稽古休み
【6月30日 AFP】急逝したマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)さんが7月に予定していた復活コンサート「ディス・イズ・イット(This Is It)」のプロモーターAEGライブ(AEG Live)は30日、ジャクソンさんが死亡する2日前の写真を公開した。写真は23日に撮影されたもので、ジャクソンさんがロサンゼルス(Los Angeles)のステープルズ・ センター(Staples Center)でリハーサルをしているところが写っている。(c)AFP/AEG/WireImage.com
おとといから稽古という名の雑談ではない稽古が、はじまった。
いつもそうだといえばそうなのだけど、それでもいつも以上に「先の見えない」進め方でここまで来ているので、もちろんいまだ先は見えてなくて、
だから、ようするに、今のこれが「どんな話」なのかもわからなくて、そんなあんた作る人が無責任な、とかいわれそうだけど、そうなのだから仕方がないし、正直、今は、もうそういうものしか、おもしろいと思えなくなっている。
ぼくは結局、ろくに学校で勉強もせず、人のいうことも聞かず、苦労もせず、好きなことだけをしてここまで来ているから、外に手本のあるものに、興味がない。外に手本のあるものに興味がないから、「うまい」とかいわれたい願望が、ない。もちろんだから、同じ理由で「へた」とかいわれても傷つかない。
ちなみに、それは「ナイーブ」になりようがないということだと、最近気がついた。「だめ」か「いいか」の判断が、外にはないから、何ていうか、外から傷つけられようがない。ということは傷つきようがない、ということで、だから「ナイーブ」になりようがない。で、「ナイーブ」じゃないから「ストレス」もない。
先の見えないものを稽古していると、演出もして出演もするぼくや、出演者たちのひとつひとつの動きが、全体としてどこに向っているのかを知らない、人の体や大きな機械の部品みたいに思えてくる。劇がどこに向っているかわからないから、演じている役が何を考えているのか、どうしようとしているのかがわからない。わからないから、その役の細かな外見と、その外見の持ち主にどんな音が聞こえていて、立っている場所がどうなっていて、何が目に見えていて、そのときの天気はどうで、みたいなことだけしかなくなってくる。だけど、そこでその人がそうすることの「何で」かはわからないのに、「そいつは絶対にそうする」もしくは「そうしない」ということだけは、稽古に参加している誰でもが見てるとわかる。それが「何故なのか」はわからないけど、見てるとわかる。で、そのことがすごくおもしろい。ほんとにおもしろい。
それをこのまま続けたくて、終わらせたくなくて、だから、まあたぶん、こうしてせっかくの稽古休みに、書くべきであろう台本の最後を書かずに、こうしてこれを書いている、とかいうと冗談みたいだけど、ほんとにそう。
全然、話は変わるけど、今年の春に札幌と川崎でワークショップをやって、で、その後、参加者たちから手紙をもらったり、メールをもらったりするのだけど、それの全部が女の人なのが、おかしい。それはまあ、もしかしたらぼくが男で、それも「おおこらっ」タイプで、そういうときは異性の方が気楽でいい、という側面があるのかもしれないけど、それでもだけどたぶん、男の人は基本的に、それも役者みたいなものに興味を持つ男の人はとくに、そういうところを、いろいろ考え過ぎて、躊躇する人が多い気がする。ぼくはでも、昔から、口にしない人の気持ちが読めないから、馴れ馴れしい人とかの方がわかりやすくていいし、なのでそのへんはあまり遠慮とかなく、してもらった方がいいし、ていうかあの、男の人、ご遠慮なく。ていうのも、おかしいか。おかしいな。
