土の部屋



芳子は目が覚めた。

いつもとは違う部屋。
四畳半ぐらいの四角いへやに土が盛ってある。
小さな曇りガラスの窓からネオンのひかりが漏れる

どうも
ここは
いつもとは違う部屋らしい。

曇りガラスの窓をおそるおそる開けると
看板のネオンが最初に目についた。

どうも
ここは
2階らしい。

芳子は視線を下に移すと
サラリーマンとハイヒールを履いた女性が
ラブホテルのなかに入っていくのを見た。

どうも
ここは
ホテル街らしい。

なんでこんなところに来ちゃったのか
芳子は不思議におもった。

芳子がいつも住む部屋は
新興住宅地でホテルはおろか
店もまばらで

サラリーマンなんか歩いていない。
お洒落をし、高いハイヒールをコツコツ言わせ 
香水のかおり漂う そんな女性も見当たらない

そして
ここは
一体 どこなんだろう


この土は
なんで この部屋に あるのだろう。

布団がだらしなくひいてある

芳子は盛ってある土を布団の上にひろげ
花瓶にささっていたかすみ草を置いてみた
かすみ草のちいさな花びらが土の上にパラパラと舞い
芳子はだらしない布団の上には寝ず
盛り土を両手で堀りお越し
その狭い土の穴で身体をすぼめて横になってみた。

ひんやりと冷たい。
土の匂いとどこか懐かしい草の匂い。

どうも
ここは
自分の墓らしい。

だらしなくひいた布団を
上にかぶせ
フタをした。

献花は
かすみ草 だった。

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登録日:2010年 06月 22日 23:01:07

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プロフィール
月見里 薫 (Yamanashi kaoru)
月見里薫のアーティストさん いらっしゃ~い☆
出身地・・・東京都
血液型・・・O型

音や色。香りが好き。
想いを言葉にするのが好き。

写真が好き。
本を読むのがすき。

自由な時間
自由な音楽


自由な想いが 好き。

遠い記憶をよく覚えている。
なぜだかわからないけど
天気。テレビの画面。言葉に出来なかった言の葉。
匂い。予感。泣き虫だった自分。

遠い記憶と今の記憶が今の自分を支えているようです。
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