公演終了

 長かった(そんなに長くはないけれど)公演が終わった。

 公演が終わると、疲れているのか、ていうか疲れているから、眠くて仕方がない。だからずっと寝ている。起きるときはお腹の空いたときで、この空腹感がまた

すごい。

 ぼくは若い頃、とても大食漢で、焼肉なら肉を1キロとご飯を丼で3杯も4杯も食べていたのだけど、そのときはお腹に別の生き物がいるかのような空腹感をいつもおぼえていて、そういう桁外れの空腹感はさすがに年と共におとろえていったのだけど、いまだ公演直後だけは、あの空腹感が襲いかかってくる。

 だから、とにかく寝ては食べて、寝ては食べてを繰り返しているのだけど、こういうとき、体が「機械」のように思えて、心地いい。

 今回は、稽古中に病気をした猫を公演中、家に留守番させていくのが気がかりで、とても心配していたのだけど、とても親切なペットシッターさんのおかげと、作戦を考えてくれた獣医さんと、猫自身のがんばりにより、全然何の問題もなくて、そのことに実は、いちばん「ほっ」としている。思わぬ出費で今もうろうろしているけど、ま、よかつたよかつた。

 病気といえば、メンバーにも病人がいて、彼はツアー中、1日おきに人工透析に通っていた。去年のツアーのときもそうしていたのだけど、そのときはまだ透析初心者で、どこまでの無理がきくのか自分でもわからなくて、大きく体調を崩したりして大変だったのだけど、今回はさすがに学習して、大きく体調を崩すこともなく、ぼくをはじめみんなにケガも病気もなく無事終えた。ま、これも、よかつたよかつた。

 公演を終えての、最初の感想がそんなことかよ、と思われるかもしれないけど、そんなことですよ。

 作品についての「どうのこうの」なんて、こんな終わってすぐ言葉になるようなものではないし、ていうか、いまだに自分らが今回何を作ったのかなんて全然わかってないし。もちろんいろいろと目論みや、思いはあったけど、それは今回のだけに限定した目論みや思いでもないし。

 昼間はまだ蝉が鳴いている。ツアー中の北海道も、20年近く通っていてはじめての「暑い9月」で、飛行機の上から見る雲の様子がこれまた見たことのない異様なもので。これらの仕業の全部が「人間」のせいなのかどうなのかぼくにはよくわからないけれど、確かに少し何かがおかしな気は、する。
 

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登録日:2008年 09月 18日 19:30:13

コメント

公演お疲れ様でした。
観に行けなくて本当に残念でした。

澄人さんのおうちの猫ちゃん、元気になりましたか?
周囲のサポートと猫ちゃん自身の頑張りで病気を克服出来たなら
何よりでした。私もうれしいです。

うちの愛犬も脾臓腫瘍と懸命に闘いながら「生きる」という事の
素晴らしさを教えてくれているような気がします。
少しずつ衰弱していますが、食べる執念はすごいです。

来年・・・来年のFICTIONの公演時は私は一人です。
必ず観に行きますね・・・って、鬼に笑われるか(;^-^A

ゆるり @ 2008年 09月 18日 23:09:12

まったく彼ら彼女らの執念はすごいものですよね。意思の力というのはようするに「生きる執念」だそうで、それは脳の中のいちばん原始的な部分がつかさどっているらしいです。ものすごい「うろ覚え」ですけど。だからトカゲやヘビにも「意思」はあるということ、らしいです。ちなみにうちの猫は「ごえもん」といいます。マンションの植え込みで鳴いてたのを拾いました。雄です。

山下 @ 2008年 09月 19日 01:51:28

とてもおもしろかったです。
終わったばかりで、わざわざ出ていただき有難うございました。
今ラジオ局をやっています。
是非機会があればご出演ください。

MARU @ 2008年 09月 19日 13:37:04

どーもー

山下 @ 2008年 09月 19日 14:59:49

「しんせかい」お疲れさまでした。富良野2回、札幌2回見せてもらいましたよ。
劇が変わる?宣言されていた通り、毎回変化がありFICTIONの演劇は本当に生き物なんだな~と実感しました。(全部見れなかった事を悔やむ)ただ、なんでしょう~この疲れ?な~にもしたくない感?
自分は見ていただけなのに。
もう行っちゃうか、また来年まで会えないと思うからなのか、
楽しい時間をもらった反動なのか、自分でも良くわからないのであります。(来年までサインしてもらったDVDを見て過ごします)
ありがとうございました。