明日も稽古は休みなので、3ヶ月ぐらい放置していた髪の毛を切りにいくつもり。
もちろんもちろん、台本の続きも、どうにかするつもり。
マイケルジャクソンでいつも思い出すのは、フィンガー5がすごく人気だった小学生のとき、フィンガー5で盛り上がっていたクラスの一部の女子に「あんなもんジャクソン5のパクりやん」と冷たく言い放った、基本、単独で動いていた、クラスの誰よりも大きかった女子と、「ジャクソン」が聞き取れず「シャクドンて誰」と不貞腐れて聞き返した、その一部の女子のリーダー格の、のちにものすごい不良になった女子のこと。
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登録日:2009年 07月 01日 19:22:50
コメント
>そこでその人がそうすることの「何で」かはわからないのに、「そいつは絶対にそうする」もしくは「そうしない」ということだけは、稽古に参加している誰でもが見てるとわかる。それが「何故なのか」はわからないけど、見てるとわかる。で、そのことがすごくおもしろい。ほんとにおもしろい。
これ、いいですねー。最高。
そこにいる「人」の「何か」もしくは「すべて」が目に飛び込んできたときに、自分がうけとる決定的な印象というか、一瞬。この「人」を見ているのが最高におもしろい。このおもしろさが、良いも悪いも、筋あり、筋なしも関係のない、どこを切り取ってみても「おもしろい」私が大好きなFICTIONの劇です。それが今つくられている。わくわく♪
それと、
>「だめ」か「いいか」の判断が、外にはないから、何ていうか、外から傷つけられようがない。ということは傷つきようがない。
カッコイイですね。このぶれない内なる強さが他には決してない山下ワールドをつくりだしているのですね。
でも、風邪と腰痛には弱い?山下さん、
メンバーの皆さんと共に怒涛の日々を乗り切ってくださいね。
楽しみにしています。
なな @ 2009年 07月 01日 21:53:48
舞台でもテレビでも映画でも、とにかく一番つまらないのは「予定調和」。
調和=バランス、、っていう言葉は、とかく良いものの代名詞のように使われるけれど、それはたぶん大間違いだと思う。
バランスがとれているものと言うのは、もしそれが完璧なバランスだとしたら、何のエネルギーも生み出すことはないのだ。成長することもなく、そこからは何も生まれないと断言してもいい。
逆に、アンバランスの中にこそエネルギーの源があることは、大袈裟だけど、この宇宙の始まり方がそれを証明している。物質と反物質が同じぐらい存在していて、それがぶつかりお互い同量だけを打ち消しあった。でもほんの僅かだけ物質の方が多かった。そのアンバランスによって残った物質がこの今の宇宙を作り出しているのだ。
そして成長にもアンバランスは欠かせない要素ということが言える。
それはいわゆる「F分の1のゆらぎ」となって現れる。
水道の蛇口をゆっくりひねりながら水を出して行く。最初は細く徐々に水流は太くなって行くが、一瞬、水流が大きく乱れ、そして再び安定し、次の段階の太さへと成長して行く。そのアンバランスの一瞬が成長のための「ゆらぎ」だ。人生に置き換えるとたぶん「反抗期」と言われるようなものがそうじゃないかと勝手に思ってる(笑)。
それよりボクが面白いと思うのは、単にアンバランスというだけではなく、本当にどうなるか分らない状態、物理学が沈黙してしまう「特異点」だ。こないだ話題にした収縮宇宙の果てのビッグクランチによる特異点もそうだが、、、。
針を一本上に向けて立てその上にピンポン玉をバランスよく(笑)置いた状態。それも特異点だ。
