航空自衛隊と共に破滅の道を歩む「民主主義国家ニッポン」

イラク特措法、2年延長へ - 東京

【東京 15日 AFP】衆院本会議は15日、航空自衛隊のイラク派遣を2009年7月まで延長するイラク復興支援特別措置法改正案を自民、公明両党の賛成多数で可決、参院に送付した。
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(c)AFP/AHMAD ABDEL RAZAK

AFPBB News


 今月20日、改正イラク特措法が参院本会議で自公による賛成多数で可決された。改正による期限は、2年後の2009年となり、政府はまず1年延長する方針で、7月に閣議決定する予定だ。

 「人道復興支援」「現地の平和と安定に寄与」・・・建前であれ、イラク特措法にはイラク復興が第一の目的としてあった。だが、現在の航空自衛隊の活動は、そうしたイラク特措法の趣旨にも反するものとなってきている。一言で言えば、その活動はずばり対米支援であり、米国にはイラクを安定化させる能力がなく、ただイラク市民の犠牲を増やしている、ということだ。そもそも、航空自衛隊はなぜイラクへ飛んでいるのか、法的根拠を充分に議論することなく、憲法に抵触するような問題を数の力で強引に押し切る政府与党のやり方は、もはや、民主主義国家のそれとは言いがたい

続き)
■9割が「多国籍軍支援」

 航空自衛隊の活動をめぐっては、以前から「米軍の物資や人員も輸送している」ことが、問題とされたが、実際にはそんなレベルではなかった。今年に入って国会での質疑応答では、昨年7月から今年3月までの空自輸送機の運行の平均で7~8割、今年1~3月に限れば、その9割が「多国籍軍支援」、つまり、米軍支援なのだ。これでは、「イラク復興支援」とは全く言い難い。しかも、以前本ブログで指摘したように、米軍の人員や物資を運搬することは、国際的な軍事の常識から言えば「戦闘参加」とみなされる。すわなち、日本国憲法で禁じられている「集団的自衛権の行使」にあたるのだ。


■米軍がバグダッドで続ける破壊活動

 100歩譲って、もし、安部首相らが言うように「米軍がイラクの平和と安定に貢献している」のならば、まだ救われよう。だが、現地から私の元へと届く報告は、そうした幻想も打ち砕く。友人でバグダッド在住のジャーナリスト、イサム・ラシード氏は、つい先日もシーア派民兵によって惨殺された青年の写真を送ってきた。
 「残念ながら、状況は悪くなる一方です。各宗教政党による内戦は今なお収まる気配がなく、民兵たちが街を支配し、人々を虐殺しています」。
 ラシード氏は憤る。「米軍には内戦を止める気があるようには見えません。それどころか、最近は以前にも増した凶暴さを一般市民に向けるようになっています。たとえば、街のある区画で爆弾やレジスタンスの戦士が発見されると、その区画の人々は全員、有無を言わさず拘束されます。また、少しでも爆弾を隠していそうな家は次から次に爆破し、例え爆弾などなくとも、損害を補償することもしません」。


■対米追従ですらない、対ブッシュ追従

 破綻した論理が、国会での議席数によって、押し切られてしまう要因の一つとして、やはりマスコミの追及の弱さがあげられるだろう。改正イラク特措法可決について、大手新聞各社の社説に目を通したが、読売はいつもの政府支持、毎日も歯切れ悪く、産経や日経にいたっては触れもしない。唯一の例外は朝日新聞で、「これはブッシュ政権支援法か」と本質を突いた批判をしている。そう、米共和党内ですらブッシュ政権への批判が高まっている今、日本政府の姿勢は対米追従ですらなく、対ブッシュ追従なのだ。そこには「ブッシュ後」見越したビジョンはない。ただ「小泉政権からの新ブッシュ姿勢を受け継いだ」という己の過ちを認めるのが嫌な安部首相の駄々っ子ぶりがあるだけである。


■破綻した論理への追及を怠るな

 「一事が万事」とはよく言ったものだ。空自派遣延長に限らず、「消えた年金」問題への対応にしても、参院選投票日の延期にしても、根底にあるのは、国会を軽視し、破綻した論理で、物事を強引に進めていく安部政権の姿勢だ。いずれも、自身の保身のためであり、民主主義への冒涜だろう。これはリーダーシップというよりも、権力の私物化であり、そのツケを払わされるのは国民なのだ。

