ソニーのCELL生産設備売却は経営的にマル

ソニー、半導体製造設備を東芝に売却

【10月18日 AFP】ソニー(Sony)は18日、ゲーム機「プレイステーション3(PlayStation 3)」に使用する最先端半導体「セル」製造設備を東芝(Toshiba)に売却することを発表した。
≫続きを読む…
(c)AFP

AFPBB News


ソニーのPS3はそのCPUに超高性能なマルチコアプロセッサ「Cell」を搭載していること、ブルーレイドライブを搭載しているのが、その特徴だ。しかし、今回、このCellの半導体生産設備が東芝に売却されるという。これはPS3の今後にどう影響するのだろうか?

@PS3登場以前のCellの違和感
そもそもCELLは東芝、SCE、IBMが共同開発したマルチコアプロセッサだ。PS3の登場前、メーカーはやたらに複数のCELLを並列に動かしてスーパーコンピュータ並の計算能力をたたき出すことができるなどをアピールしていた。その話を聞いたときに、そんなもの単独で動くゲーム機の性能となんの関係あるのか?と思っていたが、PS3の登場が近づくにつれ、その話はあまり聞かれなくなった。まあ、当たり前のことである。

@PS3が売れなければ半導体製造はマイナス
さて、ソニーのプレイステーションはPS、PS2とベストセラーゲーム機だった。そのため、その中核であるCPUを自社で生産したいと考えるのはある程度、わからないでもない。大量に需要があることを前提にすれば、自社生産により、他社生産品を購入するより低コストになるからだ。しかし、大量なニーズがなければ、逆に製造設備の維持費や過剰な設備など、すべてが負担になる。

@状況判断から当然の行動
PS3の販売が不調であるソニーが他社に生産設備を売りたいと考えるのは自然なことだ。他社から購入したケースと自社生産のケースのコストを計算し、現状でどちらが有利かを計算すれば、自ずから結論は出る。必要なCPUは設備を売却した東芝から購入すればいいだけのことだ。これは経営的には健全な考え方で、状況判断力に優れていると言える。マイクロソフトにしてもXBOX360のCPUを自社生産しているわけではない。

@日本的経営の善し悪し
当然、この売却が経営を悪化させるわけではない。工場運営コストがかからないというコスト面に加え、心理的な負担も減るのではないかと思う。すべてを自分で作って利益を上げるというのはかつてのNECを思わせ、なんとなく日本的な経営という気がする。それよりは、リスクを減らし、状況に応じた戦略を実行したほうがベターである。今回の売却を悪く考える人もいるかも知れないが、個人的にはいい決断力のある企業だと思う。

カテゴリー[ 世界情勢 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2007年 11月 01日 18:38:59

コメントを追加

Trackback

この記事に対するトラックバックURL:

カレンダー
< 2007年 11月 >




1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
プロフィール
一条 真人
一条 真人
(男)
一条真人個人HP「showtime」
一条真人のYouTube動画チャンネル
一条真人の人生デジタルリマスター
■職業:作家&ITジャーナリスト
■著作:50冊ほどの著書を持つ。近著は次世代DVD技術を解説した「図解 Blu-ray HD DVDがわかる」(技術評論社)、DVDビデオ作成を説明した「かんたんパソコン生活 ビデオ編集&DVD作り」(技術評論社)など。
■経歴:ソフト開発、パソコン雑誌「ハッカー」(日本文芸社)編集長を経てフリーに。「パッセンジャー」で作家デビュー。
PC、ビデオカメラ、DVDHDDレコーダーなどデジタルAVに詳しく、AllAboutのDVDHDDレコーダーガイドでもある。
最近のコメント
[08/23] プラグインハイブリッドは誰のため ハイブリッド購入希望者
[08/20] プラグインハイブリッドは誰のため カーマニア
[07/31] iPhone登場でリアルに感じるユビキタスの時代 koolpaw
[06/12] 個人でできる地球温暖化対策は? M総合研究所
[03/26] インターネットコミュニケーションの革新? ネット接続方法模索中・・・
[05/07] 防水でなくとも魅力的 一条真人
[05/06] 防水でなくとも魅力的 中村曜子
[05/04] 防水でなくとも魅力的 一条真人
[04/29] 防水でなくとも魅力的 kisslegg
[03/01] よかった youko
最近のトラックバック
検索