いくらバランスよく置いてもピンポン玉は必ず落ちる。但し、どちらの方向に落ちるか、その予測はできない。全ての可能性を秘め、全方向に落ちる可能性があるのだ。
そんな感じのピンポン玉みたいな舞台って、どんなに面白いのー!(笑)。
いや、せめて「ゆらぎ」を感じさせる舞台でもいい。
「感動」とは、感情の中に一瞬起こる「ゆらぎ」そのものなのだから。
がぶん@@ @ 2009年 07月 02日 00:10:55
>髪の毛を切りにいくつもり
ばっさり短髪でお願いします(笑)
ぜーったい、カッコいーから(*^_^*)
で、クーラーで、風邪ひかないで下さいね(笑)
kiki @ 2009年 07月 02日 15:37:39
散髪へ行って、帰りにCD屋によって、CDと本を買って帰ってきました。ものすごく、休みの日、という感じがして、すごくいい感じなのだけど、ただ、休み休み、とはしゃぐほど、ふだん、休みのない忙しい生活をしているわけではないです。あはははは。
山下 @ 2009年 07月 02日 19:44:01
もう一度ちゃんと書こう(笑)。
今度の公演には、保坂以外にもシラサコ君のご要望に応えて柴崎友香に声かけましたんで来ると思います。そうするとなりゆき上イソケンこと磯崎憲一郎も来たがるんで(笑)、いま声かけてます。
で、みなさんご存知ないかもしれないので、、、
それぞれみんな小説家ですけど、、ま、保坂和志のことは知ってる前提で(笑)、イソケンは今芥川賞候補(7/15選考)になったんで、公演見に来るときに芥川賞作家になってるかどうか楽しみです。去年も候補にはなったんですけど。
で、柴崎友香も過去数年の間に芥川賞候補2回、三島由紀夫賞候補にもなったことのある実力派。「きょうのできごと」は行定勲監督で映画にもなってます。
、、、というかなり面白いメンツが揃いそうです、、、もちろん、ボクやがじん(ヤクザ)やけいと親子も参加の予定。。。
枡野浩一(歌人)や偽日記の古谷利裕もなるべくスケジュール合わせて一緒の日になればいいかなと思ってるけど、これはまだ未定。
で、どうせなら知ってる人も知らない人も、山下組のみんなも一緒にパーッとやろうぜ!
すげー人数になるかもー(笑)。
で、今んとこ一番有力なのは7/26(最終日?)。
ま、その日のスケジュールみんな無事に空いてるかどうか、、いまはちょっと分らないけどね(笑)。
がぶん@@ @ 2009年 07月 04日 01:21:48
すごい。ていうか、ちょっとこわい(笑)。
磯崎さん芥川とれるといいですねぇ。候補作は読んでないけど、デビュー作の『肝心の子供』はすごくよかったし、柴崎さんは『その街の今は』がよかった。普通の小説が「うそくさくてきらい」とかいう人で、それでも何か読みたいと思っている人がいたら両者ともおすすめです。もちろん保坂さんの作品も。
山下 @ 2009年 07月 04日 05:06:30
以前、がぶん@@さんのコメントに「心がニュートラルな状態が嫌い」みたいなことが書いてあって、その時のわたしは「え~そうなの?」とニュートラル好き派だったのですが、
>バランスがとれているものと言うのは、もしそれが完璧なバランスだとしたら、何のエネルギーも生み出すことはないのだ。成長することもなく、そこからは何も生まれないと断言してもいい。
というのを読んで、「たしかに!心がニュートルな状態って穏やかだけど、、、なんだか休憩中って感じだもんなあ」とか、「そっかあ、、、心がニュートラルなときって、単に次に来るアンバラス待ちなのかも」とか、今回もがぶん@@さんのコメントを、まるで美味しい飴のように、じっくり味わう数日間でした。がぶん@@さん、ごちそうさまでした!
