2007年 02月
モーリス・ドニ 集団肖像画 「セザンヌ礼賛」
以前の記事で、オルセー美術館所蔵に、 フレデリック・バジールの「バジールのアトリエ、ラ・コンダミヌ通り」を紹介した。バジールと交流のある画家 アンリ・ファンタン=ラトゥールは、芸術家たちの集団肖像画を描いている。あのマネを囲んだり、ドラクロワ礼賛の作品だ。
このファンタン=ラトゥールの集団肖像画は、芸術家達を四つのグループにわけて作品化し、オルセー美術館展覧会での「バティニョールのアトリエ」は、スケッチを含めて2枚ある。
さて、モーリス・ドニも、マネに芸術的闘争心を抱いた、画家ポール・セザンヌを賛美した「セザンヌ礼賛」を描いている。この画像の作品である。ファンタン=ラトゥールは、威厳のある描き方だが、ドニの「セザンヌ礼賛」は、洗練されている。作風だけではなく、意図である。
セザンヌは長い間認められなかった。ドニは、その皮肉を込めたのか、セザンヌの作品ではなく、皆が左のルドンに注目している。だが、そのルドンも、なかなか「権威」からは認められなかったのだ。
ドニのこの作品には、比喩が込められているようだ。
囲む作品は、ゴーギャンからアンドレ・ジッドに所有がうつったもので、その絵を左側のオディロン・ルドン ①と、ルドンに集う若い芸術家たちが描かれている。
シルクハットの紳士の隣でイーゼルの後ろに立つのが画商アンブロワーズ・ヴォラール ②。作品のすぐ右横にポール・セリュジエ ③、静物画の右上がドニ ④。右から2番目にピエール・ボナール ⑤。そしてエドゥアール・ヴュイヤール ⑥。
他にはルドンの伝記を書いた作家のアンドレ・メルリオ ⑦、そしてケル=クサヴィエ・ルーセル ⑧がいるが、どの顔だかはわからない。シルクハットがどちらかと思われる。
そして一人の女性がいるが、ドニの妻のマルト ⑨。右のルドン→ヴュイヤール→メルリオ(シルクハット?)→ヴォラール→ドニ→セリジュ→ランソン→ルーセル→ボナール→マダム・ドニ となる。
この作品で、ルドンを賛美するナビ派の若い画家たちは、ゴーギャンの取り巻きもいたという。
それで、セザンヌ礼賛に描かれているセザンヌの作品は、1879~1882年に制作された「果物鉢と果物皿」(ニイ・カルルスベルク美術館所蔵)ではないかと思われるのだが。
追記:シルクハットは、メルリオ。
追記
さて、「囲む作品は、ゴーギャンからアンドレ・ジッドに所有がうつったもので---」のヌン中に、1890年にナビ派の一員となったポール・ランソン ⑩が抜けていた。全部で10人揃ったよね。それで、シルクハットの人物がメルリオか、文中で抜けていたランソンかどうかと迷っていましたが、はっきりしました。
セザンヌ礼賛に描かれているセザンヌの作品は、1879~1882年に制作された「果物鉢と果物皿」(ニイ・カルルスベルク美術館所蔵)ではないかと思われるのだが。
↓
追記
セザンヌ礼賛に描かれているセザンヌの作品は、1879~1882年に制作された「果物鉢と果物皿」(ニイ・カルルスベルク美術館所蔵)ではないかと思われるのだが。だが、ほかの作品らしい
追記の追記
ほかの作品でした。モーリス・ドニのデッサンで、セザンヌの「果物鉢のある静物」があった。ドニの1914年の作品。
ということは、この「セザンヌ礼賛」に描かれているのは、個人所蔵の「果物鉢のある静物」(画像サンキュ!)となる。背景の、この「壁紙」は、セザンヌの作品の何点かにも描かれている。
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登録日:2007年 02月 23日 00:53:59
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