札幌から

 ぼくの持つ劇のイメージに、完成はなく、完成がないから、完成度というものもなく、ひとつひとつの作品は、どこかへ向う途中の「旅の途中報告」のようなもの

で、その旅というか、ぼくらが劇でどこに向おうとしているのかは、ぼくらが死んで、その歩みが止まってはじめて、何となく、うっすらと見えてくるようなものなのではないかと思うから、ぼくらは、ぼくらがいま、一体、何を作っているのかは、見た人が考えている以上にわかってない。

 それを「無責任ではないか」という人も、もちろんいる。だけど、そこでの「責任」というものの意味が、ぼくにはよくわからない。それは何に対しての「責任」なのか。観客に対して?自分らでもいまだ一体何を作っているのかわからないような劇で、観客をかきまわすだけかきまわして、その後、かきまわされて、途方にくれた観客を、そのままどこへも連れて行く気がないから?

 確かにぼくには、かきまわしてやろうという気はあるけど、その後で観客を「劇でどこかへ連れて行く」気なんかない。

 ないよそんなもの全然。ていうか、どこかへ、てどこ?もちろん、見た人の誰かが、ぼくらの劇を見て、何かが動いて、たとえば(ほんとうにたとえばなのですけど)、もらおうかどうしようか悩んでいた子猫をもらって育ててみることにしました、とかいわれたら、少し何だかうれしいけど、それはこちらが意図したことではないし、大体、そんなこと意図してできるものなのか。ていうか、誰かのそんな意図で、どこかへ連れて行かれるような人に、ぼくは興味がない。

 そもそも、劇にそんな力はないと思っている。劇は無力で非力で、吹けば飛ぶようなもので、だから、いい。見た人びとをどこかへ連れて行くような、何万人何十万人何百万人の人の「何か」を操作するような、そんな「勇ましい」大きなものじゃなくて、ほんのわずかな人たちと、おもしろいよね、おもしろいよ、といいあえれば、それでいいし、ていうか、それがいい。

 だって、劇は選挙じゃないのだもの。 

 ということで、そんな無力で非力な劇の北海道での公演が引き続き継続中。

 ケガしたり、寝不足でぼんやりしたり、地味にいろいろ起こっているけれど、だけど、ぼくらの劇をほんとうに心待ちにしていてくれる、何人かの人たちの、ありがたくて笑ってしまうようなおもてなしに、うれしくて、どうしていいかわからなくて、ケガも寝不足も、まったく全然、気にならない。

 昨日、この公演での最後の地となる札幌について、久しぶりにゆっくりと食事をして、寝た。今日は、この旅で最後となる舞台作りを夜までかかってゆっくりとやる予定。そこへも何人もが手伝いにきてくれる。見た人に「つまらない」といわれることなんか全然平気なのは、ぼくらには、こういう人たちがいるからなのだと、心から思う。

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登録日:2009年 09月 08日 09:04:52

コメント

明日北上するのに、まだ全く用意をしてなくて、色々約束したのに、まだ何処かで本当に行けるのか?みたいなことを思ってます。
でもきっと明日の今ごろは、札幌の公演を思いながら、散歩とかしてるんだろうな、とも思います。
富良野で、そして旭川で変化し続けたディンドンガーが札幌の地でどう変化してるのか、楽しみで仕方ありません。

よこ @ 2009年 09月 08日 15:04:47

山下君はそういうけどやっぱりあの舞台はどこかへ連れてってくれるよ。
だけど、いつしか置き去りに、、、、(笑)。
だからフィクションってのは悪意のない人さらいみたいなもんだ。
言わば、映画パーフェクトワールド。
もっとも映画の場合は最後主人公は殺されちゃうけど、山下君たちは殺されもせず逃げ続け、またいつか目的もないのに人をさらうから始末が悪い(笑)。
連れてってくれる先は非日常。
ようするに退屈なんだよ日常ってのは。
だけど舞台で目にするのは非日常非退屈の世界。
舞台が終わってもしばらくの間はその非日常感が続いて心地いい。
ま、ず〜っとは持たないけどね(笑)。

