停戦から一年 イスラエル-レバノン紛争

イスラエル紛争から1年 強まるヒズボラ支持

2007年8月11日 東京新聞朝刊

 【ビントジェバイル(レバノン南部)=萩文明】昨年のイスラエル軍とイスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘で最大の激戦地となったビントジェバイルでは、破壊された住宅の再建が進んでいる。レバノン親米政権が期待した「ヒズボラ離れ」の兆候は見られず、停戦一年を前に住民の支持は強まる一方だ。

 「ドーン」。爆音が三回響き、白煙が舞った。イスラエル軍が集中投下し、停戦後も被害が続くクラスター(集束)爆弾の不発弾の処理作業。「この現実から逃げたい」。戦闘と破壊による一年間の心的外傷で「常に興奮し、怒っている」という飲食店主ファディさん(30)がため息をついた。

 「全住民がヒズボラ支持者」とまでいわれるこの地を、イスラエルは「敵の首都」と宣伝。攻略に向けて徹底空爆と砲撃を加えたが、ヒズボラの抗戦で地上部隊は中心部に到達できなかった。

 ファディさんの自宅兼店舗も破壊された。ヒズボラは停戦後、新居の家賃などとして一万ドルを支給。三週間前に飲食店を開店させたが、その再建費用は国際社会の支援の遅れで届かない。

 何の装飾品もない新装店内で目を引くのは、額縁に入ったヒズボラ党首ナスララ師の写真だけ。ファディさんは「住民を守るのは政府ではなくヒズボラ。戦闘とその後の経緯が証明した」。

 停戦直後に比べ、南部一帯の街頭で、同師や“殉教者”の写真、ヒズボラの旗は激増した。再建工事のため建築資材を積んだ車両が行き交う横で、破壊のあとが無残な姿をさらす。貧困層には政府の手が届かず、逆に、全被害者に現金を支給したヒズボラへの支持は強まる。弟を殺された男性(32)は「イスラエルの脅威がある限り、ヒズボラが必要だ」と話した。

カテゴリー[ レバノン-イスラエル問題 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2007年 08月 11日 17:02:19

コメントを追加

Trackback

この記事に対するトラックバックURL:

FLO:Q
カレンダー
< 2007年 08月 >



1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
プロフィール
blc
blc
(男)
発見の日々
蛙の目
MyCoffeeShop クリックで始まるコーヒーワンダーランド
blcはblackcoffeeからとった。プロフィールは、上記の『発見の日々』ににあるプロフィールをクリックすると見られる。私立学校で広報を担当。コーヒーが大好きである。
検索