開発も保全もエゴではないのか
【グワハティ/インド 24日 AFP】インド北東部のアッサム(Assam)州では、空腹の象が人間を襲撃し、多数の死亡者が出ている。
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(c)AFP
土地には記憶が宿るという。「地霊」というのだそうだ。
そんな記憶も断ち切って開発を続けて来た日本である。
しかし、何かの拍子に土地の記憶を感じることがある。
私が住んでいる場所がそうだ。森の記憶を確かに感じた。地縁も血縁もない場所で住まいを探していた時に感じたこの森の記憶。それだけで家をここに建てようと決めたのだ。
森を破壊し、宅地開発し、そこに住む人間が何を勝手な、とかつて森であった土地の霊は笑うだろうか。
近くの里山のひとつがそっくりなくなろうとしている。
相続の関係で地権者が手放した里山がつぶされ、40戸以上の家が建つという計画だ。
<開発許可の取り消しを求めて>
市内で活動する縁を守る団体や、地元民は動植物生息や景観など緑地保護の重要性と周辺住宅に水が流れ込む危険性を訴え市に里山の買取を求めていたが、予算がないとし、開発許可を出したのだった。
そこで、住民は県開発審査会に市の開発許可の取り消しを求めた審査請求を要求。宅地造成に伴う里山付近の市街化調整区を通って開通させる宅地までの接続道路が、開発区域に含まれないという市の判断は都市計画法に反すると主張した。
これを受け審査会は先日、開発許可の取り消しを決定した。開発許可の取り消し、県では始めてだという。
審査会を傍聴した市民の話では、かなり厳しく市が追求されていたのに驚いたとのことだった。それでも開発許可の取り消しは前例がなかったし、活動団体にもあきらめムードが漂っていたのだが、この画期的判断である。前例のない開発許可の取り消しという決定はともすれば事業者の側に偏りがちな行政の態度としては大いに評価できよう。
もちろん開発業者が開発計画の修正を行えば、再び開発許可が出される可能性はあり、決して手放しでは喜べない状況ではある。活動団体や住民は市に公有地化への要望をまとめるなど、里山保全に向けてさらに活発な活動を展開しようとしている。
首都圏近郊の里山など緑地は危機的状況で、だからといってすべてを公有地化するというのは素人目から見ても無理な相談なのだろう。自治体が予算がないとするのは当然といえば当然。
<先立つものはお金>
同じ市内で活動するNPOは牧場の跡地を市の防災公園として開発から守ったのだが、現在は公園に隣接する林(これも相続の関係で物納することが決まっているという)を何とかして開発から守ろうと奔走しているのだが、市としても予算の関係でいかんともしがたいというのが実態らしい。
そのNPOのメンバーが言うことには市の関係者に「署名や要望書だけでなく、努力の成果を結果として出してほしい」と暗に「お金」を集めろ、と提示されたらしい。
いや、それを糾弾するつもりはまったくない。別に賄賂を要求したわけではないのだから。市としても本音なのだろう。口はかりでなく、少しは・・・という気持ち、理解できる。
というわけで現在、そのNPOは基金を設立し、コンサートなどのイベントを通して収益金を基金に寄付すべく、口だけでなく血を流そうとしているのであるが。目標額が集まっても、林買取の金額の数%にしかならないのだとか。都市化して、土地に値打ちがつく、ってこういうことなんだとあきらめにも似たため息が出る。
だって、その林、隣が市の公園になったことにより、宅地としての価値は倍増しているわけなのだから。
開発される心配のない緑地が隣にある住宅、そりゃ誰にとっても魅力的だわ・・・。
それが都市の住民のエゴ。悲しいけれど。
数ヶ月前新聞報道で、多摩地区の宅地開発での新しい試みが紹介されていた。宅地と森林をセットとし、森林の保全を条件に住宅を売り出すというもの。この試みの追加報道は今のところは目にしていないので、まだなんともいえない状況なのだろうが、今回の宅地開発でもそういった方法も取り入れるということも考えてはどうか。
