「先輩の背中」が見えない中国人社員

春節の花火で1人死亡、270人負傷 - 中国

【北京/中国 19日 AFP】北京で18日、春節(旧正月)を祝う爆竹で1人が死亡、270人が負傷した。
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(c)AFP/ADALBERTO ROQUE

AFPBB News


「マネジメントのできる人材がいない」。日本人幹部の下に有能な人材がいないため何でも日本人が指示するしかなく、ますます人が育たないという悪循環である。

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各社とも採用や教育に多大な努力を払っているが、中国の人材不足は構造的なものだけに、一朝一夕に解決策は見つかりそうにない。

近年、日系企業の人材難が叫ばれるようになった背景には主に2つの理由がある。1つは2000年以降の日系企業の進出ラッシュだ。新規進出企業は既存企業より人件費予算をかけやすいので、どうしても既存企業から人材が流出しやすい。

もう1つの理由は日系企業の事業内容が高度化しつつあることだ。従来は比較的単純な組み立て中心の工場としての機能が中心だったが、生産規模の拡大に加え、国内市場開拓に向けたマーケティング活動などが必要になり、本格的なマネジメントができる人材が求められている。

1人前になるには10年

しかしながら現場では、人材の採用が思うに任せないとの悩みが深い。その背景には様々な理由があるが、最も本質的な理由はもともと中国の労働市場に日系企業がすぐに活用できるような人材が少ないことがある。

日本国内での育成パターンを顧みれば分かることだが、人が育つには時間がかかる。新卒で入社し、何とか足手まといにならないレベルになるのに2~3年、一応の戦力になるには5~7年といったところが普通の感覚だろう。ある程度のメンバーを率いて成果を出していくには早くて10年、まあ普通は15年、30代後半というのが相場だろう。

  しかし考えてみると、中国では1980年代に進出した外資系企業もあるにはあるが、大型外資の進出が本格化したのは90年代半ば以降である。つまり長い企業でも十数年、多くの企業は開業後数年というのが現実だ。それ以前の国有企業での勤務経験など何の役にも立たない。

どこにもない「先輩の背中」

つまり中国には13億人以上の人間がいるとは言っても、まともな企業で10年以上の勤務経験を積んだ人材はごくごく一握りしかいない。

特に日系企業の場合、「仕事は先輩の背中を見て学ぶもの」という感覚が強い。ところがこうした中国の外資で先駆者として働いてきた人々には「見るべき背中」がどこにもなかった。言葉も文化も違う外国人駐在員に教わりながら、見よう見まねでなんとかやってきたのである。そう考えれば、中国にマネジメントができる人材が少ないのはごく当たり前の話だということがわかる。

日本国内でたくさんの背中を見ながら十分な時間をかけて育ってきた駐在員たちがこうした中国の人材に不満を持つのは仕方ないとは思う。しかし残念ながらそれはないものねだりと言うべきだ。自分が新卒で入社して数年後にどんな状態だったかを思い出せばすぐに分かることである。

  よく「中国人は育ててもすぐ転職してしまうので困る」という話がある。それは確かにそうなのだが、実はそれは本質的な問題ではない。いくら転職が盛んでも、社外の人材マーケットに人材がいるのならまた採用してくればいい。実は中国の場合、話はもっと深刻であって、上述したような理由で、人材そのものがいないのである。 

どこにもいないのであれば、育てる以外に方法はない。実は欧米系の企業でも、人材の流動を前提にした欧米流の人事制度は中国では機能していない。確かに日系企業で育てかけた人材を高給で引き抜き、使い捨てにしている欧米系の企業もあるが、それでは問題は解決しないことは彼らもよくわかっている。

まともな企業であれば、一定水準以上の人材を一定数以上確保しようと思えば自前で育てる以外にないと覚悟を決めている。

中国の人件費は確かに安い。しかしそこには育成のコストは含まれていない。むしろ、だからこそ安いのであることを明確に認識しておく必要はあるだろう。

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登録日:2007年 02月 20日 12:47:09

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プロフィール
田中 信彦
(男)
http://chinahr.way-nifty.com/
1959年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。
毎日新聞社記者を経て、日本と上海の両方に活動拠点を持ち、企業の中国事業に対するコンサルティングに従事するほか、雑誌等への執筆、講演など多数。亜細亜大学大学院アジア・国際経営戦略研究科で「日中人事・労務比較論」を講義している。
■主な著書
「中国で成功する人事 失敗する人事」(日本経済新聞社)・「人事・採用の基礎知識--中国編」(メディアファクトリー)・「ぼくの上海行商紀行」(文藝春秋)・「日本人の知らない中国人の私的事情」(講談社)
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