■水の船 風の船

Fundacion Pedro Barrie de la Mazaでベラルド・コレクション展開催 - スペイン

【コルーニャ/スペイン 7日 AFP】Fundacion Pedro Barrie de la Mazaで6月29日から11月26日までポルトガルのシントラ近代美術館(Sintra Museum of Modern Art)所蔵のベラルド・コレクション(Berardo Collection)の展示会が行われる。写真は6日に撮影されたマドリード出身のアーティスト、フアン・ムニョス(Juan Munoz)の彫刻「After Degas II」。(c)AFP/Miguel Riopa

AFPBB News


風景がコンクリートの色に染まったとき
佳子は水の中に足をつけていた

ザラザラとした感触を足の裏が感じとった

胸あたりまでの深さになると
佳子は潜ってみた

初めは目をつむってみた

真っ黒な世界

もう一度 潜ってみた

少しづつ目を開けてみた

息を少しづつ吐きながら
あたりを見回してみた

薄緑色の水の色

なんにもない

そんなに深いところじゃなかったのに

いつのまにか
つかまるところもない
なんにもない 水の中で
佳子は浮いていたのだ

息は苦しくない
広くて深い水の中なのに

怖いとか
寂しいとか
思わなかった

楽しいとか
嬉しいとか
そんな気持ちも なかった

水の中では頭が麻痺するのかもしれない
無感覚といった方が正しいのでないか

ポカリと浮かんだままの佳子は
泳いでみた

水の色が明るくなる方へと
泳いでいった

水の深さは 胸あたりまでになり
足の裏にピリピリとする感触

身体が重く感じたとき
佳子は地上へと
戻っていた

水の中では無感覚だったのに
寒いとか
怖いとか
どうしてこんな格好をしているのか
私はなぜ ここにひとりで 立っているのか

色んな思いが襲ってきて

佳子はその場で倒れてしまった






夏の暑い日差しで熱くなったコンクリートの上で
佳子は目を覚ました

ゆっくりと身体を起こした

日よけ傘を持った婦人が
デパートの紙袋を何個も持っている

恋人同士が腕を絡み合わせ
横断歩道を渡っている

白いワンピースを着た小さな子どもが
母親の耳元で何かナイショ話をしている


佳子。  と呼ぶ声がする

『はい あなたがほしがってた風船』

『これ...前から欲しかったの!』

銀色の何か絵が書いてある楕円形の風船

夏の日差しに 銀色の風船は時折 反射しながら
フワフワと浮かんでいた

ひとりじゃない。

風船をしっかり握りしめ

家へと向かった



 

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登録日:2006年 07月 31日 23:33:14

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プロフィール
月見里 薫 (Yamanashi kaoru)
月見里薫のアーティストさん いらっしゃ~い☆
出身地・・・東京都
血液型・・・O型

音や色。香りが好き。
想いを言葉にするのが好き。

写真が好き。
本を読むのがすき。

自由な時間
自由な音楽


自由な想いが 好き。

遠い記憶をよく覚えている。
なぜだかわからないけど
天気。テレビの画面。言葉に出来なかった言の葉。
匂い。予感。泣き虫だった自分。

遠い記憶と今の記憶が今の自分を支えているようです。
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