最も足らないのは“人的資源”~枯渇する石油、日本の対応は?
G20が閉幕、原油高で「新しいエネルギーの開発」の必要性を強調
【11月19日 AFP】南アフリカ・クレインモンド(Kleinmond)で17、18日の両日開かれた20か国財務相・中央銀行総裁会議(G20)は、原油高の影響で世界経済の先行きは不透明と指摘し、「新しいエネルギーを模索する必要性」を強調した声明を採択して閉幕した。
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(c)AFP/Mariette le Roux
このところ、ニュースで「原油高」という言葉を必ずと言ってもいい程、見聞きする。緊迫が続く中東情勢や、中国やインドなどでの原油需要の増大、サブプライムローンの焦げ付きで、投機マネーが原油に向けられている等が原油価格の高騰につながっているとされるが、問題はそれだけではない。石油そのものの枯渇が近づいていることが、原油高の背景にある。より正確に言うならば、石油生産がピークを越え減少に転じ、需要と供給のバランスが崩れるということが、近い将来起きるだろうとされているのだ。いわゆる「ピークオイル」である。
続き)
■ピークオイルはいつ来るか?
ピークオイルはいつ来るのか。世界の石油埋蔵量の推計によっても違うが、国際エネルギー機関(IEA)は2030年代としている。一方、英地質学者コリン・キャンベル氏らは「既に世界50カ国で、石油の生産量が減少し始めており、2010年には、世界の原油生産はピークに達する」と主張する。いずれにしても、石油は有限であり、現在の石油に依存した経済・社会は遅かれ早かれ成り立たなくなるのである。
■天然ガスも原子力も枯渇する
では、現在、我々が使っている他のエネルギーはどうだろうか。天然ガスはあと50年程で枯渇すると言うし、日本政府がエネルギー政策の根幹としている原子力も、肝心なウランがあと60年しか持たない。しかも、メルトダウンなどの大事故が起きれば、国家が滅亡しかねない。石炭はというと、200年程は採掘できるようだが、地球温暖化防止という観点では、石油や天然ガスに比べてもCO2排出量の多い石炭主体の経済への移行は、正に自殺行為だ。
■日本は自然エネルギー大国
ともなると、「エネルギー危機は避けられない!」と悲観的になりがちだが、絶望するのはまだ早い。風力や、太陽光、地熱や水力(小中規模)等の自然エネルギーのポテンシャルは、現在の世界のエネルギー消費量の約20倍、という説もある。しかも、枯渇することなく、半永久的に使えるのだ(だから、自然エネルギーは「再生可能エネルギー」とも言う)。さらに日本にとって好都合なのは、これらのエネルギーが活用しやすい国土であるということ。豊富にある水を使い、小規模水力発電を各地に造れば、それだけで大型原発10基分に相当すると言われている。また、火山国でもあるゆえ、地熱発電も大きな可能性を秘めている。そして、四方を海に囲まれているので、メガフロートを使った洋上風力発電を行える。石油などの地下資源に限れば、「日本には資源がない」といえるが、自然エネルギーに関していえば、「資源大国」だといえるのだ。
■最も足りない資源は“人的資源”
これだけのポテンシャルを持ちながら、日本政府や電力会社は原発という巨大な利権にしがみつき、自然エネルギーの活用には後ろ向きだ。2010年までの電力分野での自然エネルギー導入目標値は、たったの1.35%である。これはカナダ(20%)、EU(22%)に比べ、極端に低い。こうした状況を観ていると、日本が最も欠いている資源は、有能でビジョンを持ったリーダー達、つまり人的資源(Human Resources)なのではないか、と思えてくる。だからこそ、私達一人一人の国民が政府や電力会社任せにせず、日本のエネルギーの今後について考えてみる必要があるだろう。原油高による、様々な値上げで懐は痛むし、腹立たしいのだが、これを逆手にとって、「自然エネルギー大国」への世論を高めていくべきなのではないだろうか。
コメント[3], トラックバック[0]
登録日:2007年 11月 30日 22:50:52
コメント
そうですよね、石油生産の『成長の限界』を超えるためには人的資源が成熟していくしかない、ですよね。
拙ブログ『ん! -ピークオイル時代を語ろう-』へもお出で下さい。
SGW @ 2007年 12月 03日 16:30:55
石油というものは単なるエネルギー源だけではなく、様々な製品に姿を変えて私たちの生活に浸透しています。
原油が枯渇するということは、まさに「資源」が枯渇するということでもあり、単純に代替エネルギーだけで語ることはできないものでしょう。
この「資源」の枯渇が現実のものとなった時、はたして我が国は耐えられるのでしょうか?
そしてその時は本当にほんの60数年後にやってくるのでしょうか。
幕の内弁太郎 @ 2008年 01月 09日 21:08:34
ツイに、中東で原油価格の上昇を食料価格が追い抜いたニュースが流れ。
日本も、放棄した農耕地を見直さないと、何だかヤバそうですよ?
どうも自民は「下放政策」に流れそうで怖いけど。
田仁 @ 2008年 03月 02日 16:09:29
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- 志葉 玲(シバレイ)
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- HP:志葉玲Official Web Site
- ■1975年生まれ。番組制作会社を経て2002年からフリーに。イラク、レバノンなどの紛争地での現地取材の他、地球温暖化などの環境問題、共謀罪など国内政治まで幅広く取材している。
■志葉関係の本が相次いで出版されました!二冊とも、御一読いただければ幸いです。
『川田龍平 いのちを語る』 (川田龍平 著 志葉玲 写真/明石書店)
『たたかう!ジャーナリスト宣言 ボクの観た本当の戦争』(志葉玲 著・写真/社会批評社)
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