 だが、安部政権の暴走(迷走?)には国民にも責任がある。結局のところ、政府与党が圧倒的な議席を持つのも、それは自公両党に投票した人がいるからである。一度、当選してしまえば、国会議員は次の選挙まで有権者の声を気にしなくてよいのが、議会制民主主義の欠点だが、今現在に関して言えば、ちょうど参院選が来月に控えている。安部暴走政権を再び勝たせたいのなら、それも良し。ただし、その場合、日本の民主主義が、「民主的」に崩壊していくことになるのだろう。

カテゴリー[ イラク・中東 ], コメント[4], トラックバック[2]
登録日:2007年 06月 30日 18:23:00

コメント

民衆は、無知で感情的な論理しか持たない。しかも先入観の塊。立場の高低を問わず、人間とは、先入観に支配される生物。他の国も日本よりはマシなだけ。

共産主義も資本主義も根底では同じ。「恐怖政治」か「快楽政治」独裁者の顔を国民に明らかにし粛清という恐怖で国民を支配し、独裁者の顔を隠し自由だ、民主主義だと国民の目を快楽情報でそらし続けながら支配する。仮想世界や見世物に人々の関心がゆく。それがこの世界の実情。 

yuu @ 2007年 07月 02日 23:58:54

一般的な庶民です。
新聞やネットから世界情勢や国政の動きにはアンテナを張っていますが
知れば知るほど【遠いこと】のように思えるのはどうしてでしょう・・・自戒。

昨夜のライブ・アースのイベント中に流されるショートフィルムの
メッセージは直接的で判りやすかったと思います。
地球温暖化防止と言う大きなプロジェクトを成すには
日常的に小さい、それでいて確かに変わらなければ本質を
繰り返し訴えていました。簡単なことほど痛みのようなものを
伴うのだと。本当の正義や平和を成すためには
戦争と同じくらい悲惨で痛みを伴うことなのかも。
騙され続けるより、間違いや嘘を正してハッキリさせてほしい。

近道がなくても、遠回りはしたくない。
真っ直ぐな道で【誰も傷つけない世界】へ!

とと @ 2007年 07月 08日 21:29:18

>知れば知るほど【遠いこと】のように思えるのはどうしてでしょう。

無関係は、無に等しい。その証拠に水の価値が日本ではまるで分からない。見るだけで理解した気になるのが問題。
見た世界は、全て自分的になる。

新聞やニュースは、ただの事実(本当だと仮定しても)。そこに何かの考えがつけば、それは、その記者等の感想で、それが正しい保障はまるでない。それだけでも理解しておくべき。
政治家の発言は、必ず膨張される。

>本当の正義や平和を成すためには戦争と同じくらい悲惨で痛みを伴うことなのかも。

人は、善から遠い。善とは、何か知りたければ「パパラギ」を読めば、多少は分かる。

yuu @ 2007年 07月 10日 20:29:46

日本操縦者御用達、「双頭の豚」と霞ヶ関で謳われる、守屋防衛事務次官がご執心のF22戦闘機は、最新鋭だけあって、情報収集目的の電子機器の塊なので、沖縄の嘉手納短期配備と時期を同じくして、バクダッドにも持って行った所、周辺の米軍電子機器とハウリングを起こしたか何かで、使えないと判明し、電子機器部を強化するんだそうですよ。ま、そんな超高性能スパイ機が、何で専守防衛の日本に配備「して欲しい」話になるんだか?バラド空軍基地のV字滑走路と同じで、押し付けられてんじゃないの?って事なんですが。

田仁 @ 2007年 07月 12日 14:04:05

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プロフィール
志葉 玲(シバレイ)
志葉 玲(シバレイ)
(男)
HP:志葉玲Official Web Site
■1975年生まれ。番組制作会社を経て2002年からフリーに。イラク、レバノンなどの紛争地での現地取材の他、地球温暖化などの環境問題、共謀罪など国内政治まで幅広く取材している。

■志葉関係の本が相次いで出版されました!二冊とも、御一読いただければ幸いです。

『川田龍平 いのちを語る』 (川田龍平 著 志葉玲 写真/明石書店)

『たたかう!ジャーナリスト宣言 ボクの観た本当の戦争』(志葉玲 著・写真/社会批評社)
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