-- ディストリビューターのアルバイト(前編)

貧困で子供たちが犠牲に - フィリピン

【マニラ/フィリピン 27日 AFP】フィリピンのストリートチルドレンたちは、物価の上がり続ける同地での生活費を稼ぐために、臨時のアルバイトに明け暮れている。写真は、長時間のペットボトル拾いを終え、食品広告の前で休憩するストリートチルドレン。(c)AFP/Rico GONZALES

AFPBB News


●要注意のサイト
私が、IT関連企業でリスティングという業務に携わっていた時、上役から「最
も注意すべきサイト」として教えられていたのが、

 ・アフィリエイターのサイト
 ・情報起業家のサイト
 ・MLM(のディストリビューター)のサイト

であった。
アフィリエイターのサイトにおける問題点(薬事法に抵触する表現等)につい
ては以前、『アフィリエイターへの警鐘』という記事で指摘した通りである。そ
こで、今回はMLMのサイトが何故「最も注意すべきサイト」であったのかを述
べてみたい。


●MLMの構造

MLMとは、「マルチレベルマーケティング」の略で、「ネットワークビジネス」
「連鎖販売取引」等とも呼ばれる。
MLMの最大の特徴は、商品を「ディストリビューター」と呼ばれる人が販売
する直販方式を採用している点、そしてディストリビューターには「特定利益」
等と呼ばれるボーナスを受け取る機会が存在する点である。
特定利益の規定や仕組みは複雑なものが多く、一言では説明しづらいのだ
が、一例を挙げると

 ・ディストリビューターは、自らMLM業者の商品を販売出来るだけでなく、
  知人や友人等を新たなディストリビューターとして、MLM業者に推薦する
  事が出来る
  (新たなディストリビューターが、更に別の人をディストリビューターとして
  推薦する事も出来る)

 ・自ら推薦したディストリビューター(仮に「子ディストリビューター」と呼ぶ
  事にする)や、子ディストリビューターが推薦したディストリビューター(同
  様に「孫ディストリビューター」と呼ぶ事にする)が一定の人数になると、
  MLM業者からディストリビューターの「グループ組織」と認定される。そ
  の際、子ディストリビューターや孫ディストリビューターの上に立つディ
  ストリビューターは、グループのリーダーと認定される

 ・自らの商品の売り上げに加え、グループ内の子ディストリビューター、孫
  ディストリビューターの商品の売り上げの合計が、「グループ売り上げ」
  として算出され、このグループ売り上げ額に応じて、グループのリーダー
  はMLM業者から「グループボーナス」を受け取る事が出来る
  (大抵は、グループ売り上げ額が上がれば上がるほど、ボーナス額も大
  きくなる)

 ・グループの子ディストリビューターの中から、孫ディストリビューター(曾
  孫ディストリビューター等も含む)を束ねるグループリーダーに認定され
  る者が複数出てきた時は、グループリーダーを束ねる「コミュニティリー
  ダー」に認定される。グループが多数存在するコミュニティでは、グルー
  プ売り上げ額も膨れ上がるので、当然コミュニティリーダーの受け取る
  ボーナス額もより膨大になる

このような仕組みになっている。


●リーダーとしての評価
単なる歩合制であれば、自らの売り上げが全てなのだが、MLMは子ディス
トリビューターや孫ディストリビューターを獲得すれば、自分以外のディスト
リビューターの力を借りながら、売り上げ増を目指す事が出来るのである。
その為、多くのディストリビューターはグループリーダーや、グループリー
ダーよりも更に高額の特定利益を期待できるコミュニティリーダーを目指す。
グループを束ねる事は容易ではないが、それぞれのディストリビューター
の長所を活かした販促行為を行なえるのは強みになるし、グループの成長
が売り上げという数字ではっきり表れるのでやりがいもある。特定利益によ
り、MLM業者が頑張りをきちんと評価してくれるので、モチベーションにも繋
がる。


●心が揺らぐ時
営業職のサラリーマンや自営業者の中には、こうしたMLM業者の仕組みが、
とても魅力的に映る人も居るだろう。会社組織では、自らの営業成績をボー
ナス等に反映してくれない場合もある。自分自身は一生懸命努力しているの
に、同僚等の成績が悪く、営業成績は上がったのに給与は下がった、という
現実に直面した事のある人も居るのではないだろうか。
また、自らの能力の限界や、従業員を束ねる事の難しさに直面した自営業
者にとっては、共通の目標に向かって邁進しているディストリビューター達の
姿は理想的で、力強いものに感じられる事だろう。
ただ、残念ながらMLMにも、長所と同時に短所、そして問題点が存在する。
しかも、その問題点の多くを、MLM業者もディストリビューターも、明らかにし
ようとはしないのである。


●理想の突き付け
MLMの最大の問題点は、MLMへの勧誘である事を明かさずに、「誰にでも
出来る」「簡単に始められる在宅ワーク」等というような謳い文句を掲げ、子
ディストリビューターを獲得しようとするディストリビューターが非常に多い事
である。その為に、MLMの事をよく知らないままディストリビューターの活動
を始めてしまう人が、増大してしまっている。
私が、業務を通じて度々目にしてきたのは、「無料メールサークル」への勧
誘を行なっているサイトである。サイト上には、「一切無料」「収入アップ」と
いった文字が躍っているものの、MLMへの勧誘である事には全くと言って
いいほど触れられていない。そして、実際にメールサークル(メーリングリス
ト)に参加すると、MLM業者の商品を称賛するメールや、集会への参加を
促すメールが、毎日絶え間なく送信されてくるのである。
集会の目的については明記されていない事が多いのだが、たまに「あなた
もディストリビューターになりましょう!」といった事が書かれていたりするの
で、商品の販売や、ディストリビューターへの勧誘が目的である事は、ほぼ
明白である。そもそも、「副業」「収入アップ」といった文言をサイト上に記載
している時点で、事業への勧誘である事は窺い知れるのだから、これらの
文言の標榜をもって「勧誘目的のサイト」と判断する事も可能と言える。

(後編へ続く)
 

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登録日:2006年 06月 06日 22:20:18

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プロフィール
高瀬 牧人
[・・Office Q3・・]
 
1978年12月4日、石川県生まれ。10歳から福井県で過ごす。
大学卒業後、IT関連企業等に勤務。現在は、個人事業主としてライティング、コンテンツ制作等の各種業務に取り組んでいる。

ライティングやウェブコンテンツ制作等のお仕事を承っております。詳しくは、上記ウェブサイトをご覧下さい。
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