黒ひげ @ 2008年 09月 19日 22:47:05

>人間の本質の部分とか・・人と人との距離とか・・本当に大切なことが心に伝わったな~
>何気ない会話、ババ(うんち)のとき、パンツの布一枚をはさんでのこっち側とそっち側のくさい話し・・紙一重の生と死に匹敵し、深いな~
>おかしくて笑ってるんだけど、何度も泣きそうになったさ~
>すごくおもしろかった!!五年前のわたしなら受け入れられなっかたかもしれないな・・何回も見たいよ~
私が誘った友人たちの「しんせかい」を味わったそれぞれの感想です。完全にfictionの魅力に引き寄せられている様子でした@
で・・・私の感想は・・ 受けとるものが自分という器からあふれだしているから、なかなかこれが適切に自分のきもちです、という上手い言葉がみつけられないのです。
ただ・・今わかることは、心に力をもらいました。。
時がたち、熟成されたら・・また何かを伝えられたらと思います。
では、また~
お疲れ様でしたm(__)m

mame @ 2008年 09月 20日 01:36:59

富良野は体験していないのですが、今回3ヶ所観たことで、札幌では様々な方にその違いを尋ねられ、その知りたいこととは具体的な変化だと思いましたが、その場ではなかなか上手く説明しきれなかったので、私の感じたことも込みでコメント欄に記させて頂きます。
ちょ~~長いです^_^; 携帯の人ごめんね。

★東京(土曜昼・日曜昼千秋楽)

コタニの竹内さんは普通の人の芝居ができる。だてに富良野塾出身の山下さんの後輩じゃない(笑)最終日まで一貫して、安定した微妙なネットカフェ難民だった。顔もいい顔になってた~マスク取った時、工場で体験したことが、表情にも表れているようにいい顔をしていた。
オオキが乞食にお茶を当然のように買ってきてあげるあたりなんか、へ~、こんなに素直で優しい演出なんて、意外~(笑)とか思ってしまった。あんなストレートに優しいのは初めてじゃないかな?もちろん、その後の展開に必要な印象さだったわけですけれど。山下さんの変化を感じ、ちょっと心が落ち着かない。工場に来て、オオキの病気が発覚してから、土曜の昼公演はどこか劇の雰囲気が失速して、というか、ちょっと普通の芝居っぽく感じて、いつもの力強いFICTIONカラーがどことなく薄れ、山の上でミチコが口ずさみ始めて皆の歌。もちろんいたるところでおもしろく笑ったのだけれど、最後に残る気持ちが、ひっかかりもなく終わってしまった。アレ???今のFICTIONだった??? だけど、最終日では前日に全く感じられなかった空気。綺麗な夕焼けの中で皆が思わず歌ってしまった空気が、今までに無い、穏やかでしっとりとした雰囲気を漂わせていた。ミチコの声が裏返りながらかまわず歌い続けるさまがとてもよかった。東京でしかなかったけれど、コタニが最後の公園の所で、うろ覚えに口ずさみながら…なんていうのも、ちょっとしんみりして、今までのFICTIONとは違う…叙情的雰囲気が全面に出ていた優しい東京だった。FICTIONはどこへ向かおうとしているのだろう。もともと行くなら旭川と去年から決めていたけれど…「どんどん変化していきます。どうなるか今はボクにもわからない」とあっけらかんとした終演後の山下さんの言葉にあ然とする私…ここまできたら、じゃ~札幌も行くかっ。
私の中での最優秀賞はミチコの福島さん、とても演技にキレがあった(*^_^*)

★旭川(初日)

しばしの新たな稽古期間と大きな富良野の劇場を経てきた良さが作品に厚みを増していた。
各所セリフが足され変更され、演出がだいぶ変更されていて、受け取る印象もラストまで丁寧に力強いFICTION全開となっていて、とても嬉しかったし、猛烈にすっきりして、楽しんだ。シアターコアのアットホームな雰囲気もまた、くつろいでどっぷり作品に浸れた要因と思われる。席数に関係なく、FICTIONの劇はとても誠実で、迫力を惜んではいなかった。そんなところがより嬉しく、感動ひとしおだった。
東京では、控えめな美少年アレクが、お髭でワイルドになって、より濃い熱い眼差しで良かった。東京ってコタニにkissしてたっけ?(笑)
ミウラは、どことなく男らしさが増していたし。
東京ではストレートヘアーのオオキも、パンチ系パーマと無精髭のちょいワル感じで、あの工場の人らしい風貌だったし。
相変わらず、ミチコは海からやってきてカッコいい(笑)
イケタニが骨を折ったことを謝るトコは、東京の平謝りがどうしてもしっくりこなかったけれど、旭川では、謝りつつ態度が照れて横柄な感じ(笑)がとってもキャラにあっていて、すごく嬉しかったし。「めんどくさい」も、はっきり自問自答している風になって丁寧に意味合いを表現していてスッキリしてた。
これぞFICTIONという力強さで、ラストまで言うこと無かった。
だたひとつ…歌の所が、元気よく、ちょっと軽く踊りも入ったりして、東京とはまるっきり違い、大きい舞台の富良野の名残り?主旨がえ?と思ったけれど、それはそれで全体の印象からすれば、当然だったように思えた。
私の大好きなFICTIONがそこにいた。
(つづく)

