ワークショップ

 昨日から札幌でワークショップがはじまった。

 まだはじまったばかりだし、この先どう転ぶかわからないのだけど「すべては終わってから振り返る」というのも、つまらない気がするので、まだあと4日もある

のに振り返ろう。読みはじめた本の感想を語る調子で。

 人は先が見えない場に身をおくと、そりゃあ誰だって不安になる。そのことを楽しめるなんて、口では簡単にいえるけど、実際その場に立てばこわいし、気の弱い人なら吐気をもよおす。か、吐く。けども、よく考えれば、ぼくらはみんなそうして日々生きている。明日どころか数時間後、数分後、何が起こるかわからない状態で生まれてこのかた生きているし、そしてそのことをあらためて「おそろしい」と思うこともなく、それどころか「退屈な日常」などと生意気なことをいいながら、生きている。

 なのに、劇には「先」をもとめてしまう。展開を計算しようとしてしまう。結末から逆算して「ここらで山場を」などと劇を下に見ようとしてしまう。ほんとうに、ぼくらはほっとくと生意気になるように出来ている。

 だからそのことをとにかくやめてみようと、昨日みんなではじめてみた。まったく何も見えていない中、その場で浮かんだこと、起きたことだけを手かがりに「そろっ」とはじめてみた。もちろんまったく「先」なんか見えてない。だいたい「先」なんてあるのかどうかすらわからない。そんなものはないのかもしれない。ていうか、たぶん、ない。そんな「場」に置かれた参加者たちの顔の、ほんとうに意味での個性的なことったら、例えるものがないくらい、おもしろい。もちろん当人はおそろしいだけなのだろうけれども。それはやっぱり生きていることと同じで、かっこよくいえば「今」しかなくて、その「今」が活発に動いていれば、それはとても嬉しいことではないのかと思う。「今」しかないというのは、それこそ生き物の本来の姿なのだし。

 今日も、夜、やる。

 数時間後ふたたびはじめて、そのまた数時間後の展開がまったく見えないことが目の前にあると確認できるなんて、これはやっぱり楽しい。

 ほんとうの人生なら、車にひかれたり、おかしな奴に突然刺されたり、という笑えない事態もはらんでいるものだけど、少なくとも劇のワークショップにそんな事態は、ない。だからこわいけど、こわいからこそ楽しみましょう。と、これは参加者たちへの伝言。

 さむいですよー札幌。

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登録日:2008年 04月 03日 15:45:48

コメント

過去フォログにコメントしようと思ったら、すごぉ~い!!更新されている!!!
振り返ってから書くのと、同時進行で書くのとでは、やっぱり表現も伝えたいことも違ってくるでしょうし…嬉しいな~~♪
山下さんが面白いと思えるワークショップを皆さんと過ごされているようで、満喫されていますね~(*^_^*)
先が見えないと不安になります。私は過去の数々の失敗のトラウマか、石橋をたたいて渡る性格なので、なんていうか…山下さんの創作姿勢にいつも驚き、憧れています。
あれこれ先を考えてしまう前に、まず思い切ってふみ出してみる…とっても難しい、勇気のいることですが、そうしてみて、実感して、初めて見えてくるものってありますよね。想像してたよりも○○○だったってことは稀ではなく。ふみ出す怖さを、回りくどく考えず、それこそ、〈手ぶらでプラっと〉風に面白がって乗り越えられたら、日常の些細なネガティブ思考も変えられて、生きやすくなるのかもしれない。
力の抜き加減、〈いい加減さ〉とは、こういうことなのだろう…と感じています。
勇気を出された参加者の緊張もピークでしょうか??? 山下さんを信じて、皆を信じて、頑張って。って、どんなことしているのか想像もできませんが…(笑) でも、長い人生の中でのたったの数時間。満喫できますように♪

kiki @ 2008年 04月 04日 00:35:54

ワークショップ初日、見知らぬ者達が、普段と違う切り口でさらされた自分や他の人を緊張の中で見つめ、必死で何かを捉えようとしているときに、山下さんがこの話をされた。

 「今」生きていること」、「今」しかないこと、これは芝居とか役者とかって事とは関係なく「生きている」ことと同じだと言われた、その時、私はこのワークショップに参加してよかったと心から思った。後は野となれ花となれ・・・ども。

 普段そのことをどれだけ意識して生きているかというと、私などは、面倒なことを後回しにして、楽な「今」を選ぶという、とても都合のいい切り替えをすることはあるが、それでもまだ「明日」あるしなっと思っている。

 「人生の残り時間を知りたい人」が参加していた。
そう思うときもある。けれども「あ、あなたまだ25年と10ヶ月ありますよ」と知ったら、私は変わるだろうか・・・
 ある日突然「お次はあなた」と神様に呼ばれたときに落ち着いて「はい」と答え、お世話になった皆に「ほな、さいなら」と言えるだろうか。

 私の書き込みを覗いていたツレアイがそれを「即今当処」というのであると、何やら難しく茶々を入れに来た。

とりあえず部屋の掃除と冷蔵庫の整理を「今」することにする。

「ほな!」

na-na @ 2008年 04月 10日 12:22:40

最初は、覗けたら覗きたい!!と思いましたが、参加したらとっても楽しい時間を過ごせたのね~。。またまた、まだ知らぬワークシップ。。

 「今」生きていること」、「今」しかないこと、これは芝居とか役者とかって事とは関係なく「生きている」ことと同じだと言われたー

言われて体験して・・・。
羨ましいです。。。
でも、いまこの時も『今』を生きているんですよね。

なにげない日常を当たり前に過ごせる事が、ありがたく、ずっと続くと思うけど・・・。いつか幻になる日がきますね。
自分の頭で考えて暮らせる間は、山下さんのフォログと「FICTION
ですね~。。(まだ見ぬFICTIONの劇ですが。。)

kumi @ 2008年 04月 10日 15:25:36

まだ知らぬワークシップ。。
ではなく、ワークショップでした。
辞書で調べたら、自首的活動方式で行う講習会でした。
今頃、ふむふむでした。 失礼いたしました。

kumi @ 2008年 04月 10日 19:55:42

そんな、辞書の意味ではなく、参加者の皆さんと想像を膨らました人の気持ちもまざってのワークショップなのかな~。話まとまらず、失礼いたします。

kumi @ 2008年 04月 10日 20:23:42

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プロフィール
山下澄人
(男)
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FICTION構成員の日々
「FICTION 」主宰。映像、ラジオドラマのシナリオも手がけ、2005年には初監督作品「ON THE ROCK」を発表。

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