愛は重い

GW最終日、行楽客ら帰路につく - 東京

【東京 6日 AFP】ゴールデンウィーク最終日の6日、行楽地や故郷で休暇を過ごした人々が首都圏などに戻り始めた。写真は同日、新幹線で東京駅に到着した行楽客。
(c)AFP/Toru YAMANAKA

AFPBB News


もう連休ボケも、連休疲れもおさまったころでしょうか。

連休なんてなくていい、と毎年思うのは私だけでしょうか。

どこかへ行かないといけないという家人の強迫観念に押されるようにして、会津方面に行って来ました。
野口英世の生まれたところ、猪苗代湖畔には野口英世記念館という名前で、彼の生家がそのまま残されていました。
手に大やけどを負ったかの囲炉裏も、そのときに母シカが洗い物をしていたという小川も、コンクリートで固めてはありましたが、現存されていたのには驚きました。

もっと驚いたのは、今の子どもって野口英世が囲炉裏に落ちて、手の指が全部くっついてしまうほどの大やけどを負ったことなど、まったく知らないってこと。

お札になっているので、顔や何を研究していた人かは知っていても、我々が子どものころ読んだような伝記は読んでいないのですね。
まああのころの野口英世の伝記がそんなにすぐれていたとは思いませんが、それでも彼の生い立ちやら医学の道を目指す動機やらは伝記を読んで誰もが知っていたはずでした。

だからこそ、英世と母シカの関係は切なく胸に響くわけです。
自分の不注意で息子に大やけどを負わせた母の苦しみは、母親でなくとも容易に想像がつきます。
確かに想像はつきますが、それにしても英世とシカの関係はそれだけではないものを感じます。

シカが英世に書いた帰国を促す手紙、読んだ記憶ありませんか?

 早く帰ってきてくだされ、早く帰ってきてくだされ
 西を向いては拝み、東を向いては拝み・・・(順番は違ったかもしれない)

っていう内容の手紙。
つたないひらがなで書いた手紙は、女の執念みたいな鬼気迫るものさえ感じられて、女の目から改めて読むとちょっとコワい。

それに、英世の父はあまりにもないがしろにされてきました。
飲んだくれのどうしようもない父、ってのならまだわかるけれど、郵便局勤めの正直でまっとうな男性だったようで、なんで英世の伝記では(記念館でもそう。父親のコーナーはほんの5%)あれほど完全に無視されているのか理解に苦しみます(父のかわりに出てくるのが恩師の小林栄先生。こっちの方が分量的にも父の50倍はある)。

結局、英世とシカの物語は、息子と母とのラブレターの世界だったのでしょうか。
英世なんてずっと外国暮らしで、シカの世話をしたのは養子をとって家を継いだ英世の実姉だというのに。やってられない、って思っただろうな、姉も(父も)。

息子から見た母への愛情物語、そう、リリーフランキーの「東京タワー」もまったく同じ構図だと思うのは、これも私だけ?
リリーフランキーが女だったら、あるいは私だったら、同じような両親との関係でも、まったく違う描き方をしたと思います。
だってさ、他人の私から見ても、リリーさんのお母様、ああ、ったくしょうがないなぁ、って思う点、結構あるもん。娘の視点から母親を見ると、結構きびしいよ。

息子にそこまで思ってもらえる母は幸せです。

明日は母の日。


ここからは完全なる蛇足 

 英世の家系図を見ていて笑ったこと。

 母はシカ
 姉はイヌ
 弟の妻はサイ
 !!!

 図だけ見ていると、動物園かと思った。
 まったく昔の人は息子にはまだ思い入れのある名前をつけているくせに(もちろんどうでもいいようなものもいっぱいあるけど)、女の子にはなんでこうも考えることを放棄したような名前をつけたのだろう?イヌが不憫でならないよ。そういやうちの親戚のおばあちゃん、クマって人もいました。あんまりだよなー。
 ま、今の子みたいに、親の思い入れが過ぎる凝りすぎた名前ってのも考え物だけどね。

カテゴリー[ 独断と偏見・こんなこと ], コメント[18], トラックバック[0]
登録日:2007年 05月 12日 08:10:53

コメント

こちらへの初コメです☆
ちょっとドキドキしてます(笑)
そうか~母の日か!すっかり忘れてました((^┰^))ゞ
ご家族での連休旅行、お疲れ様でした!
また来ます~(^w^)

ばきねえ @ 2007年 05月 12日 16:34:05

 うーん、美談をつくるのに母と息子の物語は、当時の時代背景にあってたのかもしれませんね。
 それにしてもシカ、イヌ、サイ偶然とはいえ、名前がヒデーヨ。(笑)

とほほ @ 2007年 05月 12日 16:34:23

お久しぶり。
英世の伝記は読んだような気もするけど
母親の名前は全く記憶になかった!
ワシの親戚には「チャウ」ってばあさんがいました。
ちなみに「ちょう」と読みますが。。。。

R344 @ 2007年 05月 12日 16:55:58

行き先よりも,そこまでどうやって行ったのかが気になるという病気を持っております.車か新幹線か,それとも東武から野岩鉄道経由か.

