ジャパンマネーで「虐殺支援」!?サマワでも治安機関が「住民を拘束・殺害」との報告

サマワの橋が完成 自衛隊が建設支援 - イラク

【サマワ/イラク 18日 AFP】自衛隊の発表によると、バグダッド南方250キロメートルのサマワで自衛隊が建設を支援していた橋が18日完成し、開通した。橋はサマワの2つの村落を結ぶもので、この他に自衛隊は同地区で7キロにわたる新しい道路の舗装も行った。写真は開通した橋で警備に当たる自衛隊員。(c)AFP/AHMAD ABDEL RAZAK

AFPBB News


 先日、サマワ在住の情報提供者からメールが送られてきた。しばらく連絡がなかったので心配していたのだが、どうやら大変な目にあっていたようだ。バグダッドやラマディ等、イラク中部・西部ほど酷くないとは言え、少なくとも現地住民にとっては、サマワもけして「安全」だとは言えないようである。しかも、その混乱の原因に日本が関与している疑いもあるのだ。

続き)
■拘束され殺害されるサマワ住民

 「やあ、兄弟。元気かい?この間、連絡が取れなくてすまなかった。今のサマワの状況は最悪だよ。バドル団の連中が街を牛耳っていて、理由もなく人々を拘束して殺しているんだ。私も連中に捕まって、危うく殺されるところだった・・・」。

 彼の身の安全のために仮にアリと呼ぶことにしよう。アリは私に協力する情報提供者の一人で、サマワ在住のイラク人だ。アリから23日付けで届いたメールには、これまでにない厳しい状況が報告されていた。アリの言うバドル団とは、シーア派有力政党「イラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)」下の民兵組織で、泣く子も黙る「殺人集団」だ。「治安維持」の名目で次々に人々を拘束、激しい拷問の後、殺害しており宗派間対立を煽っている。
*バドル団についてはこちら↓を参照。
http://homepage2.nifty.com/rei-ngo-report/fridai051021.htm

 アリ曰く、サマワのイラク警察・軍はバドル団のメンバーで占められており、この間の宗派間対立はサマワ情勢にも悪影響を与えているとのこと。スンニ派とシーア派の間での「宣戦布告」はまだないが、いつそのような状態になってもおかしくないのだという。
 

■ジャパンマネーで「虐殺支援」?

 アリの言うように、もし本当にイラク警察がサマワで人権問題を起こしているのならば、日本にとっても大問題だろう。外務省は「対イラク支援」として、400万ドルをかけサマワのあるムサンナ州の警察訓練プログラムを実施中なのである。つまり、為替相場によるが約4億5000~7000万円もの税金を投じて現地警察を訓練した結果が「毎日のように誰かがイラク警察に殺され道端に捨てられている」(アリ談)なのだから。

 一歩譲って仮にアリの報告が誇張だとしても、イラク内務省下の治安部隊がスンニ派虐殺に加わっていたのは、治安部隊を組織し鍛え上げた米軍ですら認めていることである。それを知りながら外務省がイラク内務省の「治安維持」への援助を続けているのであれば、それはもはや「人道支援」ではなく「虐殺支援」だ。ムサンナ州での警察訓練の他にも、外務省はイラク内務省に対し、警察用車両(バス、オートバイ、防弾車を含む)供与のために計5400万ドルを投じているのである。


■外務省に聞いてみた

 外務省はあまりに無知なのか、それともあまりに無神経なだけなのか。早速、外務省中東第二課に電話して聞いてみた。

シバレイ:「内務省下の治安部隊が特にスンニ派住民を拷問したり、殺害したりしていたことはご存知なのでしょうか?」

中東第二課:「そういう報道があったことは存じています」

シバレイ:「内務省の問題はご存知なのですよね?日本の国民の税金がイラクの人々を拷問したり、殺したりすることに使われるのは遺憾だとかイラク政府のほうに伝えたりはしないのですか?」

中東第二課:「もちろん、そのようなことはあってはいけないことだと思いますし、今後、新政権が発足したら国民融和への働きかけをしたいと思います」

シバレイ:「今後?今までは人権問題での協議はしなかったのですか???」

中東第二課:「ご指摘の件についてはイラク政府の方で調査中ですから、その結果を待ちたいと思います」

シバレイ:「内務省の問題は限りなく黒に近いグレーかと思うのですけども。中立的な立場をとるのであれば、せめて真相が明らかになるまで、内務省向けのプロジェクトを一時停止するべきなのではないでしょうか。ムサンナ州での警察訓練プロジェクトも継続されているのですよね?」

中東第二課:「個別の案件については…」

シバレイ:「内務省への援助を行うこと自体について、外務省さんのご意見を聞いているわけです。問題があるかもしれないけど、とりあえず援助は続けるというのが、外務省さんのスタンスだと考えていいのですね?」

中東第二課:「今のところ、内務省への援助を停止するというような話はありません」


■人権に恐ろしく鈍感な「人道復興支援」

 電話を置いて思わずため息をついた。外務省の見解は予想通り。「人道復興支援」を銘打ちながら、本来最優先されるべき、現地の人々の人権には恐ろしく鈍感である。そんな無神経で無責任な「支援」など、暴力以外何ものでもない。一事が万事。「サマワは安全だ」とやらおっしゃるお偉方達も、そのオウム返しするマヌケなメディア関係者達も、サマワの「安全」の裏に何があるかは知ったことではないのだろう。

カテゴリー[ イラク・中東 ], コメント[11], トラックバック[0]
登録日:2006年 04月 24日 17:27:26

コメント

>>ジャパンマネーで「虐殺支援」!?
の下のAFPニュースが
>>サマワの橋が完成 自衛隊が建設支援 - イラク
これなのはなかなか笑えますね
こういうことには触れないのかな、シバさんは

中国でも日本のODAが軍事費に使われてますが、なにか? @ 2006年 04月 25日 14:59:34

我々を殺すのは韓国軍で、自衛隊は一発も発砲していませんが、なにか?