がぶん@@ @ 2009年 09月 08日 18:18:38

>でもきっと明日の今ごろは、札幌の公演を思いながら、散歩とかしてるんだろうな、とも思います。

 待ってるよー

>だからフィクションってのは悪意のない人さらいみたいなもんだ。

 これいいですねえ。悪意のない人さらい。途中でいなくなる何とかの笛吹き。何だっけ。ハメ、何とかの笛吹き。

 昨日は舞台設営で、だけどFICTIONの、それも男メンバーが、もとから病気の透析患者はともかく、のきなみ負傷で、動いてくれたのはほとんどお手伝いの人たちで、だから早い早い(笑)。はっきりわかりました。舞台設営は南の島の男の人たちみたいなFICTIONの男たちがいない方が早い。

山下 @ 2009年 09月 09日 12:29:57

>南の島の男の人たちみたいなFICTIONの男たち

フッッ。ツボに入った(笑)

腰?背中???
そのピンチはしっかり旭川の舞台で跳ね上がってパワーになっていました。

そのせいかどうかはわかりませんけれど…すごく山下さんの声に力があって響いていて(あ、夜公演)(あ、怒りのパワーみたいに(笑))その気迫の波にみんなも段々乗ってきて、観客もその波の揺れを全身で楽しんで、だから、なんでしょう…台本以外のモノがシアターコアに渦巻いていました。

それがきっと私に染み込んできたんだろうなー。
なんだかとってもあったかくて嬉しい気持ちでいっぱいになりました。

劇は、台本や段取りだけじゃ何も生まない。
『人』であることなんだなー、というのがありありと感じられました。
そして、観るのも『人』なんです。

それぞれが抱えた諸々込みで(笑)
札幌に乞うご期待☆

kiki @ 2009年 09月 09日 13:54:48

>そして、観るのも『人』なんです。

観客席はみんな猫、、、ってのを想像すると楽しいなぁ〜!

がぶん@@ @ 2009年 09月 10日 00:22:35

あははっ

それはまたどんな劇に変化するのかこっそり楽しみたい(*^_^*)

kiki @ 2009年 09月 10日 14:15:06

笑えるシーンになると、客席がニャーニャーうるさいの。

がぶん@@ @ 2009年 09月 10日 18:09:34

うん、うん。想像しただけでも超楽しいー(笑)
猫なら間違っても集団で何か操作されることはない。無理。(笑)

あ、でも、劇ってそんなに無力で非力なものかなぁ。私は今回「吹けば飛ぶような」ものが怪物くらいに大きく感じられて怖かったんだけど。。。

なな @ 2009年 09月 10日 22:32:03

>あ、でも、劇ってそんなに無力で非力なものかなぁ。私は今回「吹けば飛ぶような」ものが怪物くらいに大きく感じられて怖かったんだけど。。。

 わはははは。怪物。じゃあ、無力で非力な怪物ということで。

 札幌2日目終了。ここにきて疲れがでてきているのか、終演後、貧血気味になり、だけどご飯を食べたら少し回復。朝起きたときの顔が老けてて、自分で引く。

山下 @ 2009年 09月 11日 00:13:28

 ゆうべは数人と「感想」というものについて朝までしゃべる。ああして気をつかわず頭を使って話せる相手数人とあーだこーだとしゃべるというのは、何ていうか、とても楽しくて、すべてはこのためにあるとさえ思える。

 札幌は、少し、ほんの少し肌寒いけど、天気もよくてさわやかで、気持ちいいです。

 

山下 @ 2009年 09月 11日 15:18:23

>>南の島の男の人たちみたいなFICTIONの男たち
>フッッ。ツボに入った(笑)
あはは。確実にツボった(笑)

