-- ピッチは嘘をつかない

<06サッカーW杯>日本vsオーストラリア - ドイツ

【カイザースラウテルン/ドイツ 12日 AFP】06サッカーW杯・グループリーグF・初戦、日本vsオーストラリア。試合はオーストラリアが3-1で勝利を収め、W杯通算4試合目にして大会初勝利を挙げた。写真は、オーストラリアのサポーター。(c)AFP/ROBERTO SCHMIDT

AFPBB News


●つまらない試合
無残な試合だった。
そして、(ワールドカップという大舞台での試合を、このように評するのは悲
しいのだが)実につまらない試合だった。
日本は、オーストラリアの高さやパワーに苦しみ、シュートチャンスを殆ど
作る事が出来なかった。ラッキーなシュートで先制した後も、攻めあぐねる
シーンが目立ち、後半は防戦一途。「追加点」という援護が得られないディ
フェンス陣は次第に機能しなくなり、試合終了10分前にして遂に力尽きた。


●日本の弱さとは

オーストラリアのシュート数20に対して、日本は僅かに7。この差は一体何
だったのだろうか。ここ数年、指摘され続けている決定力不足が、原因の全
てなのだろうか。オーストラリアの迫力に気圧されたのか。
試合を見ていた私の目には、決してそれだけが原因ではないように映ってい
た。
ある選手は、初めて立つワールドカップの雰囲気の中で、緊張して本来の実
力を出せていないように「見えた」。また、別の選手はオーストラリアの怒涛
の攻撃に、戸惑いを隠せないように「見えた」。自分の思い通りの試合運び
が出来ず、苛立っているように「見えた」選手も居た。そうした選手同士の感
情の分離が、日本の協調性や総合力を奪い取っていたように思えてならな
かった。


●オーストラリアが強かった理由
一方のオーストラリアは、とにかく貪欲で、ワールドカップ初勝利に向けて
チームが一丸となっていたように「見えた」。統一された意思は、ゴールへ
の執念や総合力となって日本にプレッシャーを与えていき、ロスタイム前に
とうとう、日本の守備を突き崩した。同点に追いつかれた事で動揺が更に
広がり、チームとしてのまとまりを失った日本に、逆転を防ぐ力は残ってい
なかった。
日本とオーストラリアの技術力の差は、それほど感じられなかった。両チー
ムの明暗を分けたのは、気持ちの差だった。


●「勝ちたい」と「負けたくない」
この気持ちの差の原因となったものは、一体何だろうか。
初戦の相手が、ブラジルやクロアチアに比べれば組みし易いオーストラリア
であった為、僅かながら油断や、気持ちの緩みがあったのだろうか。勿論、
油断や気持ちの緩み故に、オーストラリアに対して手を抜いたという事は有
り得ないが、「何が何でも勝つ」というがむしゃらな気持ちよりも、「大事な初
戦を落としたくない」という気持ちのほうが強くなってしまったのかも知れな
い。もし、初戦の相手がブラジルだったならば、日本は大金星を狙って闘志
剥き出しでブラジルゴールに向かっていった事だろう。
「勝ちたい」と「負けたくない」という言葉は、意味は同じだが、気持ちの向き
方は正反対になる。そして、実力が拮抗していればいるほど、最後の最後
に勝敗を分かつのは「勝ちたい」という気持ちの差になってくる。その差が、
この試合ではシュートチャンスや、シュート数の差となって如実に表れたの
かも知れない。


●重苦しい90分間
「負けたくない」試合運びは、ふとしたきっかけで弱気を呼び込んだり、自信
の喪失に繋がってしまったりする事がある。また、応援する側にとってはア
グレッシブさが感じられず、どこか危なっかしい試合に感じられる場合が多
い。
だからこそ、「負けたくない」試合運びを貫いた挙句の敗戦は、つまらない
試合という印象だけを残してしまうのである。
日本は、ワールドカップという舞台では、まだまだ挑戦者に過ぎない。それ
だけに、こんな試合はして欲しくなかった。


●今度こそ
初戦を落とした事で、日本の決勝トーナメント進出の可能性は、かなり低く
なった。
そうした状況だからこそ、クロアチア戦とブラジル戦では、「何が何でも勝つ」
サッカーを見せてもらいたい。怖気づいたサッカーより、開き直ったサッカー
が見たい。ファインセーブの連発ではなく、シュートへの執念の連発が見た
い。
勝つにしても負けるにしても、もう「つまらない試合」は見たくないのである。
 

カテゴリー[ サッカー ], コメント[2], トラックバック[0]
登録日:2006年 06月 17日 18:42:59

コメント

「勝ちたい」と「負けたくない」では、そこに大きな差がりますよね、本当に・・・。
もしかして、日本が勝てないのって、エースストライカーが点をとれないからでは?

藤原Hikki @ 2006年 06月 18日 13:10:47

藤原さん、コメント有り難うございます。

クロアチア戦も、残念ながら私にとっては「退屈で、つまらない試合」でし
た。
決勝トーナメント進出は絶望的ですので、ブラジル戦では10点獲られて
もいいから5点獲る、というくらいのがむしゃらな試合を見せてもらいたい
ものです。
とは言え、私の予想スコアは0-2ですけど…。

得点力不足は、もう10年近く前から指摘され続けている課題ですね。
毎日新聞の、決定力不足について言及している記事は、なかなか説得
力がありました。
http://www.mainichi-msn.co.jp/sports/soccer/worldcup/japan/news/20060620k0000m050089000c.html
 

牧人 @ 2006年 06月 20日 23:35:07

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プロフィール
高瀬 牧人
[・・Office Q3・・]
 
1978年12月4日、石川県生まれ。10歳から福井県で過ごす。
大学卒業後、IT関連企業等に勤務。現在は、スローペースでデスクワークをこなしながら、ライター修行&創作活動等に取り組んでいる。
うつ病、睡眠障害等に悩まされており、今も通院と服薬を続けている。

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