才能
「才能あるねえ」とか「才能なのだろう」とかいうのを聞くと、まあたしかに「才能」というものはあって、たとえば「絵」でいうと、四歳児ぐらいに「よーいどん」で絵を描かせたら何も教えなくても絵が上手に描ける子と、そうでない子が
いることから、描ける子には「才能」があるのだろうとは思うのだけれど、それじゃあその子が「絵描き」になれるかというと話は別で「才能」程度では「絵描き」にはなれないでしょうよと思う。
「才能」があろうとなかろうと、ずうっとそのことだけを考え続けて、何を見てもそのことにつなげるような毎日のなかから「絵」がうまれたり、ぼくらでいったら「劇」がうまれたりするのではないだろうか。ていうか「才能」で走れる距離はたかがしれている。
「お前には才能なんてないからそんな戯言をいうのだろう」といわれれば、返す言葉なんかないし、返す気もないけど、地味にひとつの活動を20年近く続けて来てやっぱりそう思う。
大事なのは「才能」じゃない。ていうか「才能」なんてどうだっていい。そんなものよりもっと考えなきゃならないことがたくさんある。
だから何かがうまくいかなかったりしたときに「才能がないから」というのは、ただの「逃げ口上」でしかない。それと同じいい方に「才能ありますよね」があるのだと思う。いずれにせよその発言者は無責任に「才能」を盾にしているだけで、それを「逃げ口上」だというのは、そこにうまくいかなくても「がんばってはみたのです。うまくいかなかったのは才能のせいです」という「いい訳」をはらんでいるからで、そんなつまらぬいい訳をしているよりは、うまくいかなかったのなら、何がどううまくいかなかったのかを、ない頭をひねって分析している方がずっと次につながるし、うまくいったのを見たのなら、何故にうまくいっているのかに興味を向けている方が、楽しい。
ていうかすべてを「才能」で語ってしまったら、何も語ってないのと同じじゃない。
なので、うちの劇団に「オーディション」はない。すべては「縁」もしくは「行きがかり上」で集う。一緒に劇を作ろうと思えるのは、その人が「才能のある特別な人」だからじゃなくて、その人を「特別」と思える何か「行きかがり上」の「縁」があったからで、「恋愛」とか「結婚」とかですら、身近にいる何人かの異性の中から選んだり選ばれたりしているだけなのだし、好きな人を「特別」に思うのは、好きな人が「特別」だからじゃなくて、その人を「特別」だと思えるからで、それと同じなのだと思う。
ま、うちが「オーディション」を開催したところで、誰も集まって来たりしませんが。
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登録日:2008年 01月 29日 04:14:34
コメント
才能・・天才・・子供の時天才って言われる人も大人になると凡才になってることあるし。。その才能を伸ばそうと努力しても、大人になると伸び悩むこともあるんだろうなぁ。
それでも、続けていくことをやめなければ、例え凡才でも本人納得人生になるのでは・・。
私には、なんにもない。。。と思うことありますが、山下さんの、FICTION のコメント参加は勝手に『縁』だなぁ・・と思い頭の中いろいろめぐらせて楽しんでます。『腐れ縁』ぐらいまでいけたらステキです。「特別」だと思えるからで、それと同じなのだと思う。
「オーディション」を開催したら、そりゃ大変!になりますね☆
kumi @ 2008年 01月 29日 11:01:11
人に認知・賞賛(悪い例えもありますが)されてこそ〈才能〉と言われ
そうでなければただの〈変人〉で終わるのかもしれない。
仮に認知されたとしても
辿り着く道のり全てがその人自身であり、道は続き変化し続けるのだから
〈生まれ持った才能〉だと片付けられたら、とても寂しい。
でも、言葉にする時、つい褒め言葉として使いがち。
「君のように才能ある若者に演劇をどんどん盛り立ててって欲しいね~
いや~期待しているよ山下君!わっはっはっ…」
(北の受賞式でオヤジサマからポンと肩をたたかれ、熱い握手をかわされる)
「えへへ…」(愛想笑いをしながらも、才能???、若者??? 後厄なんですけどね…
と、ぼんやり考えてしまう山下君)
いえ、これは想像なんですけれど…(笑)
〈特別〉…
山下さんを〈特別〉に思えるのは
ドラマに出たり、賞をもらったからでもなく
こんな風に、ひとつのコトを思い巡らせて語れる場に,私の
普段眠らされている気持ちが呼ばれるような心地良さを感じる からなのだと思う。
それと、声がすき(*^_^*)
やっぱりFICTIONの舞台に立っている山下さんがいいな~
〈才能〉よりも、変化し続ける山下さんとFICTIONメンバーを見ていたい。
元気に長生きして下さい(*^_^*)
kiki @ 2008年 01月 31日 00:26:00
「才能あるね~。」と「若いから吸収早いわ。」とは同義語に聞こえます。
どちらにつけ、耳にする度カチンときます。
「ちゃうねん。あんたらにはカラオケとか海外旅行とかあるかもしれんけど
あたしにはないし。コレしかないし。」とか腹の底では思いながら、
バカのようにできる限りの笑顔で「ありがとございま~す。」と繰り返しながら
あたしは次代を担う「若手のホープ」を育てなければならない・・・
なんてことは微塵も考えたこともなく。
だってあたしが育てんでもその道でスゴイ人というのは
いつもいきなり合流するように現れるから。
元気で長生きして下さい。お願いしますよ、ほんまに。
いやほんまにほんまやで。
yuko @ 2008年 01月 31日 06:56:21
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- 「FICTION 」主宰。映像、ラジオドラマのシナリオも手がけ、2005年には初監督作品「ON THE ROCK」を発表。
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