kiki @ 2008年 09月 21日 01:35:07

(つづき)
★札幌(千秋楽)

コタニがココに来て、微妙に芝居を繊細に深く演じていた。後ろの人わかったかな… あと、お弁当も、くちゃくちゃ食べるものから、口いっぱいにほお張る食べ方に変わっていた。どちらにしても、年配者には受け入れがたい食べ方には違いない(笑) これから変化していくコタニの人物をよく表現し、位牌への礼節が更にそれらを擁護して、心の変化の取っ掛かりとしている風に感じられる。ここは最初から一貫して変わらない。
旭川まで、小さなダンボールの切れ端に腰を下ろしていた乞食が、客席からの目線の配慮のために、30センチ角ほどの小さな箱の上に座っていた。片ヒザ立てたあの座り方で。それに絶対に装飾されたダンボールの断面がスネに刺さって痛いはず…しかも寒いのか、鳥肌だった。それをずっと続けるのかと思ったら、もうツボにはまってしまって、どうにも笑いが止まらなくて見ないようにしようと思ったけど、乞食もオオキとコタニに合わせて微妙に動いているから、ついつい見てしまって…一度立って、又座る時なんか、ちゃんと乗れるかな~ってじっと見てしまった。だれっこんな演出するのっっ(笑)最高でした、まったくもぉ~(笑)
ミチコはツアーが進むごとに迫力を増していた☆
千秋楽では、初見からお気に入りだった山下さんとカニとの会話?がちょっと短くて、アサリ界では有りかもしれない?…だから、オレはアサリが嫌いやねん…まで聞けなくて残念(笑)
全体的には、東京から考えると、セリフや細かい演技が1.5倍ぐらいになって、厚みと深みが増していた。さしあたり、東京のミウラとアレクは、釣りの場面ではミチコの話をするまで確か視線すらも微動だにしておらず、それはそれでおもしろかった。
札幌のは、少しコミック的で、若い観客に大ウケだったように感じた。にもかかわらず、私が東京からとても気になっていたFICTIONらしい本編と劇場をあったかく包む歌との融合が、ここ札幌では、復活していて、それは、とてもツアーをした意味も感じられて、どこを切り取っても力強いFICTIONで、泣きそうになるくらい素晴らしい歌だった。ミチコの歌い方がとても左右するし、それに乗るみんなの歌い方も微妙な加減で雰囲気が変化する。やったじゃん山下さんってひとり納得した。

北海道では去年、東京ではお馴染みの楽屋映像がなかった気がする、あれあると、いよいよ~って感じで楽しい。東京ではほとんど映らない山下さんが、北海道では、楽屋の配置のせいか、よく映っていた。札幌では、山下さんと山田さんが映っていて、どこか一点を見つめるようにぼーっとしていて、ウロウロする茜ちゃんを視線でチラ見する程度で、かまう余裕が感じられない(笑)そうとう疲れているのか?(笑) 旭川では、あんなに和気あいあいと楽しそうだったのに(笑) セリフもかなりもつれた感があったけれど、それすらもおかしくて、全然劇にはマイナスじゃなくて、それより、どこもかしこも余力を残そうなんて感じられないほど、素晴らしい千秋楽だった。やっぱりFICTIONには激しく、力の限り…が似合う。やっている方は大変だろうけれど。
(つづく)

kiki @ 2008年 09月 21日 01:42:08

(つづき)
昨年の『石のうら』の時に、東京と札幌楽日という生まれて初めての2回観劇を体験しました。楽日は力的にパワーアップはしていたけれど、その時は、FICTIONは細かいアドリブ風要素すらも同じに繰り広げられる、実はすごい安定した劇団!!…だと思いました。
でも、『しんせかい』は違った…??? 本当はいつもそうなのか?たまたま『石のうら』は同じ感じの時にあたったのか?でも、DVDを観てもやっぱりそれほど違いを感じない。
そんな疑問も残る、まったくめまぐるしい『しんせかい』でした。

