうやら認められそうだ。

これまで「小路」を特定するために「メヘレン」の当時の周辺を知る地図や見取り図、イラストなどが多く公開されている。

「メヘレン」の当時の周辺
1. Mechelen................... Vermeer's father's inn (メヘレン)
2. St. Luke's Guild......... painters' guild(セント・ルーカス・ギルド:聖ルカ組合)
3. The Little Street........ location of the Little Street(小路)
4. Maria Thin's House... Vermeer's mother-in-law's house & where Vermeer lived after Mechelen(義母マリア・ティンスの家)
5. Stadthuis................... Delft City Hall ( デルフト市庁舎)
6. Gesuit Church........... Vermeer's mother-in-law's house and Vermeer's residence (住家)
7. Oude Kerk................. Delftエs oldest parish church Founded about 1246 (古い教会区)
8. Nieuwe Kerk.............. second parish church of Delft Founded in 1496
9. 'Flying Fox' .............. Vermeer's birthplace and father's inn (生家)
10 "View of Delft" by Fabritius The point from which Fabritius painted his "View of Delft" (デルフト眺望を描いたポイント)

こういった事柄も、図像解釈学(イコノロジー)の糧となるだろう。9. 'Flying Fox' は、生家であり、フェルメールが生涯デルフトで暮らした事実も記憶に蘇るだろうし、Mechele(メヘレン)から、特定される場所が、運河を挟んだ目と鼻の先という距離の感覚がつかむこともできる。部屋の中からカメラ・オブスキュラを使用できる距離かということに発展する。

しかし、その姿をそのまま描いたのだろうか。1654年の火薬庫の爆発で古い建物が崩壊し、その後に描かれた作品である。だが、その「小路」には「大火」の前の姿を残しているという。

かくて不幸にも不死鳥(画家ファブリツィウス)はほろびぬ
その栄光の頂きにて、彼はこの世を去りたり
されど幸いなるかな灰燼よりここにフェルメール生れ出で
そのあとはをば見事ひきつぎたり
 
                    by アルノルド・ボン 著 「デルフト年代記」

1654年の大火では、画家ファブリツィウスが亡くなっているが、第一次蘭英戦争を終結させたオランダは、デルフトに膨大な火薬を備えていた。「小路」をみると、その建築物にも「銃眼」がある。銃眼とは、その隙間から銃撃をするもので、階段のような屋根の「破風」に、細い切れ目のあるところである。

それが「自然的主題」「慣習的主題」「本質的意味・内容」という、図像解釈学(イコノロジー)の「主題・意味」を三つのヒエラルキーから、最終的に「本質的意味・内容」から把握し、作品の奥底にある歴史意識、精神、文化などを把握することをいうのだが、素人の僕などは、「絵画」そのものを鑑賞する力が不足しているわけで、その背景を知ることに関心が向きやすいが、描かれた対象や色彩など、目に見えるものという「自然的主題」に、好き嫌いが表れてしまう。そうなると、パノフスキーが提唱した「イコノロジー」の本質的意味を探すことで、若干の関心が生まれてくるわけだ。

しかし、未熟な僕は、戸外の風景を、わざわざ部屋で描いたんだ、とも。

さて、ノイエ・ランヘンダイク22-24-26番地の三軒の家やフォルデルスグラヒト19-20番地も「小路」の候補にあがっていた建造物である。「小路」のとなりの写真の方が、よっぽど似ているだろう、と思う僕である。

この「小路」に関しても、カメラ・オブスキュラを小部屋、あるいは窓から使われているということが検証されている。X線は、既存の建物の複数の要素を結合したという結果を出した。人物を含め、いくつか取除いた跡を見ることができるというが、比較的簡単なブラシストローク(刷毛や平筆の跡を支持面に思い切り振り残す技術: 「空の部分」がはっきりとわかる。)もみられる「小路」は、残った4人の人物が描かれている。右の入り口からみえる椅子にすわり刺繍をしている女性左の裏通りに続く路にいるのは使用人か、そして中央の窓下に、うしろむきに屈む誰かがいる。よくみると、ベンチの下で遊んでいる子供だ。

その子供達が遊んでいるベンチの上方には、木製の開き扉がある。友人KAFKAの記事「フェルメールのパレット」からすると、「アズライト」というカラーが使われているらしい。これは、土台を含む3つの上部の窓にも、「下塗り」として用いられているという。雲の部分には、レッドオーカーを用いているらしい。明るさの演出だろうか。

二棟が続く間には、狭い通り、細道、中庭が描かれ、その絵の一番左端の窓の下(ベンチ?)に、「i VMeer」と、フェルメールのサインがみえる。

「小路」が、切り取られた部分をクローズアップする作品であるが、その作品からも、小作品として切り取ることができる。特にサインがあるパーツが、さまざまなストーリーを生み出す効果的な場面の一コマであるようだ。

それは、このファサードの平易な列が、「見方を提示」しているのだ。
石細工中の割れ目までも目につくのだから。

好きではないフェルメール。だが、興味だけは尽きないものはある。

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登録日:2006年 09月 24日 17:15:05

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フェルメールのクローゼットには、トルコ風の衣装など、民族を強調する服飾が用意さ

date:2006年 09月 25日 00:36:37

フェルメールはお好き?

