ザルカウィは米軍の情報戦の産物か?利用される「アルカイダ幹部」 その1
【ラマディ/イラク 6日 AFP】医療関係者は、バグダッドから西へ100キロのラマディ(Ramadi)で3日、米軍による民家への空爆があり、少なくとも13人が死亡したと伝えた。これに反し米軍側は、地上戦で8人の反政府武装勢力を殺害したとしている。写真はラマディ(Ramadi)で4日、米軍によって破壊された建物の瓦礫の上を歩く少年。(c)AFP/AZHER AHMAD

画像:ザルカウィを名乗る男の声明ビデオより
「ザルカウィってのは足のはえた大量破壊兵器。要は米軍が好き勝手に軍事作戦を行う口実なのさ」…というのは、04年夏、イラク最激戦区ファルージャでの取材時に何度も耳にしたセリフだ。アルカイダ幹部でイラクでの様々なテロの黒幕とされる“スーパーテロリスト”アブムサブ・ザルカウィだが、現地では実在するかどうかも疑問視する声は多い。そして、先月25日に公開された「ザルカウィの声明ビデオ」の中でイラク西部の都市ラマディの名が出るのと前後して、同市は米軍による激しい攻撃にさらされたのであった。
続き)
■ラマディの友人の訴え
25日に公開されたがビデオの中で、ザルカウィを名乗る男が部下からラマディの情勢の報告を受けるシーンがあった。これを観てラマディの住民達は慌てたに違いない。何故なら、「ザルカウィ掃討」を名目にこれまでカイムやハディーサなどイラク西部の都市は米軍による激しい攻撃を受け、ファルージャにいたっては街の90%以上が破壊されるという壊滅的な被害を被ったからだ。私も嫌な予感がしたのだが、ラマディ出身の友人KからSOSメールが送られてきた。その一部を引用しよう。
「僕は今家族といるよ。家族と友人の多くはまだ大丈夫だけど、状況は本当にひどいんだ…僕の家の前で米軍の戦車が燃え上がっている。とても激しい戦闘があったんだ。僕の家も穴だらけになってしまった…」
「4月29日。米軍への抵抗はますます激しくなり毎日のように戦闘がある。理由はハッキリしているよ。米軍に殺された市民の数は増える一方だからね。先週は米軍のスナイパーによって二人の子どもが殺された。一人は母親と一緒に病院にいくところだった。病院のそばに陣取ったスナイパーはまだ7歳だった女の子を狙撃したんだ。もう一人は8歳の男の子で、家の前で友達と遊んでいるところを撃たれてしまった…(中略)…今日、米軍は住民達に『4時間以内に退避しろ。さもなくば戦車で攻撃を加える』と警告した。今、僕の家の周りには米軍のスナイパー達がいて、僕の親父も狙撃されたんだ。弾はそれて彼の車のガラスを割っただけだったけど…(中略)…僕の家族も逃げたいと思っているけど、逃げるところなんかありゃしない」
「4月30日…先週から米軍はラマディの公共施設を攻撃している。米軍の爆撃で電話局は完全に破壊されてしまったし、ラマディ南部の発電所も壊され、僕たちの地域には電気が来なくなってしまった。電気が止まったせいか、水道も止まり飲み水すら不足している…(中略)…道路もあちこち封鎖されているよ。米軍は小さな石を置く以外に何も印なり警告なりをしてないから、もう100人くらいの住民が米軍に撃ち殺されているんだ…」
Kからのメールは悲痛な訴えによって締めくくられていた。
「君たちの助けが必要だ。僕の町を壊すのをやめさせてくれ。在イラク米国大使館* に僕の町の人々にひどいことをするのを止めるようにメッセージを送ってくれ…僕の町の人々は死に向かっているんだ…」
* 在イラク米国大使館のメールアドレス
Baghdadpressoffice@state.gov
■イラク人からも嫌われるザルカウィ
ザルカウィはこれまで何度もイラク中部や西部などでの軍事作戦の口実とされてきた。今回のラマディへの米軍の攻撃に関しても「ザルカウィの声明ビデオが原因」と考える現地住民は少なくないようだし*、米軍もラマディをザルカウィの潜伏場所の一つと考えている。
*ラマディに米軍空襲、「ザルカウィのビデオ」報道のあと
