行き着く先は

仏最高齢の女性、112歳でまだまだ元気 - フランス

【カンヌ/フランス 23日 AFP】フランス国立衛生医学研究所(INSERM)は22日、112歳のマリーシモン・カポニー(Marie-Simone Capony)さんが同国の最高齢となったと発表した。それまでの最高齢者カミル・ロワゾ(Camille Loiseau)さんは19日に114歳6か月で亡くなった。これまでの長寿世界一は、1997年に122歳で亡くなったフランスの女性ジャンヌ・カルマン(Jeanne Calment)さん。写真は同日、カンヌ(Cannes)の自宅で笑顔で写真撮影に応じるカポニーさん。(c)AFP/PASCAL GUYOT

AFPBB News


最近有料老人ホームやグループホームを取材で回っている。

どこも若い人がたくさん、そして生き生きと働いていて、若者の雇用創出の場になっているんだと実感している。高齢化社会も役に立っていることがあるんだとどこかで安心できる。
その反面、暗い気持ちになるのを抑えられないのは自分が人生の半分を過ぎ、行き着く先が見えるからだろうか。

いや、有料老人ホームに行き着けるわけがないから暗い気持ちになるのかもしれない。

<どこに行けるのか>

これからの高齢者介護は所得による住み分けがどんどん進められているのをご存知だろうか。

いわゆる「老人病院」、そう、死ぬまで入っていられる「療養型病院」というものは今病床数がグッと減らされている。いわゆる「社会的入院」をしている人に退院を勧めているのだが、今のところは別病院を紹介しているところもあるらしいが、紹介する先の病院自体が病床数を減らされているんだから、すぐに行き詰るのは見えている。となると家に帰るのか、帰れないからこうしているんだろうに。

ちなみに療養型病院ってただ寝かされているイメージと違って結構お金はかかるのだ。サービス業とは思えない待遇なのになんでこんなに、というほどかかります。オムツ代などが加算されるためですが、病院によってずいぶん違ってくるらしい。合算すると月に15万前後らしいから、やっていけないぞ、私にはとても。

で、所得の低い人は(というかこれが普通だよな)特別養護老人ホームがあるわけですね。
もちろん、何ヶ月も何年も待つのを覚悟しないといけない。当然だが、要介護度が高い人がたぶん優先されているらしい。でもコネは絶対あるよな。

で、所得がもうちょっとあるなら「ケアハウス」。これなら軽費老人ホームだからちょっとはマシか。ケアハウスについてはあまり詳しくないのでここではコメントはしませんが。

介護老人保健施設というのもあります。しかし、これはリハビリをしながら家に戻ることを前提としているので、3ヶ月を目安に退所を勧告されます。今実母が入っているのがこれなのですが、ここもどんどん値上がりしている。食費だとか、院内感染を防ぐためのレンタル衣料代などと言っては値上げが相次いで、合計すると月に20万円は払っている。
年金が比較的潤沢な母世代でもこの出費が続けば、貯金を取り崩して何歳まで持つか、といった恐怖と隣あわせだ。

<恵まれているはず・・・なんだけど>

で、本当に財産が潤沢な方が入るのが有料老人ホーム、ということになるのだ。この施設をいくつか取材したのだが、確かに施設的には立派だし、食事もすばらしい。そりゃ、入居時に終身利用で1000万(!)近く払っていたら、食事がよくて施設もきれいじゃないと詐欺ですよ。
(いやー、しかし1000万払ってももちろんそれで終わりじゃない。毎月20万近く払い、病気になれば別途治療費を払い、介護が必要になればまた別途。
いったいどれだけ収入が、貯金が、財産があればそんな莫大な金額を払い続けられるんだろう?)

しかしね・・・なんだか悲しいのだ。そんな恵まれている施設でも、なぜか。

すばらしい施設で、もし排泄時に粗相してもトイレ前にあるミストシャワー室で汚れをすぐ落とせて、そのまま前にあるエレベーターで人目に触れないように階下の浴室に直行して洗ってもらえて、汚れ物もすぐ脱臭装置のある機械に放り込んでもらっても。

なんだか、入所している老人自体が社会の目にさらさないように処理された汚れ物のような気がしてくるのだ。施設全体が体(てい)のいい汚物処理室、といったら言い過ぎですよね。でも・・・。

敬老会のイベントで、職員と入居者しかいない食堂にボランティアの人が来てハーモニカを吹いていたんですが、それが入居者より年上のじいさんで、ハーモニカの物悲しい響きとあいまってどうにもいたたまれなかった。