>笑えるシーンになると、客席がニャーニャーうるさいの。
めちゃめちゃ楽しそうだけど、舞台上はやりにくいかな。

>怪物。じゃあ、無力で非力な怪物ということで。
・・・なんかいいですね。

今日、また新たなディンドンガーに会えるのを楽しみにしています。

よこ @ 2009年 09月 12日 08:34:48

今日、昼の部を見てきましたよ。
今回の芝居はなんだか 自分の脳みその中の普段使ってない部分を駆使して見るような感じがしました。
具体的に何がどのように、とかは全然言えないんですけど
普段こんなこと感じたり考えたりしないなー って思って。
そういう感想を抱かせるFICTIONはやっぱりスゴイと思いました。いやはや

笹 @ 2009年 09月 12日 20:40:22

見ましたよ!テレビの、山下さんと竹内さん!すでに、番組の予告編から、山下さん、発見!
ちょっとしか出ないって噂だったけど、山下さん、ちょっとどころか、しっかり出てました。
涙ぐむ山下さんのアップに、思わずグッときちゃいました。
ディンドンガーではあんな感じだったけど、テレビではこんな感じで、どっちもイイ感じ!

ゆうこちゃん @ 2009年 09月 12日 23:09:34

>朝起きたときの顔が老けてて、自分で引く。

(笑)

わたしは顔の寝癖がなかなかとれないことに歳を感じます。

優子 @ 2009年 09月 13日 01:42:37

 あ、ドラマやってたのですね。わはは

 今日で全部の公演が終わります。帰ったら、まずはパチンコをしよう。

 ああ、ゆうべ見た夢(さらっともうひとつの劇団ブログにも書きましたが)の実感がしつこくて、起きた気がしない。

 

山下 @ 2009年 09月 13日 09:58:11

北海道ツアー、お疲れ様でした。
今回は、皆さんの体調が心配でしたが、なんとか公演が出来てよかったですね(^▽^)

毎回観るたび、ちゃんと感想を言おうと思いながら、ちゃんと言葉がまとまらなくて、今回こそは!と思ったのですが

結局、どう感想言っていいかわからないのですが

出てくるのは、自分勝手な人ばっかりで、
やってる事もめちゃくちゃなのに、ホッとするのはなんでなんかなぁ~、とか

最後、あんな風に死ぬのも悪くないなぁとか

ハトの十字架、気持ち悪かったなぁとか

そんな風に、思い出に浸っています。


自分を縛っている色んなモノが解けるような

そんなお芝居だなぁと思いました。


また次のお芝居楽しみにしています(^▽^)ノ~♪

はとまめ @ 2009年 09月 14日 15:22:24

 さっき家につきました。

 留守番をさせていた猫が捨てられていたときのような鳴き方でずっと鳴いています。

 むこうでは、ほんとうにたくさんの人のお世話になりました。みなさんありがとうございました。どうかまた、お世話してね。

 もろもろの詳しくは本文で後日。

 

山下 @ 2009年 09月 14日 19:44:38

おかえりぃ。
とりあえず。

がぶん@@ @ 2009年 09月 14日 22:23:08

北海道ツアーお疲れさまでした。
皆さん無事に帰宅出来ましたか。

ひとまずゆっくり休んで、疲れを癒してください。
そして、次にある楽しいことをお知らせください。
ドラマ観ました。
ちょっと笑って、ちょっと泣きました。

よこ @ 2009年 09月 15日 00:45:47

山下君!見損なったぞっ!


あ、君じゃなくドラマ。

がぶん@@ @ 2009年 09月 15日 02:21:42

 はははーすいませーん

山下 @ 2009年 09月 15日 02:47:18


また始まった(笑)楽しみー。

なな @ 2009年 09月 15日 03:48:31

〉山下君!見損なったぞっ!
あ、君じゃなくドラマ。

あー、ビックリしたー。
何か事件が起きたかと思いましたー(笑)

よこ @ 2009年 09月 15日 15:11:15

>山下君!見損なったぞっ!

にゃ?にゃんにゃ?にゃんにゃ?にゃんかにゃ?
(お?なんだ?なんだ?ケンカか?)

ゆうこちゃん @ 2009年 09月 15日 18:45:36

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