イラク人 @ 2006年 04月 26日 14:49:51

私が家計が苦しい中で払った税金がこのようなことに使われてしまっているのはとても不本意です。次回の選挙ではこんなことをする人や政党には私は絶対に投票しません!
自分が払った税金がどのように使われているのかすべて確認するのはとても大変なことですが、人任せにしないで、ちゃんと適正に使われているかどうか知る義務があるのだと思いました。
人道支援ということばの響きは良いのですが、実際に相手に喜ばれ役に立つ支援をするには、政府はその土地で長年活動をしてきたNPOの意見を良く聞き、協力してやっていく必要があると思います。それでこそ私たちのお金も有効に活用されることでしょう。
今の状態で私たちの税金が有効に使われているとはとても思えません。

はな @ 2006年 04月 27日 13:18:32

>次回の選挙ではこんなことをする人や政党には私は絶対に投票しません!

なら共産か社民に投票しなさい
あ、でも共産主義は税金100%だったね
お粗末さんでした

なは @ 2006年 04月 27日 14:57:53

コメント欄が少し荒れ気味ですね。ルールを守っての書き込みをよろしくお願い致します。
http://www.actiblog.com/shiba/2715#extend

シバレイ @ 2006年 04月 27日 15:17:44

虐殺はシーア派もスンニ派の武装勢力のどちらもといえるが、
”スンニ派一方の情報提供”からでは、一概に判断できないと
思える。スンニ派武装勢力がサマラ(シーア派)のモスク聖廟を爆破したことは報道されている。一方でシーア派も報復でスンニ派のモスクを爆破。
その報復の報復だろな。

page @ 2006年 04月 28日 11:40:36

page さん:
>”スンニ派一方の情報提供”からでは、一概に判断できないと
思える。

 サマワの件に関して言えば、私もそう思います。現時点では、情報提供者からの情報だけで、外務省や小泉政権を批難することはできませんね。

 ただし、内務省へのODA供与は明らかに問題があるでしょう。スンニ派虐待問題に関し、イラク移行政権は未だに十分な調査をしていないので、せめてその調査結果が明らかになり真相究明が進むまでは、内務省へのODA供与をストップさせるべきかと思います。

シバレイ @ 2006年 04月 28日 12:35:17

イラク治安警察も何度もスンニ武装勢力に襲撃されています。
一般人か武装組織の人間かはとうてい区別がつきません。
ですから、見せしめもあるのでしょう。

ところで、暫定政府へのODA供与は、日本だけではありませんが、暫定政府がフランスを始め13ヶ国への援助を呼びかけ
ていましたが。国連機関等、資金援助をしても、援助を受けた
国が何に使おうとも”内政干渉”に当たるため、直接手出しが
出来ないと聞いた事があります。ですから、中国では、日本からのODAが空港建設や人民兵の軍事に使われたのも事実ですよ。

page @ 2006年 04月 28日 17:23:59

ODA等の資金援助は、「つかみ金」ではないはずです。

それに、日本の場合、無償援助よりも借款がほとんどで、
貸し付けたお金による公共事業は、日本のゼネコンや商社が請け負うことで
還流し、ゼネコンからは政治家に巨額の献金がなされます。
いわば税金の利権をめぐって、
日本の政治家・官僚・財界・途上国の政治家がつるんでいるわけです。
国内の地方の公共事業と同じ構図です。

1960年代以降、
日本が韓国やインドネシア、中国などに戦後補償をしないで
巨額の円借款を行い、国交を回復していったのは
それが日本の大企業にとって最も利益になるからだ、
と、当時の外務官僚があけすけに語っています。

一日本国民 @ 2006年 04月 28日 20:02:51

じゃあODA全部やめないといけないね
ODA受けるような発展途上国は大抵、人権弾圧やら虐殺やってるからあなたの理屈だと間接的にそれらを支援してる事に
なるからODAは全部打ち切ろうか

賛成してくれるよね?

ぽんた @ 2006年 05月 05日 00:27:37

アメリカ、日本を批判する人間は
韓国のベトナム人虐殺、竹島日本人3000人拉致&抹殺
中国のチベット虐殺、東トルキスタン虐殺、内モンゴル虐殺、西・南沙諸島武力侵攻、印度国境進行
を批判することってないですよね。

としあき @ 2006年 05月 05日 17:47:02

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プロフィール
志葉 玲(シバレイ)
志葉 玲(シバレイ)
(男)
HP:志葉玲Official Web Site
■1975年生まれ。番組制作会社を経て2002年からフリーに。イラク、レバノンなどの紛争地での現地取材の他、地球温暖化などの環境問題、共謀罪など国内政治まで幅広く取材している。

■志葉関係の本が相次いで出版されました!二冊とも、御一読いただければ幸いです。

『川田龍平 いのちを語る』 (川田龍平 著 志葉玲 写真/明石書店)

『たたかう!ジャーナリスト宣言 ボクの観た本当の戦争』(志葉玲 著・写真/社会批評社)
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