コンピュータ時代 人は%きざみで笑う?

モナリザの微笑には83%の幸せ、9%の嫌悪感、6%の恐怖感、2%の怒り - フランス

【パリ/フランス 28日 AFP】レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)の名作「モナリザ(Mona Lisa)」の微笑みが、オランダ/アムステルダム大学(University of Amsterdam)が開発した「感情認識ソフト」を導入したコンピューターによって解析された。
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(c)AFP Jean

AFPBB News


 世界的な名画であるレオナルド・ダ・ビンチの「モナリザ」の神秘的な微笑みは、数世紀を経た現在でも、多くの人々を引きつけ、何かと話題にのぼる。最近でも、小説「ダ・ビンチ・コード」のヒットにより、多くの人々の興味をひいた。さて、そんなモナリザの微笑みをオランダのアムステルダム大学が米国イリノイ大学と共同で開発した「感情認識ソフト」で解析すると、その微笑には「83%の幸せ、9%の嫌悪感、6%の恐怖感、2%の怒りが含まれている」のだという。

~そのとき、あなたの感情は何パーセント?
 これはなかなか面白い試みだとは思う。しかし、人は自分で自分の感情をどのように意識しているだろう。 コメディ映画の爆笑シーンやホラー映画の殺戮シーンを見たときに、あなたの感情はどうなっているだろうか? 幸せ、面白さ、恐怖、怒りなどがバラバラに感じられるだろうか? 「カチカチカチ」とスカウターが働いて、6つの感情が数値的に表示されるだろうか? 当然、普通はそうではないはずだ。ほとんどの場合、瞬間ごとに漠然と面白い、楽しい、怖いという感情があなたを支配しているはずだ。


~何を判断しているのか
文字通り、感覚である感情を何%と判断することができるのだろうか? このソフトは「人間の気分を読み取る鍵となる唇の曲がる角度や目の周りの皺等を読み取り算定し、6つの基本的な感情へ数値結果を出す」のだそうだ。つまり、このソフトは2つの処理を行っていることになる。1つは唇や目の周りの状態を数値化すること、そして、もう1つはそれをどう判断するか? だ。この判断の部分が主に重要なわけだが、これは通常、「統計的データ」という奴から判断されることになる。


~コインは表か裏か?
統計というのは、なかなかにやっかいな相手だ。膨大なデータをとり、このような傾向があるという結果を算出している。シンプルな例で言えば、コインには表と裏があり、1/2の確率で表か裏が出るという奴だ。しかし、これは今、表が出たから、次は裏だというわけにはいかない。表が3階連続して出ることもある。統計的データは膨大なサンプリング(試行)をすれば、結果はその統計に近づくと言っているに過ぎない。次のトスで表が出るか、裏が出るか、確実に予言できるわけではない。つまり、その微笑みの感情の%を確定するのも不可能だ。

~数字のマジックとアート
つまり、分析ソフトで感情を分析すると言っても、%きざみに言われるともっともらく感じるが、その判断の根底にある統計的に言えば「だいたいこんな感じ」と言っているに過ぎないことになる。人は数値的に言われると、なんとなく納得してしまうが、その根底にある判断アルゴリズムは必ずしも的確ではないことが多い。とはいえ、そもそもモナリザのようなアートを数値的にあらわそうというのがヤボな話だ。そして、僕のようにそのヤボな話にからんで文句を言うのは、さらにヤボかも知れない。分析ソフトの実験台にまでされてしまうのが名画の悲しさか。

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登録日:2006年 02月 02日 20:57:24

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一条 真人
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■職業:作家&ITジャーナリスト
■著作: 「Androidスマートフォン「超」ビジネス活用術」(技術評論社)絶賛発売中。50冊ほどの著書を持つ。
■経歴:ソフト開発、パソコン雑誌「ハッカー」(日本文芸社)編集長を経てフリーに。「パッセンジャー」で作家デビュー。オーロラを見にアラスカに行ったりマラソンを走ったりエクストリームなことが大好き。iPhoneとXperia使用中。ツイッターユーザーIDは@ichijomasahito
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