>もちろん保坂さんの作品も。
以前、山下さんが紹介していた「書きあぐねている人のための小説入門」、目次を読んだだけで、もう「保坂さんが保坂さんでいてくれて、ありがとう!」って保坂さんと握手したくなるくらい、とっても良かったです。、、、わかりにくいか。わはは。
ゆうこちゃん @ 2009年 07月 04日 20:21:04
>「たしかに!心がニュートルな状態って穏やかだけど、、、なんだか休憩中って感じだもんなあ」
そうそうニュートル(笑)ってたいくつ。
近所で火事でも起きればもうワクワクしちゃって、、、もっとも、あの時の火事は別だけど。
今は鎌倉の極楽寺という所に住んでいるんだけど、その直前はやはり鎌倉の稲村ガ崎というところに住んでいた。歩いて10分程度の距離。ま、裁判所による強制執行ってので追い出されて無理矢理引っ越したんだけどね(笑)。
まとにかく、それは稲村から極楽寺に引っ越して2週間くらい経ったころのこと。
ある夜、やけに消防車のサイレンがうるさいので、ん〜どこだろう?と思っていたところ、元女房から電話掛かって来て「なにしてんの!元のあんたん家が火事よー!」って。「え〜!もう空き家なのに?」。一瞬にしてそれは放火だと思った。
その時はさすがに見に行く気にはなれませんでした(笑)。放火と勝手に断定してたから、もし行って疑われたらどうしよう、、って。動機ありそうじゃん、強制執行だし(笑)。
で、仕方ないんで、その火事になっている家から五分くらいの所に住んでいる「けいと(保坂HPの編集長)」に電話したんだけど、さすがに近所だからもう知ってて、、、、一人で見に行くのなんか怖いからダンナと一緒に行って来ると。
現場はもう全焼状態なんだけれど、敷地内の駐車場に自転車が一台、それも大小田(けいとの名字)と白マジックで見て取れて、「あ”〜うちの娘の自転車が〜!」と思うものの、この不審な火事と関連づけられるのもなんかいや〜な予感がして、結局名乗りでることもせず、そ〜っと家に帰ったそうです(笑)。
いや〜、ふつーの空き家よりよく燃えてたそうです。
そりゃそのはず。裁判所の執行官が、家を出る時には必要なものは全部持ち出してけっこうです。いらないものは全部置いていってもらってけっこうですから、、、っていうもんだから、、、近所の友達みんなに声かけて、いらないものあったらなんでもうちの庭に捨てに来ていいよー、裁判所のお墨付きだから、と言ったら集まる集まる(笑)、タンスやらテーブルやら大型家電やら、タイヤやら、とにかく庭はすっかり粗大ゴミの山と化していたのだ。
それから、いつかおそらく警察がボクの家にも事情を尋ねに、もしかしてけいとの家にも、、、と思っていたのだが一向に誰も尋ねてこない、そしてついに一度も来ぬまま終わった。
そのかわり、尋ねて行ったのは稲村の家に出入りしていた稲村駅前のプロパンやら石油やらの燃料業者。いつだったかコンビニで偶然そこのおかみさんに会った時に、当然その話題になった。
「まったくさー!あの火事の後、現場で不審な人物を見かけたって隣の◯◯が通報して、それがどうやらうちの亭主らしいってことになって、、そりゃそうだわよー、高瀬さんのとこのガスタンクを撤収するための調査なんだから、、もうっ!、でね、おまわりさんが来て、、あれは放火、しかも台所のガラス戸を開けて外から石油をまいて火をつけるという悪質なものらしい、っていうの」
、、、、この話は今もって謎のままなのだ。
犯人は誰か? 元の住人かそれともプロパン屋か(笑)、それとも、、、、。
実はその火事があった当日、空き屋となったその家を解体する予定だったそうなのだが、雨が降って中止になったと。
でも全焼なら解体の手間は省けるし、火災保険も大家には降りるだろうな〜、、。
どう、このミステリー、それにしても警察、一回くらい事情聞きに来てくれれば、いいたいくつしのぎになったのに(笑)。
がぶん@@ @ 2009年 07月 05日 00:04:34
台本の先を考えつつ、稽古の日々。
だけどこの時期は、夕方からはじまる稽古に向う道すがらが、まだ明るくて、涼しくてとても気持ちいい。ま、稽古場に入るといきなりどんよりとするのだけど。それでもここまでの調子は悪くないから、かなりいいものになるんじゃないかと、思う。
で、うん。確かに「ニュートラル」って退屈。ていうか「ニュートラル」っていう言葉の響きが、すでに退屈。
山下 @ 2009年 07月 06日 01:56:15
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