中国のお年玉はいくらぐらい?
【東京 15日 AFP】中国の李肇星(Li Zhaoxing)外相は15日、4月に予定されている温家宝(Wen Jiabao)首相訪日の下準備のため、3日間の日程で訪日した。
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(c)AFP/Yoshikazu TSUNO
中国ではすでにお正月気分。2007年は2月18日が旧暦(農歴)の元旦である。日本と同様、子供にはお年玉(中国語で「圧歳銭(ヤースイチエン)」 )を渡す。その相場はいくらぐらいか。
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このところの経済成長で、中国のお年玉の金額も高騰し、日本を上回る勢いだ。その背景には所得の増加もさることながら、お金持ちは景気よくお金を使って「大人(たいじん)」ぶりを見せるという中国人のお金の使い方の特徴も大いに関係している。
上海のお年玉の相場は200~1000元
中国の正月は、日本と同様、元日は家でテレビを見たりしてゆっくりする人が多いが、2日目や3日目になると、親戚の家に行ったり、自宅に親類を招いたりして食事をしながらおしゃべりをするケースが多い。となればお年玉がつきもので、これは日本と同じである。
日本の新聞報道によると、日本の小学生が2007年のお正月にもらったお年玉平均は2万5293円だという。1人の大人が子供に渡す金額は3000~5000円ぐらいというケースが多いらしい。
所得の格差を基準に考えると、中国の都市部の労働者の平均月収は1カ月当たり1万~2万円ほどだから、お年玉といっても中国ではせいぜい1人当たり数百円程度かと思う日本人が多いのだが、それがどうも様子が違う。
私事にわたるが、筆者の妻は中国人なので、旧正月は江蘇省にある実家に顔を出すことになる。毎年、そこには親戚や友人、知人がたくさん集まってくる。お年玉期待の子供たちもたくさんやってくる。
そこでやり取りされるお年玉の額を見ていると、これが半端ではない。来る人来る人、ほとんどが最低でも500元(約7000円)は渡す。人によっては縁起のいい数字で800元(約1万1200円)、中には1000元(約1万4000円)という人も少なくない。
私たちはいくら渡したものか妻と相談したが、「外国人だったら最低でも1000元は期待されているはず。500元なら恥ずかしいから出さない方がまし」。やってくる子供は1人や2人ではないから、これは大変な出費である。
もちろん中国人全員がこうだというのではない。妻の父親も社会的にそれなりの地位にあった人だし、交遊範囲は官庁関係や企業の経営者などが多い。また江蘇省は全国的に見れば豊かな沿海部に属する。お年玉の額も多い方だろうとは思う。
上海で聞いてみると、普通の勤め人の家でも最低200元は渡すという。ちょっと仲のいい友人の子供なら500元、特に重要な相手であれば1000元というケースもあるという。先日、新聞を読んでいたら、普通の労働者で月収600元、妻の月収400元という人が、昨年の旧正月にはお年玉だけで1800元つかったという記事が出ていた。お年玉に給料の3カ月ぶんかかるのではたまったものではない。
「いくら払えるか」で金額が決まる
なぜそうなるのかと言えば、そこには2つの背景があると思う。
ひとつはよく言われるメンツである。家計の実態はともかく、お正月ともなればある程度のお金を撒かなければカッコウがつかない。どうにも出せなければ仕方ないが、なんとか出せるのなら、多少はやせ我慢をしてでも気前よく出す。これは社会の美意識というものであろう。
もうひとつは、中国社会のお金の使い方の「お約束」みたいなものである。
日本では「お年玉にいくら渡すか」を考える時、まず考慮するのは「世間の相場はいくらか」ということである。「お年玉とはいくらぐらいのもの」という社会的な通念がまずあり、普通の人はその枠組みの中で自分の出す額を決める。
つまり、いくら大金持ちであろうと「オレは資産家だから、お年玉を他人の何倍出す」という感覚は薄い。そういう考え方をすると、「あいつは金持ち風を吹かせている」と評判が悪くなる。
金持ちはたくさん出すのが当然
しかし中国では、もちろん相場はあるにはあるが、それよりも「その人が「いくら払えるか」で金額が決まるという傾向が強い。お金がある人はたくさん渡すし、ない人は少なく渡す。それが当然であるという考え方が強い。
言い方を変えれば、お金のある人は多く払うのが当然であって、払う能力があるのに少ししか渡さないのはケチで面白くない奴という評価になりやすい。だから自営業者でカネ回りのいい人とか、一定の社会的地位のある人は、その期待に沿って威勢よくカネを使う。逆にお金のない人はそんな無理はしないし、それで周囲も何とも思わない。
ただしカネをたくさん払う人は、その分「立派な人」として周囲の尊敬を受けるというのもまた社会の暗黙のルールである。
中国を全体的に見れば、日本円で1万円以上ものお年玉を気前よく渡せる人の比率は低いことは事実だ。その意味でこうした高所得者の行動だけを見ていたのでは中国を見誤ることになるだろう。
しかしその一方で、たとえ比率的には少数の富裕層であっても、絶対数で見れば既に軽視できないボリュームになっている。この重層的な構造が中国市場の大きさであり、判断の難しいところだ。
カテゴリー[ 中国社会 ], コメント[1], トラックバック[0]
登録日:2007年 02月 16日 14:27:12
コメント
私も上海を拠点としていますが、上海市と江蘇省だけを見ているとこれが中国と判断しがちですが、これは非常に危険だと思います。
既に無視できないボリュームになっているという論調はあちこちで聞きます。
では、一体どれくらいなのですか?と聞きますと定量的な回答がないのが常です。
中国マーケティング論の罠といえるのではないでしょうか?
小田 @ 2007年 02月 17日 22:12:51
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- プロフィール
- 田中 信彦
- (男)
- http://chinahr.way-nifty.com/
- 1959年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。
毎日新聞社記者を経て、日本と上海の両方に活動拠点を持ち、企業の中国事業に対するコンサルティングに従事するほか、雑誌等への執筆、講演など多数。亜細亜大学大学院アジア・国際経営戦略研究科で「日中人事・労務比較論」を講義している。
■主な著書
「中国で成功する人事 失敗する人事」(日本経済新聞社)・「人事・採用の基礎知識--中国編」(メディアファクトリー)・「ぼくの上海行商紀行」(文藝春秋)・「日本人の知らない中国人の私的事情」(講談社)
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