白状すると、「フェルメール」が嫌いである。 そんなことを言うと、なんだか「カミング・アウト」のような気持ちになる。それだけ、フェルメールのファンや研究者が多いからだ。 だが、日本人は決まって、多数の支持者を持つ芸術家には、なぜ好きなのかという問いに、「愚問でしょう」という簡単な言葉を投げかける。感覚の生理と心理は何処にあるのか。 「あなたをフェルメールにのめりこませたのはだれか、訊くまでもないわね?」 クラリスが、レクター博士の看護人バーニーに言った台詞である。 ハンニバル・レクターがバーニーに観ることを勧めたフェルメールの絵には様々な寓意がこめられている。それだけが、フェルメールの魅力ではないことを、すでに皆さんの方がご存知であろう。フェルメールブルーを生み出し、寡作であり技法を駆使した絵画。 だから、僕がフェルメールに関する絵のことは、ご存知のことが多いだろうし、参考程度にもならないし、見解も相違するだろうから、鵜呑みにしないでほしい。 読書の秋ということで、手にとったのが、Robert A. diCurcio著の「 VERMEER'S RIDDLE REVEALED」だ。イラストとテキストの2冊組みなのだが、なんとHPあったのでご紹介。 The HOME PAGE of  www.VermeersRiddleRevealed.com この「地理学者」を含めたフェルメールの全作品から、傾いた正方形内の円、さらに三角形を用い、複雑な幾何学模様に彼の構成を基づかせることができるということを、「VERMEER'S RIDDLE REVEALED」は解説している。プラトン(ギリシアの哲学者、紀元前427年―347)の三角形、A.DÜRER ,Underweysung der Messung (デューラーの「測定法教本」,1525 )など、幾何学的遠近法を取り上げているようだ。 17世紀初めのオランダでは、『透視図法』という著作物があるハンス・フレデンマン・デ・フリースは、目、遠近法、絵画面を一体のものと見るヴィアトールの理論を反復し、フェルメールもこの作図法に則して構成されているという。1628年にオランダに移住している、「我思う、ゆえに我あり」(コギト・エルゴ・スム)のデカルトの、等号,点,線,角度,そして幾つかの幾何学的な操作を意味する隠喩的遠近法の考えがある。 ちなみにフェルメールでは、職業賛美が寓意であるという「地理学者」のみ好きである。たぶん、事物の存在感を抑え、顔つきも「特有さ」が滲んでいないことであろうか。緻密さを強調しない作品だ。だが、地理学者が纏う東洋的(日本的ともいわれている)なシルクローブは、光の陰影や風合いだけではなく、襟元にあたるカラーの上薬による色彩効果である。ローブの境界は、バーミリオンと鉛白。そこに上薬の効果とイエローレイクを加えたことにより、200年後に発明される「カドミウムレッド」および「オレンジ」が、フェルメールの上薬と上塗りにより生み出されているからだ。 カラーの詳細は、KAFKA「フェルメールのパレット」を。 また、キャビネットに「Meer」、壁の「 I. Ver Meer MDCLXVIII」 の銘刻文字は、元のものではないと聞く。 壁にはWillem Janz の「all the Sea coasts of Europe」、 インド洋、中国および日本に達するために、オランダ人が取るルートを明らかにするために回る、キャビネットの上のホンディウスの地球儀は、「天文学者」の天球儀と対であるらしい。さらに「天文学者」と対作品(ペンダント)であると聞く。 テーブルには、子牛皮紙から成っている海図表や古書も目に付くが、地理学者が手にもつディバイダー(距離を測ったり、線を等分したりするが、コンパスによく似ている dividers だ。)が興味深い。 そして、このスクエアの箱だ。この時代の天文学といえば、天体や物標の高度、水平方向の角度を測るための道具として、「六分儀(Sextant)」なるものがあった。それが入っている箱だとすると、60度弧がはいる作りになるからして、少々ちがう気がする。それなら分解して収める、クロススタッフの箱だろうか。 太陽および星の仰角を測定するのにつかうヤコブの杖ことクロス・スタッフなどの精巧なプレゼンテーションが、同じ年にデルフトで生まれた有名な科学者アントニー・ヴァン・レーウェンフークとの彼の関係を関連付ける。クロス・スタッフってどこにあるんだ。もしかして、ここか? さ〜て、僕にとって好きな作品と興味をかきたてる作品とは別物だ。 フェルメールのなかで、もっとも興味を持てるのが「天文学者」である。

date:2006年 09月 24日 18:08:18

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ウェルドというハーブ・スパイスの植物。 染色に使われます。ご覧くださいな。フェ

date:2006年 09月 24日 17:44:16