息子は母親のことが気になるのが常とか(武田鉄矢もそう言ってた?).
となると,娘は父親のことが気になるのかな.いいぞ!

むかしの女性はカタカナの名前が多かったみたいですね.ちょうど名前のことを調べていたところです.考察は近日公開予定かも.

U・M・E @ 2007年 05月 12日 18:04:02

「シカ」はよく見ます、私なら「ネコ」だったら嬉しいかも。

「母の日」なんか知らない!って実母に怒り狂っている昨今。
息子がいたら母はもっと我儘だったろね~と思うとぞっとします。

bonao @ 2007年 05月 13日 09:48:22

いやぁ~母の偏愛ってこわいもんですねぇ~(-_-;)

ねこロン坊 @ 2007年 05月 13日 11:21:36

最近、野口英世の評価が変わってきている
ところもありますね。
良くない方に。
だから、いろいろなところで
取り上げられなくなるとか、そんなこともあるのかな・・・

男の子と母親との関係は、ちがうものがありますよね。
話を聞いて英世のお母さんの気持ちが少しだけ
わかつたような気がしました。

スノーマン @ 2007年 05月 13日 14:17:57

東京タワーなんか見てたら、昔の母親って自分の事は犠牲にして子供のためにひたすら生きている。 うちの母ともダブルところがあって、毎回号泣でした。
しかして、最近の若い女性。 すべてではないが、給食費を払わないお母様方に代表されるように、自分さえよければ・・・という自己中。 こんなお母さんに育てられる子供たちって、どんなに育つんだろう? とか心配してみた。(笑)

橋之介 @ 2007年 05月 14日 19:44:22

「母の愛」といったら聞こえがいいけど、執着、執念、コワイ。
いやー、うちの母も、息子(私の弟)への執着すごいよぉ。
嫁に嫉妬メラメラだもの。嫁に同情するよ。
で、すずねぇはどうなの?息子さんに対して。いひひ。

「東京タワー」映画も人気、世間の評価が高いような気がしますが
いい評価してるのは、男性が多いのかな?
うちのダンナの実家は、ドライな家族なんで、どうだろう。
映画は見るつもりなので、ダンナの反応が楽しみ。

えみぃ @ 2007年 05月 15日 12:20:58

ばきねえ

元気ぃ!?
ドイツにも母の日はありますか?ってむこうが本場だっけ?
なかなかゆっくりおちつけないでしょ?
体をこわさないように楽しんでくださいねー

すずか @ 2007年 05月 18日 21:37:15

とほほさま

ホント、ひでぇ・・・笑
感動物語、今ははやらないのかと思ったけど「東京タワー」ヒットを見ると、まだまだ感動物語は受けるんだなーって思います。

すずか @ 2007年 05月 18日 21:39:11

Rじーさん

ちゃうちゃう、ちょう、よ、ってか。笑

すずか @ 2007年 05月 18日 21:39:44

U・M・Eさま

研究報告を待っておりました。
勤勉で頭が下がるであります。笑

息子を持つ母、娘を持つ父は幸せかもね。
冷たい息子もいますけど。

交通機関は車です。ふつーでごめん。

すずか @ 2007年 05月 18日 21:41:29

bonaoさま

娘の母は、わがままです!
もう煮詰まっております!!
息子にだったらもうちょっと遠慮もするし思いやりもあると思う今日この頃。泣

あ、私だったらヤギがうれしいかも(嘘)

すずか @ 2007年 05月 19日 07:24:57

ねこロン坊さま

偏愛、うん、そうだ。
そういいながら、あたしも思いっきり偏愛、いや溺愛している。末の息子。苦笑

すずか @ 2007年 05月 19日 07:25:58

スノーマン

人間としての、欠点もまた多かった英世像でいいと思うのです。
誰だって、完全じゃないんだから。
その中で評価すべきところは評価する、そうあるべきですよね。
お札の顔でもあることだし。

すずか @ 2007年 05月 19日 07:27:45

橋之介さま

あ、ここにも母を愛する息子が。笑
私も息子にそう思ってもらえる母でありたい!
しかし、絶対そうではない気がする・・・泣

すずか @ 2007年 05月 19日 07:29:02

えみぃ

わかるわかる!
うちのおばあちゃんも息子である伯父に対する態度が母に対する態度とは全然違って、子ども心に感じるものがあったもん。なんていうか女を感じた、っていうか。
そういう私も息子の嫁には難癖つけそう・・・笑

すずか @ 2007年 05月 19日 07:30:56

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プロフィール
さかぐち すずか
(女)
福岡は玄界灘に面した町で生まれ育つ。
九州大学卒業後、国と外郭団体にて女性労働行政に携わった後、大学の生涯学習研究所や弱小業界紙、大手進学塾の採点室を経て、現在、ライター&介護生活佳境&3人の子育て終盤戦。
「女・年寄り・子ども」の視点から、介護・おシゴト・受験・ちょこっとエコについて書いています。
なにごとも物事をナナメから見てしまうのが長所でもあり短所でもあります。

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