私の印象深いポイントで書きました。
観た人と、山下さんやFICTIONの話をしていてよく耳にしたのは「すごく笑えておもしろんだけれど、考えさせられる」という言葉でした。今回も沢山の人達の心に、それは残されていったのだろうと思える素直であったかい劇でした。
生きること、死ぬこと…意味をつけたがるのは人だけ。この世に存在している間に、その答えはみつけられるのだろうか。そして正解はあるのか。でも、生きる楽しさ、苦しさ、悲しさのいちいちに意味を感じたい…それが人であることの意味ではないのか。人は自由であることに不安を覚えるのかもしれない。何かの意味合いにつかまって安心していたいのだ。こうしてコメントすることも、人であるからなのだろうし。ブログなんて、人しかしないし(笑) プライベートでブログを発信している人は、そこに何を記したいのだろう。自分の単なる日記なのか、不特定多数と前提にしつつも、意外と特定の誰かにあてた普段言えないメッセージなのかも…そんなことを感じる知り合いのブログもあった。
創作の芯については、おいおい山下さんが触れて下さると、楽しみにしています
(^_^)/~~~(終)

kiki @ 2008年 09月 21日 01:44:39

 創作人・山下澄人は、使われる人ではなく、創り出す人なのだと思っている。
 商業的な視点から言えば、要求をこなし、更に、作り出すものの見た目の進化・変化を求められるのだろうけれど、こんなにたくさんの作り手がいる中で、なぜ一人の中で、あれもこれも広げなければならないのか…。そういうことをおもしろいと思う作り手もいるのだろうけれど、世間の流行り、制作サイドの思惑に、大切な何かが消えていくような気がする。それは、あとになって、取り返しができない大切な時間かもしれないのに…
 万人に受け入れられないかもしれない。でも確実に山下澄人という創作人は求められている。観ている人のとても深い様々なところで。
 そして、ワークショップに参加した人達との距離は、とても密接で、参加経験者にうっとりと慕われる山下さんが、どうしたものか…と戸惑っているうろたえぶりが…笑えた。逆にあまのじゃくな対応をする、そんなトコもきっと惚れられている理由の一つに違いない。どうやったって、うっとりされるのだから、そのうち慣れるのか…(笑) ちなみに、メンバーの山田さんなら、きっと苦も無く褒められ上手全開に違いない(笑)想像だけれど。
 とても深いところで、創作人・山下澄人は必要とされている。
 だれが何と言おうと、いーんです、これまでのスタンスで。
 あなたが流されないでいる限り、もしかしたら狭い範囲ではあるかもしれないけれど、それでも心から求め続ける人達は確実にいる。
 創作人として、それ以上のものがあるのだろうか。いつまでも、その山下澄人でいて下さい。そしてファンは、あなたの変化をも楽しみにしている。
 みんなが、あなたを愛してやまないと感じる旭川・札幌観劇の日々でした。

kiki @ 2008年 09月 21日 01:50:52

札幌見ました。kikiさんの感想を読んで、見てからずっと言葉にならずにただよっていた色々が、突然動きだしたような気がします。演劇を見るということがこんなに素敵なことだったのかと興奮しています。山下さん。メンバーのみなさん。関係者のみなさん。それからkikiさん。ありがとう。

むろた @ 2008年 09月 21日 02:04:54

短編小説のような感想。すげー。それに対する、ていうか作品についてのいろいろはおいおい本文で、書いていこうと思います。ゆっくり、おいおいに。

山下 @ 2008年 09月 21日 03:37:25

本文より長いぜコメント!

ロンロン @ 2008年 09月 21日 22:24:13

ロンロンさんも長いの書いてよ。ははは

山下 @ 2008年 09月 22日 01:23:47

コメント数14っていったい・・・・。(ごめんなさい。私がフォログのぞく限りでは、最多なので。)じっくり、よくよくコメント読んで、頭の中は、北海道での公演の場面がふくらみます。ああ~私も何回かに分けて見て見たいよ~。。
おいおいの山下さんのお話しを、ゆっくり創造してみたいです。
劇を見て、二度美味しい
なんて、楽しみです。

kumi @ 2008年 09月 22日 11:06:19

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プロフィール
山下澄人
FICTION WEB
FICTION構成員の日々
「FICTION 」主宰。映像、ラジオドラマのシナリオも手がけ、2005年には初監督作品「ON THE ROCK」を発表。

E-mail:yamashita@fiction.gr.jp
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