著作権侵害不存在確認裁判とポップス歌手M氏の世界観考察

オバマ氏ポスターをめぐる著作権争い、ポスター制作者がAP通信を提訴

【2月10日 AFP】昨年の米大統領選で有名になったポスターの著作権をめぐり、デザインの元になった写真を撮影・配信した米AP通信(Associated Press)とポスターを制作したシェパード・フェアリー(Shepard Fairey)氏が対立していた件で、フェアリー氏側は9日、ポスターがAPの著作権を侵害していないことの確認を求める訴えをマンハッタン(Manhattan)のニューヨーク連邦地裁に起こした。
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(c)AFP

AFPBB News


 著作権侵害不存在確認。

 すなわち、
 著作権は侵してませんよ、と歌手のMさん側が巨匠漫画家氏側に主張する
裁判ですね。
いまさらの、昨年12月の判決について総括です。

事実の経緯は、165p前後に書かれています。
とおことわりした上でーー
 

 これは、著作権侵害がないことを確認したい、
という裁判です。
その主要部分について、

著作権等に基づく損害賠償請求権の不存在確認の訴え
が争点になっているのです。

はい、なんだかわかりません。(笑)

ともかくまず前提条件として、

そういう「争点」で訴訟タイトルは整理されてる、というのが一点。
なのですな


 裁判員は、いちいちこういうことを確認出来るのだろうか?

 私は裁判員制度反対です。
 凶悪事件であれ、ひととき素人に任せて、へんな地裁判決が出るのを見過ごすのは、良くないと思います。
 アメリカの陪審制度は、素人が感情的な判決を出すのを黙認する制度、です。

 いい悪いじゃなく。
アメリカのは単純にそういうことなんですよ。
 
で、同じことをしようと。

 それに反対か賛成か。
 当方は反対。法曹の人がやればいいから辞退します、と。

 以上です。

どっちがオリジナルかケリつけようじゃねえか、という裁判じゃないか?というイメージや発想があったら、
それは間違いなわけです。

そういうハっつぁん熊さんが裁判に出てくるのが陪審制。
日本もそれを認めることをやるのです。一緒なのです。

だから、反対です。

 法の正義は、普通の正義ではありませんが、
その程度の事もレクチャーしないのでしょうかね?


法の正義を当局が疑っているのだろうか。

  

 話戻ります。


 それから前提として言いたい2点目は、

盗作かどうかの疑義も一応判じられている、

ということです。



 で、ざっと読みますと結果はですね、

争点について、
巨匠氏が既に(公判期日までに。)賠償権を放棄したので訴えの却下、ということであります。
訴えの利益がない、ということのようです。

盗作自体については
盗作と断じることなど出きようもないなあ、みたいな感じでしょうか。

 まず争点をフォローすると、

被告側の主張も、賠償権放棄とはいえ、首尾一貫M氏とわかりあいたいだけだった、という内容ではなくて、
盗作を謝れ、という主張が、当初から揺れながらもあった、と。
判決文参照のこと。

M氏は、最初巨匠から電話がきて話せると思い
むしろわくわくした的な供述もありますが、まあこういう物言いも多い方ではありますよね。
そういう喧嘩、でしょうか。(筆者もはっつあんなのだろうか?)
なおM氏は出廷もされましたね。

当日傍聴してたんです。(笑)だから来たみたいなことは聞きました。(熊さん的ですいません)







 原告側(M氏側。本件被告の巨匠漫画家氏の著作権による損害賠償権の不存在確認をする訴訟。但し、被告は損害賠償請求権を放棄し、原告訴え却下。
さらには原告は、被告のテレビ発言と多くの番組が名誉毀損に当たるとして、賠償請求額は2000万円、という裁判。)の主張は、

「被告表現は、けっこう普通の内容じゃん。昔からいろいろ夢とか時間とかつかった言い方は他にもあるよ^^」
という感じです。

被告側主張は、「文字の90%近くが似ている」
「むしろデッドコピーとすら(汗)」
みたいな感じです。


原告は、夢は時間を裏切らない、とする歌詞を、

「時間が原因、夢を結果としたうえで、仏教の真理みたいなモノを淡々と書いたのがM氏の歌詞で、
被告のように老人が若者にこうしろと説いているのとは違う」

などとも主張していて、これがけっこう感情が入ってる感じがしてちょっと面白かったです。
筆者は、巨匠氏の創作は凄いと思いますし、他意もありませんが。はっつあん、まで。




 被告側は、この時間と夢に関する表現を、時間をかければ夢はかなうからあきらめるな、というメッセージとして、
複数の漫画で使用し(頒布量も確かにハンパではない。)、
又インタビューでも大事な哲学として繰り返し言ってきた今までの経緯もあるようです。

すりこみは、あっただろう、と。

まあそれは、感動的な言葉ですし、過去に無数(です。)の新聞雑誌が取材したかったのもうなずけますが。

 


 判決文では、謝罪に関連した発言を、電話で言った言わない、の主張が繰り広げられます。



 盗作を主張する被告側弁護士主張も、やりかえします。「言うに言えないのだろう」など。

(※ちなみに、「」は引用ではありません。出版社によっては、ライティング規則で、エッセンスをまとめる際に「」をつかうと決まっている
会社もありますので、それに倣ってみました。よって詳しくは、判決文参照の事。註釈まで。)



