人と同じロボット
【東京 28日 AFP】経済産業省が主導する産学共同事業の「人間強調・共存型ロボット」開発研究として進められているヒューマノイドロボット「HRP-2」成果に関するデモンストレーションが、東京大学の研究室で行われた。情報理工学系研究科知能機械情報学専攻の佐藤知正教授が中心となって開発された日常的な家事作業を行うロボットが披露された。写真は28日、ビンからカップに茶を注ぐHRP-2。(c)AFP/Ken SHIMIZU
ロボットがいずれは人と同じことをするようになる的なアレが(って何ていう書き方。ていうか書き出し)あるけれど、で、それは何だか近い将来に実現するのではないかみたいな希望的なぼんやりとした思い込みがあるけれど、ほんとうにそんな日は来るのか。
たとえば、僕は劇を作っているけど「劇についての様々なすべてのこと」をうまく言葉にできない。誰かがすべてを
うまく言葉にしたものを読んだこともなければ、聞いたこともない。かなりいいところまで言葉にする人はいるけれど、だけどそれはけっしてすべてではなく、言葉に出来てない残りの部分は聞いた、または読んだ、各人が補うしかないから、同じことを聞いても読んでも解釈がずいぶん違う。
だから、劇の世界では「カン」や「才能」という言葉が、とても大きな顔をしているのだけれど、たぶん「カン」も「才能」も、ある種のコツ、もしくはコツを見つける能力のことで、コツということは、それは言葉にするにはとても微妙な技術で、だけど技術なのならいずれはすべてを言葉にすることが、もしかしたら不可能ではないのかもしれないけれど、ま、だけど落ちついて考えたら限りなく不可能に近い。
で。
人のすることの出来るロボット、というのなら、劇もそのひとつということになるはずで、だけどそのように劇に関する様々なことはまだ誰もうまく言葉に出来てないのだから、ロボットに内蔵されることになるのだろう最新コンピューターに「劇のやり方」を(記号化された、ようするに言葉で)打ち込むわけにはいかず、ていうことは、ロボットは人みたいに劇をすることが出来ないということになる。
なら「劇はまあ出来ないけれど、劇の出来ない人もいるのだから、そういう人には近づく」という人があらわれるだろうけど、そいつはたぶん150キロの少し変化する球も絶対に打てない。
だって、150キロの少し変化する球の打ち方を完璧に言葉に出来て伝えることが出来れば、いやしくもプロ野球選手なのなら、誰だって打てるはずだと思うけれど、実際は誰でも打てる訳ではない。たぶんそんな高度な技術を完全に言葉に出来る人がいないから、伝えられてなくて、だからコツを自ら掴んだ人にしか打てない。ということは、人に伝えられてもないものを、ロボットにつたえることは不可能だから、やっぱりやつらは150キロの少し変化する球も打てないということになる。
なら「劇も出来ないし、150キロの少し変化する球も打てなくて、それ以外の特別な能力もないけれど、そういう人になら近づける」とかいうのかもしれないけれど、そうなるともうそれは「人」ではない。残念ながら。
人は何となく立って歩いたり、しゃべったり、飯を食ったり、泣いたり笑ったりしているつもりだけれど、おのおのがいつの間にかつかんだコツ(打撃王イチローのつかんでいるコツのように華々しい目立ったものではないけれど。だからコツを掴んでいると認識すらしてなかったりするけれど)を駆使して、生きている。そんなもののひとつもない人なんて、たぶんいない。だから、やっぱり「人とおなじロボット」なんて、いつまでたってもあらわれない。
それにもし、すべてが言葉にされて、それを漏らすことなく打ち込まれたロボットが将来あらわれたとしたら、そのときの人は、もう今の人ではなくなっているから、だからやっぱり「人と同じロボット」はあらわれない。
あらわれても、あらわれなくても別にどっちでもいいけれど、あらわれないと僕は思う。もちろんあらわれたら、すぐにあやまりますけれど。
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登録日:2007年 03月 03日 20:51:44
コメント
きっと、アメリカとかの
迎撃ミサイルなんかを研究している所じゃ
莫大な予算と科学者の知能をさんざん寄せ集めて
全力で「150キロの少し変化する球の打ち方のコツ」
みたいなことを考えてるんじゃないんですかね。きっと。
そう考えると、やっぱり人間の方が手間要らずで低コストですね。
ゆきの @ 2007年 03月 04日 21:13:43
作った人の想像以上の行動をロボットは出来ない
映画の『ターミネーター』や『AI』のように
心を持ったロボットが出来ない限り…
機械化された便利な日常でも
創作していくモノを生み出す発想は
人しか出来ない
ロボットがやっている芝居なんかツマラナイ
人がやっている生のその時々のテンションの芝居が
ゾクゾクする
歳を重ねる役者の深みもまた
人であることの楽しみ
山下さんが…FICTIONが…人であることにバンザイ\(^o^)/
kiki @ 2007年 03月 04日 23:25:10
「150キロの少し変化する球」
あるいは「150キロの少し変化する球と見せかけてまっすぐ飛んでくる球」
を打つためにあたしは生活しているかもしれないと思いました。
そういえば、ウチの親父はよく
「ヘイユー!
ドレミファソラシド、これだけの音階から
数えきれんほどのメロディーが産まれるねんぞ。すごいな!」
と言っていました。
悪いだけの親父でもなかったなぁ。
なんて、そんな気にもなります。
yuko @ 2007年 03月 05日 23:21:44
「殺人の痕跡があれば、そのサルは人と判断していい」
って有名な誰かの言葉だったと思うけど、
人と同じロボットならばそのロボットも
理由があれば殺人ぐらい犯すということで、
まあ、「ロボットは人に危害を加えてはならない」前提で
造られるだろうし、その時点で「人と同じ」ではないよね。。。
りん @ 2007年 03月 08日 15:46:09
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