http://www.freeml.com/message/organizer-news@freeml.com/0001217
ただ、ラマディを含むアンバル州では、ザルカウィはその残忍な手法から人々に嫌われているため、相当に居づらいはずである。一昨年4月の人質事件以降も現地への支援活動を続ける高遠菜穂子さん曰く、「家族を米軍に殺されるなどして、ザルカウィ支持者になる人もいるようだけど、現地武装勢力もザルカウィ派を取り締まっている」とのこと。実際、欧米メディアの報道を見ていても、現地の武装勢力がザルカウィ一派を追放すべく戦ったりしている。また、住民達がザルカウィ一派の居場所を米軍に伝え引き渡すこともあるようである。これらのことから観て、現地住民に被害を出さず穏便にザルカウィを仕留めるならば、むしろ米軍が手を出すより、現地武装勢力にやらせれば良いのでは?と思ったりもする。もし米軍の目的が本当に「ザルカウィを倒すこと」であればの話だが。
米軍の標的は果たしてザルカウィなのか?既に少し長くなったのだが、次回のエントリではそもそもザルカウィとは何なのかと考えてみたい。
カテゴリー[ イラク・中東 ], コメント[4], トラックバック[0]
登録日:2006年 05月 08日 01:24:59
コメント
以前に見つけた暗いニュースリンク(リンク転載フリー)でザルカウイ(イラクで武装勢力によく出てくるアルカイダ武装勢力のリーダ)に関して米軍による心理作戦であるというワ
シントンポスト紙のスクープを載せていた話です。
以下は一年半くらい前に私のホームページ 水・葉・日(最近更新していない)に載せ
たファルーじゃ市民のアナン事務総長にあてた書簡です。ザルカウイはいないとありま
す。
この件ではある新聞の方と随分と話してその後イラクの武装勢力に関して詳しい特集が
載ったことがあります。イラクがどのような市民社会を形成しているのかは人質事件の
後の報告会などしかじかには知らないですが、私はザルカウイがアメリカのプロパガン
ダの可能性が高いと
思ったときに実にニュースのタイミングが良いことに気がつきました。
http://homepage2.nifty.com/seatingsystem/sakusaku/1_2.htm
ポスト紙スクープ:『ザルカウィの脅威』は米軍のプロパガンダ
「占領中のアメリカ軍のこのやり方は、小さいながら一つの謀略である。事故が起きた
。真相を蔽うために工作する。この方法は、事件を起こす、その真実を隠蔽するために
工作をする、という他の事件の手法にも通じないだろうか。」
---松本清張 『日本の黒い霧(上)』「もく星」号遭難事件より---
イラク情勢とザルカウィの行方について、米軍広報部とアルカイダ広報部ではどちらを
信頼すべきか?・・・ワシントンポスト紙のスクープから判断すると、アルカイダのほ
うが正直ということになる。
ワシントンポスト紙2006年4月10日付記事によると、イラクで大活躍する『スーパーテ
ロリスト』ザルカウィに関する脅威情報の一部は、イラクに流入する外国人武装勢力ザルカウィはヨルダン人)とイラク国内武装勢力の対立を煽り、イラクの政情不安とアルカイダを関連づけるために、米軍によって仕組まれた心理作戦であるという。
また、米心理作戦部隊は、サダム・フセイン体制時代の残虐行為の非道性をアピールす
るために、米軍内部で作成されたビデオを広範にイラク国内で流通させており、その映
像は米フォックスニュースの報道にも転用されているとのこと。
ワシントンポスト紙は、このスクープを米軍の公式文書と軍内部の取材によって得た情
報としている。
作戦担当者達はこの心理作戦が上々の成果を挙げていると密かに自慢していて、その実
例としてイラク国内武装勢力がザルカウィ支持派を攻撃している事例を挙げている。(
つまり、結果として米軍はイラク国内の内戦を心理作戦によって煽っていることになる
。)
続きを読む... "ポスト紙スクープ:『ザルカウィの脅威』は米軍のプロパガンダ"
何のためにアメリカはイラクで戦闘を続けているのでしょうか?