<どこに戻る?>

印象的だったこと。
認知症のお年寄りの部屋を見せてもらったら、お布団に縫いぐるみの人形が3体並んで寝かせてあった。
「こうやって親子で川の字になって寝ているんですよ。人生の一番いい時期に戻っているんですね」という施設長さんの言葉に、取材中というのに不覚にも涙ぐんでしまった。
女のいい時期って結局そこに終結するのかね。複雑だ。

カテゴリー[ 独断と偏見・時事 ], コメント[8], トラックバック[0]
登録日:2006年 09月 22日 21:22:51

コメント

特養にブラスバンドの子たちを連れて慰問に行ったことがあります。皆で押し黙って帰ってきました。この春卒業した子が特養で働いています。一所懸命やればやるほど、先輩たちにいじめられると言っていました。複雑です。

夢のまた夢テツ @ 2006年 09月 23日 10:31:29

テツさま

押し黙って・・・よーくわかる。
取材すればするほど、どーんと引きずり込まれるような疲れがたまっていくの。
エネルギーを吸い取られるのだろうか?
若い子の情熱が冷めてただのルーティンワークになるのがコワい。せっかく高い希望を持ってこの仕事についてくれたのに。

すずか @ 2006年 09月 23日 15:47:24

すずかさんのブログ、あまりにも読み応えがあって
絶句しました。
こういう視点では、なかなか自分にはかけないと思います。
いや、日本の現実を見たくないのか。
このジャンルに関しては、事実をきちんと見すえて、自分の意見を言えるほどの頭もないし・・・、いずれにしても、自分がなんか恥ずかしい存在のような気がしました。ここにあることは、未来の自分自身かもしれないのに。

くぼ@赤ウサギ @ 2006年 09月 24日 00:26:59

くぼさま

恐縮です。←梨本サン
いや、経験してみないとわからないことばかりです。
それでもあまりに複雑で、専門家でも知らなかったり、職員さんでも人によって言うことが違ったりということもいっぱい。
利用者はもっとわからない。とまどう。
お金だけはどんどん出て行きます。
自分の老後がコワイです。

すずか @ 2006年 09月 24日 08:34:31

 
老後すらも、「勝ち組」と「負け組」に分別されるのですね…。
「勝ち組」「負け組」といった概念は大っ嫌いなのですが、こうした現実を目
の当たりにすると、否応無しに分別されゆくのだな、と痛感させられます。

私の理想の「死に場所」は、勿論競馬場です。
老いるまで何とか生き延びて、潤沢とまでは言えないまでも毎週、競馬を
楽しめるだけの資金を蓄えて、競馬新聞が読めなくなったり、馬名が憶え
られなくなったりする前に、ゴール前で「粘れ!粘れ!!」と絶叫して脳の
スイッチが切れて、絶命。

…以前は冗談半分に語っていましたが、最近は本当にこんな死に方が、
一番理想的なのかも、と思うようになってきました。
 

高瀬 @ 2006年 09月 25日 19:12:49

高瀬さま

そう。地獄の沙汰も金次第、は真です。泣
だからウマで当てて、死ねたら本望か。笑
実際は老醜をさらしながら、生きるのです。

すずか @ 2006年 09月 25日 19:19:06

うちでは、間もなく80に近い年寄を3人も抱えてる。
取り敢えず、施設には世話になってないが、
いつ世話になってもおかしくない~

そういう、自分だってそんなに遠い未来じゃない。
どうする?これから
さあ、どうする?

骨折hide @ 2006年 09月 27日 23:29:38

hideさま

骨折をおしてのカキコ、ありがたくて涙。ううう。
でもね・・・親たちもそうだけど、hideさんも自分の体もいたわりながらやらないと。こないだは腰、今度は骨折じゃ親より先に介護する側が参ってしまうぞー。

すずか @ 2006年 09月 28日 19:44:10

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プロフィール
さかぐち すずか
(女)
福岡は玄界灘に面した町で生まれ育つ。
九州大学卒業後、国と外郭団体にて女性労働行政に携わった後、大学の生涯学習研究所や弱小業界紙、大手進学塾の採点室を経て、現在、ライター&介護生活佳境&3人の子育て終盤戦。
「女・年寄り・子ども」の視点から、介護・おシゴト・受験・ちょこっとエコについて書いています。
なにごとも物事をナナメから見てしまうのが長所でもあり短所でもあります。

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