雑学の罠

火星の南極地下に膨大な凍った純水 - 米国

【ワシントンD.C./米国 16日 AFP】15日発行の米科学誌「サイエンス(Science)」に発表された論文によると、火星の南極の地下に膨大な凍った純水が層状に存在することが、欧州宇宙機関(ESA)の火星探査機マーズ・エクスプレス(Mars Express)によって確認された。
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(c)AFP/NASA

AFPBB News


 僕は子供のころよく「山下は雑学博士やなあ」といわれた。

 そういわれて僕は悪い気などせず、暇があるとどこかで仕入れた雑学を口にしては、得意になっていた。「なっていた」とか書いているけれども、今だってそうで

ある。今だって、何かの話しのなかに「そっ」と雑学を忍び込ませて、会話に説得力を持たせようとしたりする。

 では何故「雑学」をちりばめたり「引用」をしたりが、説得力を持つのか。それは大前提として「雑学」や「引用」は「正しい」という、何ていうか思い込みが敵にはあるからである。敵はおかしいな。相手には、あるからである。だから、聞かされた相手は確かめることもなく「ほお」と感心し、こちらの内容が説得力を持つ。「ね?」となる。詐欺師の手口と同じである。インチキ教祖の手口とも同じである。

 だから

 例の「冥王星は思ってたより小さかったから惑星からはずします」報道がなされたとき、僕はあわてた。とてもあわてた。

 だって。僕の持っている知識の大方は「見たこともない」ものが基本であり、その「見たこともない」ことを知識として仕込んでいるものにとって、その「見たこともない」ものが、そんな「思っていた以上に小さかったから」などという適当なものでは大変に困るわけである。

 「思っていた以上に小さかった」だと?

 びっくりである。そんな程度にしかわかっていなかったという事実が。だって、ここの「科学」の欄でも、よくとても遠くの何とかとかいう星の写真があったり、ガス星雲(ん?ガス星雲という言葉はこれ正しいのか?ま、いいか)とかの写真があったりするじゃない。少なくともあれらは冥王星より遠いところのものらでしょ。あんなものらが見えて、何故、冥王星が思ってたより小さかったとかいうのさ。いくら遠くたってしょせん太陽系の話しでしょうよ。庭みたいなものじゃないさ。何なのさナサ。しっかりしてよ。

 「雑学博士」は自ら調べて雑学を仕込むのではないのである。誰かが調べた情報を、本とかテレビとかで仕入れて「知識」とし、他人に得意げに披露するのである。だから、その根本の情報がそんな適当なことでは困るし、冥王星ですらそうなのなら、後はどうなの?大丈夫なの?と、あれ以来とても不安で、のびのびと雑学を披露できないでいる。

 雑学を披露しない僕は口数が減ってしまう。減ってしまってわかるのは、僕の会話のほとんどは「雑学」だったということであり、それは少し自身でがっかりする出来事なのだけれども、それはナサのせいでも誰のせいでもない。

 ま、ま、けれども、ま。前もここに書いたけれども、あきらかに「知っている」ことと、どこかで聞いたり読んだり見たりして「知っている」ことというのは、同じ「知っている」という言葉を使ってはいても、根本の意味が全然違うのだから、あまり頑なに、杓子定規になることはないとは思うけれども、気持ちのどこかに「太陽に1番近いのは水星」だとか「火星には水があるのですよ」とかと「となりのおっさんはいつも黄色いジャージを着ている」とか「近所の酒屋のにーちゃんは元暴走族」とかいうのとは、分けとくべきで、得意になって仕入れた「雑学」や「噂」を、まともに話しあおうとする場に、あまり、持ち込まない方が、いい気はする。口数は減るとしても。

 じゃないと、とても大変恥ずかしいことになります。

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登録日:2007年 03月 29日 16:34:20

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