寒春感、全面禁煙県

■あきらかにこの春は気候がおかしい。

 他の春をそんなによくおぼえているわけではないけど、こんなにいつまでも寒かったとは思えない、と思えるくらいの感じ。じっとしていたから見えていなかったけど動いたから見えた、みたいな。突然とまったから鳴っていた音に気がついた、みたいな

■ワークショップの参加者に台詞を書いてもらったりしているとよくわかるのは、台詞を書く、となると、どうその人から立ち上げていっても、ほとんどの人の書くものが「どこかで聞いたような、見たようなもの」になってしまうことで、それは何なのかと考えると、どうも「書く」となるとかしこまってしまうようで、それはふだんうんこを漏らしたり同じ道で何度も交通事故にあったりするものすごいおもしろいやつなのに国語の作文になるとかしこまって「みんなの応援を受けてリレーで3番になれました」みたいなことを書く、稚拙とかそういう意味ではなく、意外と場の空気をきちんと読むつまらない大人になりかけの小学生の作文みたいで、けど、それだとおもしろくない。
 もっともっと、ぜんぜん適当にいい加減でいい。
 適当にいい加減に、というと、「そんなあ」という人がいるけど、普通にしてたらかしこまる場所で、適当にいい加減にするのは、ものすごくむつかしいし勇気のいることで、かしこまる方がずっと簡単なのだ。

■宮崎駿のポニョのメイキングを見ていると、ああやっぱりああして妄想のように思い浮かべていって途方に暮れるのか、と、勇気が出てくる。
 そして不思議なのは、ものの見事に、宮崎さんががんばって辻褄をあわせようとしたところは2回も見たのにおぼえてなくて、製作期間のほとんど最初に宮崎さんの頭に思い浮かんでいた場面だけを気持ち悪いぐらいこちらがおぼえていることで、たとえば、ポニョが波の上を走ってくるとことか、最初の場面のクラゲのとことか。
 しかし、あの宮崎駿の、撮っている人に対する態度の変化はものすごい。はじめはあんなに愛想がいいのに、途中からは完全に邪魔なやつでしかなくなっている。そしてそれをあからさまに態度に出す。悪魔みたい。ジブリのプロデューサーの鈴木さんが「宮崎駿は人間関係を使い尽くす」というのを何かで読んだか聞いたかしたけど、激しく、なるほど、と思う。

■ぼくらのするような劇活動は「小劇場」と呼ばれるのだけど、だからといって「中」に上がり、ゴールは「大」もしくは「テレビ」だと思っているわけではない。何千人の観客の前で?勝ち誇ったような恍惚の顔で?両手を上げて?カーテンコール?無理無理。

■さっき、いつも仕事をしている喫茶店にいったら、4月1日から全面禁煙になりますとの貼り紙が。神奈川県は全国に先駆けて全面禁煙条例を打ち出していたのは知っていたけど、とうとうそうなるのか。しかしやっぱり、ものすごくいやな感じがする。こういうことを書くと、いまさら感があるのも、何かとてもいやなのだけど、税金をどっさりかけて国の許可で販売されているものを禁止していこうとするこの矛盾した動きと、そこまでされてまだなおも買って吸おうとしているぼくのこの気持ちの引きちぎられる感じって何なの?大きな流れに仕方なく流されていくこの感じにあらがうには、革命、しかないのか。テロるか。テロったろか。うんこ爆弾を抱えて地下鉄乗ったろか。やったろか。

コメント[6], トラックバック[0]
登録日:2010年 03月 30日 20:02:39

コメント

いきなりツイッターID間違えてんの(笑)。
@tgabun
だよ。
まずは訂正。

がぶん@@ @ 2010年 03月 30日 21:53:37

いつも楽しみにしています。元気をありがとう!

膝の名医 @ 2010年 03月 30日 21:56:12

>元気をありがとう!

 え。あ、はい。

山下 @ 2010年 03月 31日 03:42:47

いやぁこないだ久々にすがすがしいオヤジを見たよ。鎌倉駅のホームを歩きながらタバコをスパスパ。
非難めいた周囲の視線なんかまったく気にしない様子でスパスパスパスパ!でもって、火のついたままのタバコを人さし指と親指に挟んでパチンッ!と線路に飛ばしたのだ。ほんと今となってはあのオヤジちょっとしたテロリスト。
しかし時代で感覚っていうのは変るもんだと思うわ。
時代設定が1940〜50年くらいの洋画を見ていたら、ヒルトンホテルクラスのゴミ1つ落ちていないロビーを、高級なスーツを身にまとった紳士がタバコ吸いながら歩いてきて、磨き抜かれた床に躊躇なく火がついたままのタバコを捨て、それをグイと踏みつけ、そのまま去って行く、、、みたいなシーンがあったんだけど、たぶんそんなこと普通だったんだけど、今それを見ると、さすがに「おい、あんなにきれいな床にそれはないだろー!」と思ってしまう。
、、でも、歩行禁煙エリアで歩きタバコしてて、監視員から注意されたことは三回くらいある(笑)。
もっとも最近では、、、iPhoneアプリのスモーキングマップは、GPS使って現在位置から500メートル圏内の喫煙可能場所、店舗、それとタバコ販売所をグーグルマップで一発検索表示してくれるので、やや歩きタバコをしないようになってきた。

がぶん@@ @ 2010年 03月 31日 04:34:24

>iPhoneアプリのスモーキングマップ

 あれいいですね。

 もうひとつの行きつけの文學界のエッセイにも書いた喫茶店は31日現在では何の貼り紙もなく喫煙ゴーでいく様子。ものすごくうれしい。

山下 @ 2010年 04月 01日 05:10:13

あのさ、前から思ってるんだけど、
喫煙と禁煙、、、字が似ててややこしい!

がぶん@@ @ 2010年 04月 02日 03:37:04

コメントを追加

Trackback

この記事に対するトラックバックURL:

カレンダー
< 2010年 03月 >

1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31


プロフィール
山下澄人
FICTION WEB
FICTION構成員の日々
YAMASHITASUMITO+59
演劇映像絵音楽小説等等々。