 原告が、被告表現に依拠したか。

原告側はさらに判決文によると、被告出演の多くのテレビ番組らについて、名誉毀損と主張。
被告側は、被告の主観が語られたに過ぎず、原告の社会的信用をおとしめるものではない、等々としています。


むずかしいですね、素人には。



○M氏の世界観



 静観したM氏が、それゆえ基本メディアに言われたい放題だった印象というのは当然ありますゆえ、再度一つフォローすると

原告の歌詞に
「あの泥だらけのスニーカーじゃ…

…とと、、書いちゃいけないんでしたっけ?
まそんな箇所がありますがーー


あそこも並列的ですよね。そうやって、主張を強く交えさせず並列的な言葉遣いで
歌詞創作をする手法をとる方ではありますよね

で、この部分、「時間」という言葉がまさに使用されていて、

青春やそれこそ「夢」を想起させる、「泥だらけのスニーカー」という言葉との関係が、

本件の歌詞の時間と夢との関係に似ているんです。


元々デビュー曲で、「泥だらけのスニーカー」、すなわち若者の努力とか「夢」は、「時間」なら追い越せた、と歌っています。

すなわちM氏の特徴である、並列的な言葉遣いによって、因果があざなえるもの…というようなニュアンスに留まってはいるものの、

本件裁判と似たようなこの「「泥だらけのスニーカー」(=「夢」。青春の努力の象徴。)と「時間」という2つの言葉で、
夢に向かって只努力の時間を過ごせよ(さらば叶えられん)、というようなことを歌っているのです。
本件裁判の歌詞の世界観を、既にしてデビュー曲の段階で主張されているんですよね。

本件歌詞の考え方やモチーフは、デビュー時からM氏の中にあり、実際にそこで「夢」と「時間」という言葉そのものまでをつかって
表現されているんですね。


 歌詞では、
時間をかけても、まだ「僕」自身は、追い越せていない。これからも、僕らしくあるために、好きなものは好きといえる気持ちを大事にしたい。
そう強く歌っています。人によってはちょっと違和感も感じそうなくらい。


そんなM氏の世界観からして、大きな夢を否定する…と聞いたとき、そこですぐに沸いてくる心情は、
まさしく自分に対する「裏切り」そのものであるとも推察されます。



 そんな世界観の中で今回出て来た「夢」と「時間」という言葉。

特別な言葉ではありません。
むしろ代用品を見つけるのが難しいくらい。


 一ついえそうなのは、
少なくとも締め切りなどであせって唐突に何かを引用した、という悪意などなさそうです。
突然何かの原典にあたったか、も、なければないで不自然ではなさそうですが。
勝手な事書いたら怒られますが、特許で言う容易想到性があってもおかしくなさそうです。
それと筆者も先生のこの言葉は、学級文庫でさんざん読んで胸躍らせたのに、
見聞きした覚えもなく、全く知らなかったです。
子供が漫画を読むのは、そこにある哲学を読むというよりは、主人公のセリフや行動などにダイレクトに反応するので、
まあ言葉は覚えてなかったですね。


 似ているか、と問われれば、
間違いなくそれなりによく似ていると多くが思いますでしょうが、さように考えてくると、
被告表現かという観点に立つと、「依拠」はかなり微妙な話にも感じます。


一方で、M氏も当然何かの影響の可能性自体を100%否定しているご主張ではないみたいなのですが、

2人の一流芸術家は、きわめて似た考え方を偶然持っていた、ということも可能性としてはいえるのではないでしょうか。


 判決はどう言っているかといいますと、

裏切る、という部分の表現について、「両者の意味の違いは大きい」、と指摘しています。
逆に(そうかなあ)、とかは思いました。(熊さん登場)


さらに判決で
夢と時間については、原告の言い分もありうるという感じで原告表現の独創の可能性にかなりの程度賛同がありまして、


「被告表現に依拠したものとは断ぜられず」とし、結局盗作だとはしていません。




 そのうえで判決は、
被告は取材を受けただけだから不法行為ではない、としつつも、
いくつかの報道に公平さを欠くものがあったことを指摘し有名人に対するメディアの名誉毀損を一部認め、

被告側に220万円の支払いを命じました。


結局あ・うん、と巨匠の称した、礼儀の問題が大きく、そこらへんでこじれたような印象もある本件。
巷間よくあることでもありましょう。

その後、お二人とも変わらぬ大活躍です。

※引用記事は、本内容とは何の関係もありません。


が、
フェアユースの原則、というのは著作権問題一般で興味深い考え方ですね。

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登録日:2009年 05月 31日 12:16:46

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プロフィール
河本 宗春
(男)
■東京在住、フリーライター。
■新聞、週刊誌等で取材記事やコラムを書く日々。活動分野は事件、社会問題、芸能等。
■取材の寒空で凍えていたと思ったらPCの前にいたり・・毎日違うことをしています。ゆえに毎日踏まれ、汚れ、ほぞを噛み・・
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