この問いに答えている話も載っていました。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
そうじゃないんだよ。暢気な皆さん。合衆国内で1ガロン3ドルとなれば(英国では1リ
ットル1ポンド)石油産業にとてつもない利益が転がり込んで、ディック(副大統領)
の心臓は嬉しさのあまりドキドキだ。『イラク自由作戦』開始以前の2002年当時、油に
浸かった5大石油企業の総利益額は340億ドル(約3兆9,941億5,000万円)であった。そ
れが2005年度には1,130億ドル(約13兆2,746億7,500万円) という利益を叩き出した。
すなわち、大手石油企業には良い戦争だったのだ。
ブッシュの計画に沿って、バフル・アル・ウルム氏はイラク占領当局の石油相に任命さ
れた。占領されたイラクは「OPECとの関係を強化し」、安穏なクリントンの時代に比較
して、ブッシュの戦時下では石油価格は317%上昇した。
言い換えると、侵攻3周年記念を迎えて我々に言えるのは、攻撃と占領は、まさしく『
任務完了』だったのだ。しかしながら、それはアメリカのための任務ではなく、まして
やイラクのためのものでもなかった。OPECと大手石油企業のための『任務は完了』なの
である。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
ザルカウイは心理作戦 @ 2006年 05月 08日 10:41:12
ザルカウィが居ようが居まいが、イラク人が本気で米軍追い出せば良いのでは?投票行かない、仕事しない(ゼネスト)、石油止めれば数ヶ月で出て行くでしょう。豊かな国なんだから数ヶ月頑張れば?そんな動きも聞かないので、要するにアメリカの威を借りてなにかしようというイラク人が多数派ということでしょう。基地撤去叫んでもちょっと助成の蛇口閉められようとしただけで屈服した琉球人と似ている。現地の人間が死に物狂いにならないで、「外部の人は関与するな」では問題は結局、権力者・侵略者の御心次第でしょう。ザルカウィなんて関係無い、イラク人が本気でアメリカ追い出す気にならない限り問題は解決しないと思う。
リベラル @ 2006年 05月 15日 17:47:30
リベラルさん
本気で追い出そうとしている人たちがいてもそれができないのが現実でしょう。イラクレジスタンス、アルジャジーラ(ライブドア経由)その他情報を手に入れるしかできる方法はないので
真相は解からないでしょう。ファルージャを攻撃した時はハリウッドの有名俳優が主人公になって映画の話が出ていましたが、実現はしなかったようです。飴と鞭による支配も沖縄の現実もあるでしょう。イラク人が今どうなっているのか想像を超えていると思います。いてもいなくてもザルカウイ、アルカイダ、911と疑ってかかるべきでしょう。
ザルカウイは心理作戦 @ 2006年 05月 18日 05:05:44
イラクの人々に真の平和を!!!
そしてネオコンに地獄を!!!
金の亡者イスラエルバスターを日本から排除
我々日本人としてのプライドを!!
ユダヤに制裁を!!!
快方善戦 @ 2006年 06月 02日 10:54:49
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- 志葉 玲(シバレイ)
- (男)
- HP:志葉玲Official Web Site
- ■1975年生まれ。番組制作会社を経て2002年からフリーに。イラク、レバノンなどの紛争地での現地取材の他、地球温暖化などの環境問題、共謀罪など国内政治まで幅広く取材している。
■志葉関係の本が相次いで出版されました!二冊とも、御一読いただければ幸いです。
『川田龍平 いのちを語る』 (川田龍平 著 志葉玲 写真/明石書店)
『たたかう!ジャーナリスト宣言 ボクの観た本当の戦争』(志葉玲 著・写真/社会批評社)
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