-- 大相撲夏場所を振り返る
【東京/日本 24日 AFP】2005度にプロスポーツ界で顕著な活躍をした個人や団体を表彰する第38回日本プロスポーツ大賞の授賞式が行われ、昨年の大相撲で前人未到の7連覇と年間6場所完全制覇を達成し、2年連続で大賞を受賞したモンゴル出身の横綱・朝青龍(Asashoryu、左)は、小泉純一郎首相(Junichiro Koizumi、右)から自身を模した人形を手渡された。(c)AFP Toru Hanai
●若きヒーロー
大相撲夏場所は21日に千秋楽の取り組みが行なわれ、新大関・白鵬が優勝
決定戦の末に元大関・雅山を下して、初優勝を果たした。本割で、雅山に今場
所唯一となる黒星を付けられていた白鵬だったが、優勝決定戦では冷静に雅
山を寄り切って、21歳の若さで悲願の賜杯を手にした。
●「快刀乱麻」と「旧態依然」
今場所は、戦前に予想されていた構図が次々に崩れていくという、波乱の場所
であった。それでも、白鵬の安定感や雅山の奮闘、新入幕・把瑠都の快進撃等
で、相撲ファンにとっては見応え有る場所に感じられたのではないだろうか。
ただ、場所前には予想出来なかった「盛り上がり」が見られた一方で、近年毎
場所のように繰り返されている「悪例」は、今場所でも断ち切られる事は無かっ
た。
●悪例
その悪例とは、彗星のごとく幕内に登場した実力のある力士が、大関や三役ま
で一気に駆け上がったところで怪我等により躓き、その後伸び悩んでしまう事で
ある。
武双山、若の里、隆乃若等、大器と呼ばれた力士の殆どが、この悪例に陥って
しまっている。大関の地位は辛うじて保ちながらも、足踏みが続いている千代大
海、魁皇等のようなケースも相次いでいる。今場所で優勝した白鵬も、昨年は
怪我に悩まされていたし、雅山にしても一時は「平成の新怪物」等と呼ばれなが
ら、大関陥落後は長くスランプが続いていた力士である。
今場所でも、先ず横綱・朝青龍が早々に戦線離脱し、続いて今場所での綱獲り
が期待されていた栃東が、怪我で休場に追い込まれた。大関3場所目の琴欧
州も、負傷した右膝の影響で勝ち越すのが精一杯。中盤までは優勝争いのトッ
プに立っていた千代大海も、左手を傷めて終盤は失速した。
●主催者が無策でよいのか
これほどまでに同じパターンが繰り返されると、ファンもさすがにげんなりしてし
まう。
怪我にしてもスランプにしても、力士自身の自己管理能力なくしては乗り越えら
れないものだが、大相撲を運営・管理する日本相撲協会も、もう少し対策を考慮
すべきではないだろうか。専門家を招いて、科学的な観点から怪我が頻発して
いる原因等を分析し、大切な力士達を守るよう努めるべきなのではないか。対
策らしい対策を何もせずに、怪我と休場の連鎖、そしてスター力士の不在を嘆
くばかりの協会の姿は、あまりにも無責任に映る。
今場所では把瑠都というスター候補が登場したが、把瑠都が今後、他のスター
候補達と同じように悪例に陥ってしまうのか、それとも本物のスター力士となる
のかは、把瑠都次第であると同時に、協会次第でもあるような気がしてならな
い。
●今場所の出来事
さて、今場所では白鵬の初優勝、雅山の復活、把瑠都の活躍の他にも、様々
な出来事があった。以下に、簡単ではあるが列記してみたい。
・下田、幕下付け出しで史上初の全勝優勝
昨年の学生横綱で、今場所がデビュー戦となった下田が、7戦全勝で見事に
初出場初優勝を決めた。15枚目格での全勝優勝の為、十両昇進の可能性も
ある。デビューから2場所目での十両昇進となれば、これも史上初の快挙とな
る。
15枚目格付け出しでデビューした力士の、従来の最高成績は成田(現・豪風)
と内田(現・普天王)の記録した6勝1敗だった。その豪風と普天王は、現在幕
内力士として活躍している。下田の今後にも、当然期待がかかる。
余談だが、普天王はブログを執筆しているという、角界では珍しい力士の一人
である。
現役力士「普天王」どすこい大相撲日記
http://futenou.ameblo.jp/
・高見盛、久々の勝ち越し
人気力士の高見盛が千秋楽で白星を挙げ、昨年の名古屋場所以来となる勝
ち越しを果たした。
昨年の九州場所では、終盤で5連敗を喫し7勝8敗。雪辱を期した今年の初場
所では、千秋楽で敗れてまたも7勝8敗と涙を呑んだ。それだけに、やっと掴ん
だ勝ち越しが相当嬉しかったのだろう。インタビューに応じる高見盛は、いつも
に増して鼻息が荒かった。
・闘牙、隆の鶴が引退
元小結の闘牙が、場所前の5月5日に引退を表明。また、幕内経験のある隆
の鶴も、18日に現役を引退した。両者共に、今後は準年寄として後進の指導
にあたる。
この両者、立派なもみ上げ姿がそっくりである事から、解説者が混同したり、
両者を比較したりする事が度々あった。また、幕内や十両で両者は何度か対
戦しているが、対戦の度に実況アナウンサーがもみ上げの事ばかりを指摘し
ていたような気がする。そんな両者が、最後は同じようなタイミングで引き際を
迎えた事に、何となく縁のようなものを感じる。
またしても余談になるが、闘牙の趣味はサーフィンである。また、隆の鶴は非
常に稀少な「手話の出来る力士」として知られていた。引退会見で鳴戸親方
が語っていたように、今後はぜひ、ろう者の方が相撲を楽しむ為のきっかけ作
りにも努めていってもらいたいものである。
カテゴリー[ スポーツ全般 ], コメント[2], トラックバック[0]
登録日:2006年 05月 22日 23:45:14
コメント
すっかり相撲が興味の対象から遠ざかってしまいました。
千秋楽、じいさんが相撲中継(テレビも新聞も見なくなったばーさまもなぜか相撲だけには興味を示します。結局日本人の心のふるさとなんでしょうか)をつけていたので目に入ったのですが(この時初めて、相撲をやっていたことに気づいた!)ガイジン力士ばかりなんですねぇ・・・日本の文化が・・・などと嘆く気持ちも別にありませんが、ここまで来たかという感慨はありましたねぇ。
すずか @ 2006年 05月 23日 10:28:53
すずかさん、コメント有り難うございます。
外国人力士というと、かつてはハワイ勢が隆盛を誇っていましたが、近年
はモンゴル勢、そして欧州勢の活躍が目立ちますね。
身体能力や体格で勝っている外国人力士が、日本人力士よりも稽古熱心
なのですから、これでは日本人力士は太刀打ちできないでしょうね。
そのうち、日本相撲協会そのものが、外資系に乗っ取られてしまうのでは
ないか…という気もしています。
牧人 @ 2006年 05月 23日 15:07:34
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- 高瀬 牧人
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1978年12月4日、石川県生まれ。10歳から福井県で過ごす。
大学卒業後、IT関連企業等に勤務。現在は、個人事業主としてライティング、コンテンツ制作等の各種業務に取り組んでいる。
ライティングやウェブコンテンツ制作等のお仕事を承っております。詳しくは、上記ウェブサイトをご覧下さい。
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