中国のティベット簒奪(国泥棒)を許すな /演出家 横田安正 談

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新聞でTVの報道で繰り返される言葉に「ティベットの人権問題」というのがあるが不適切な表現だ。これは中国の国内問題ではない。国家が犯した泥棒行為─それも1つの国家を強盗行為(軍事力)で我が物にした、という前代未聞の非道な行為であるからだ。

ティベットは7世紀に統一王朝を成立させ国王ソンリェガンボの命で独特の表音文字が作られたという。14世紀からダライ・ラマが国父となったが18世紀に強大な清国に屈服し保護国となった。1912年に清朝が滅亡、ティベット人民軍は清国軍を追い払い完全独立を目指した。その後の中華民国の政権は独立国として存在していたティベットを中国の1部と主張、内戦に勝利した中国共産党もこれを踏襲した。1949年、圧倒的な軍事力でティベットに浸入した中国はあっという間に勢力をひろげ1950年には完全制圧を果たす。1956年からティベット人の反乱が起こり中国軍は残酷な弾圧でこれに応えた。1959年の大暴動で命の危険にさらされたダライ・ラマ14世は徒歩でインドに脱出、ダラムサラに亡命政権を樹立した。1965年この地は「ティベット自治区」として中国の1部になった。中国のティベットに対する執念は豊富な地下資源と水資源にある。地下資源としては硼素、クロム鉄鉱,銅、鉄鉱石、鉛、リチウム、ウラン、亜鉛があり、水源としては中国、南アジア、東南アジアの47%の河川はティベットに発しているといわれる。

ティベットは独自の言語と文化をもつ立派な独立国として認められるべきである。中国という巨大なリバイアサン国家の強欲むき出しの跋扈を許してはならない。かつて日本も朝鮮半島の併合という誤りを犯した。当時、腐敗した李王朝のもと疲弊しきった半島はソ連の南下の危険にさらされており、日本は併合にふみきらざるを得なかった、という見方もあるが他国の言語・文化・国土を簒奪するのは理由にかかわらず悪である。列強がしのぎをけずった帝国主義時代は第2次大戦で終焉したが、中国のティベット簒奪はそれから20年も経った20世紀半ばを過ぎてのことである。時代のノーム(規範)にまったく適合しない暴挙である。

西欧には中国の暴挙を止められなかったという心理的負い目からか、ティベット問題に関しては敏感で熱い想いをもつ人たちが大勢いる。それに引きかえ日本の指導的立場にある人たちの反応は「まるで他人事」である。TVのコメンテーターの面々も殆ど「無視」といった体たらくだ。情けないことである。

(P.S. 4月10日の朝、フジテレビの「とくダネ!」の司会者小倉智昭が私の知るかぎり初めて中国のティベット併合の不当性に言及した。日頃、ことなかれ主義が目立つ小倉だが、これは良かった。)
演出家 横田安正氏談(著書 ドキュメンタリ作家の仕事)

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登録日:2008年 04月 09日 09:53:37

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