誰しもいい環境の中で、しかし便利な都市圏で暮らしたい。エゴと緑地保全の両立を模索していくという意味でも、まだまだ目を離せない開発騒動である。
カテゴリー[ 独断と偏見・時事 ], コメント[8], トラックバック[0]
登録日:2006年 09月 29日 15:53:36
コメント
もともと里山だったところを大規模に開発した地域に住んでいます。そして、今度隣の里山が開発されることには異を唱えています、わたくし、はい。遺跡と鳥獣の森の真ん中に、バイパスができたのを怒りながら、その道を車で走っています、わたくし、はい。つきつめていけば、原子力発電に反対しながら電力を使っているわたくし、おかみのやり方に納得がいかないのに禄を食んでいるわたくし・・・。うう、やっぱりまとまらん。
里山鉄雄 @ 2006年 09月 29日 17:22:51
里山鉄雄さま
まったくそうなんですわ・・・。
都市住民でその恩恵を享受しているくせに、自分の田舎が開発されるのは許せない。ふるさとがなくなったと嘆く。
身勝手です。
すずか @ 2006年 09月 30日 08:39:58
実家の近くでは里山の開発が計画されているし,少し離れたところには無許可開発のために「モヒカン刈り」状態となっていた里山があります.
でもわが家の近くの里山では大文字の送り火があるから開発されることはないだろうし,このあたりは建物の高さも10mに規制されてるから「うちは安心!」と思っていたエゴ住民です.向かいは簡易保険関連の施設が広大な敷地を占めていて,日当たり良好.お上の土地だからこのままの環境が保たれるだろうと思っていました.
ところが,なぜかうちの向かいでは高さ規制が20mであることが判明.近所にはすでに7階建てのマンションが建設中で,そこに隣接する「かんぽーる」跡地にも某女子大が高さ20mの校舎を建てることが決まっており,その後区役所まで移転して来るらしい.
簡保は来年から本格的に民営化されるわけで,うちの前の土地も民間の手に渡って20mのマンションが建ってもおかしくない状況となりました.エゴ住民,えらいこっちゃと慌て始めております.
ゾウのネタ,ゾウに殺された人の数と,殺されたゾウの数が一致しているのが不思議!!??
U・M・E @ 2006年 09月 30日 09:36:26
U・M・Eさま
この象たち、テロリスト集団「血盟団」に入っていたそうで、一頭一殺主義だとか。
鉄象 @ 2006年 09月 30日 17:34:30
鉄象サマ
本日の虎は血盟団に入ってなかったようで.ご愁傷様です.
U・M・E @ 2006年 09月 30日 18:39:05
U・M・Eさま
ホントだ!!!
鉄象さんが言うように、一頭一殺主義かなーと思っていました。
しかしさ、このニュースではこの象に何人も殺されていたみたいだし、とすると濡れ衣を着せられた象もいたんだろうか???
うーーーーん。
里山に クマは出るけど 象出ない すず
鉄象さま
この象一頭で何人も殺したみたい、だとすると数の一致をどう説明する!?さあ、さあ!?←詰め寄る
U・M・Eさま
うまい!!!
鷹はいまひとつさえないわー。カントクもお痩せになってしまって・・・。
すずか @ 2006年 09月 30日 20:07:24
それは簡単。この象の一族郎党皆殺しな。
鉄象 @ 2006年 10月 02日 16:26:57
きゃー!こわい!
信長か・・・。
すずか @ 2006年 10月 02日 19:32:04
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- さかぐち すずか
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- 福岡は玄界灘に面した町で生まれ育つ。
九州大学卒業後、国と外郭団体にて女性労働行政に携わった後、大学の生涯学習研究所や弱小業界紙、大手進学塾の採点室を経て、現在、ライター&介護生活佳境&3人の子育て終盤戦。
「女・年寄り・子ども」の視点から、介護・おシゴト・受験・ちょこっとエコについて書いています。
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