-- うつ病からの社会復帰(前編)

CPE法に若者が抗議 - フランス

【ボルドー/フランス 24日 AFP】中道右派政権の新卒雇用契約(CPE)により、規制が緩和され最初の2年間は新卒雇用者を解雇できるようになり、企業は若い労働者を雇い入れやすくなる。写真は、フランス南部ボルドー(Bordeaux)で、この規制緩和に抗議する数百人の若者たち。(c)AFP/JEAN-PIERRE MULLER

AFPBB News


●2年
2年という時間は、長いようで短く、短いようで長い。私が、うつ病を患うきっかけ
となった職場での勤務期間も、およそ2年だった。当時の私にとっては、長く、
重苦しく感じられた2年であった。
2001年4月、ソフトウェア開発、保守サービス等を行なっている会社に、新卒
社員として入社。2週間の研修後、出向のような形で中堅のコンピューターコン
サルティング会社へ勤務場所を移す。そこで、コンピューター関連のユーザー
サポートを手がけるスタッフとして働き始めた。


●上司

仕事自体は、楽ではなかったが面白かった。ネットワークに関する専門知識等、
得るものも多かったし、顧客に感謝される事の喜びも知る事が出来た。ただ、就
業当初からどうしても適応出来なかったのが、勤務先の上司との関係だった。
上司は、仕事に対しては真面目で、技術力も持ち合わせた人間だったが、気性
が荒く、時に威圧的な態度を取る事があった。気分屋な一面もあり、機嫌が悪い
時には、「言葉の暴力」とも言える辛辣な発言を浴びせられる事もあった。同僚
や顧客等に映っていた上司の姿は、そのよぅなものではなかったのかも知れな
い。が、根が臆病な私には、そのような人物に映っていたのである。それだけに、
上司のきつい言葉を、パワーハラスメントのように感じていた。


●祈願
毎日毎日、「どうか、今日は怒鳴られる事なく一日が終わりますように」と、祈り
ながら出勤していた。祈ってはいながらも、上司に直接、威圧的な態度等を改め
てもらうよう進言する事は出来なかった。
辞めたいと思う事は何度もあったが、就職活動で苦労した経験や、同じ会社に
出向いてきている(雇用元の)同僚等の事を思うと、安易に辞めるとは言い出し
難かった。雇用元の会社に、勤務場所の変更を願い出た事もあったが、雇用元
には些細なトラブルに過ぎないと受け止められていたらしく、全く聞き入れてもら
えなかった。


●不調
やがて、私の身体に様々な症状が現れ始める。便秘と下痢の繰り返し。胃痛と
頭痛。集中力の欠如。気力の喪失。休日も、読書等の趣味を愉しんだりする気
持ちがまるで起きず、ごろごろと横になって過ごしてばかりいた。
様々な「不調」の中で、私を最も苦しめたのが、睡眠障害だった。元々、寝付き
が良いほうではないのだが、3時や4時になっても眠れない日が多くなっていっ
た。また、1時間ぐらいで急に目が覚めてしまう事も、少なくなかった。3時間、
中途覚醒なく熟睡出来れば良いほうで、殆ど睡眠を取れないまま出勤していく
日もあった。
当初は、内臓系の不調を疑い、内科や消化器科を受診していた。胃カメラ等で
の検査も受けたが、胃炎等の疾病は全く見つからなかった。


●訣別
睡眠時間が少なくなるに連れ、物事の正確な判断が行なえなくなっていった。
職場には行きたくない、しかし出勤しなければ色々な人に迷惑がかかる、という
切羽詰まった状況下で、次第に逃げ場を非現実的な領域へ求めていくように
なった。
駅のホームでは、線路に飛び込む事ばかりを考え、職場のトイレでは、天井付
近の金具にロープを括り付け、首を吊る事ばかりをイメージしていた。「死」から
の呼び声は、日に日に大きく、リアルなものになっていった。
内科から紹介された精神科で、これらの不調の根元が「うつ病」であると知らさ
れた時には、自殺念慮がかなり進行し、心身共にぼろぼろの状態だった。
2003年、雇用元の会社に診断書を提出し、ようやく上司との訣別は実現した。
しかし、2年という時間は私にとって、あまりにも長過ぎた。

(後編へ続く)
 

カテゴリー[ ココロ ], コメント[2], トラックバック[0]
登録日:2006年 03月 07日 17:05:46

コメント

はじめまして。
あなたのブログを読んで、書かずにはいられなくなりました。
同じような経験をして職場を離れました。
運よく次の職場では自分にあう環境だったので、すっかりよくなりましたが、しばらくは自分に自信が持てず、絶えず回顧していました。でも、今になって思うことは色々我慢しすぎたかな、と思います。今は、なるべく早めに自分の考えを伝えるようにしています。短く、わかりやすく、軽いトーンで。

この記事の新しい制度は、会社の肩を持って、人間を見ず、と感じました。日本は久々に新卒雇用が増加していますが、同様の制度が設けられたら。。。と思うとちょっと背筋が涼しい気持ちなりました。個人的には、人を大切にすることが企業を活性化するこつだと思っています。

kaorin8 @ 2006年 03月 08日 01:33:13

kaorin8さん、はじめまして。コメント有り難うございます。
今になって思えば、私も少し我慢し過ぎたのかな、という気がします。


大手企業が1000人規模の採用を行なうなど、新卒採用は活発になり
つつあるようですね。
私が就職活動を行なっていたのは、丁度「就職氷河期」と言われていた
時期でした。
苦労して苦労して、ようやく入社した会社だっただけに、愛着もあったの
かも知れません。


「人材を大切にしなければ、企業の発展は無い」
おっしゃる通りだと思います。
日本でも、これまで新卒社員の抑制分を、派遣社員やアルバイト、パート
等で補ってきたところがあります。そうした一時雇用の人材に、企業の理
念や技術力等が継承されているとは考え難いです。
新卒採用を増やすだけで、果たして「穴埋めの時期」に怠ってきた理念や
技術力継承の遅れを取り戻せるのか…気になるところです。

牧人 @ 2006年 03月 08日 09:38:23

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プロフィール
高瀬 牧人
[・・Office Q3・・]
 
1978年12月4日、石川県生まれ。10歳から福井県で過ごす。
大学卒業後、IT関連企業等に勤務。現在は、個人事業主としてライティング、コンテンツ制作等の各種業務に取り組んでいる。

ライティングやウェブコンテンツ制作等のお仕事を承っております。詳しくは、上記ウェブサイトをご覧下さい。
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